視人庵BLOG

古希(70歳)を迎えました。"星望雨読"を目指しています。
TwitterID @seibou_udoku

「ペルシャ文明の曙」展

2005-11-23 16:30:52 | 文化
松戸市立博物館で開催されている「ペルシャ文明の曙~文明の基層を探る~」展を見に行ってきました。
東京教育大(現筑波大)が1970年代に農耕起源探査のためにイラン、カスピ海東南部タベ・サンギチャハマークの遺跡調査(調査団長:増田精一氏)をおこなったときの未発表資料と手拓資料が展示されています。
展示されているものは発掘された彩文土器が中心ですが、小生が一番注目したのはペルセポリスの謁見の間(アパダーナ)に上がる階段の側壁に彫られている朝貢図のレリーフの拓本でした。
13点ほど展示されていましたが、バビロニア人、スキタイ人、エチオピア人、メディア人、シリア人、インド人等がペルシャ王に謁見のための貢物が具体的に描かれています。例えばエチオピア人の貢物は珍獣オカピであったり、メディア人は手織物であったりと。
小生もオリエント各地の色々な遺跡を見ていますが、実物を見たときはその存在感に圧倒されてか、じっくりと細部まで観察する余裕がないのが現実です。とりあえずカメラに収めて安心してしまう状態が多々ありました。
そして後で写真を見返すということもあまりなくという状態。
今回これらの手拓からペルシャ人、エチオピア人、シリア人の鼻の形の違いの表現、衣装の細部までに注意ぶかく眼を向けることができました。

最初は様式的な表現と思っていたのですが、見れば見るほど製作者の観察眼の凄さに感服した次第です。

参考:An Empire that Perished in Flames: Persepolis (「NHK World Heritage 100 Series」のVideo sequence で朝貢図のレリーフがみれます)

(「ペルシャ文明の曙~文明の基層を探る~」展パンフから)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4℃

2005-11-22 06:11:19 | Weblog
寒い朝です。

キッチンの窓枠に取り付けた温度計は4℃をさしています。

これから朝食をとって出勤です・・・・・



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

堂平天文台

2005-11-20 18:43:15 | 天文関係
2000年3月に閉鎖された堂平天文台が昨年再開されたという話を聞き、よい天気に誘われて様子を見にいってきました。
関越自動車道を東松山ICで降りて県道大野東松山線から白石峠へ、峠から堂平山頂まで村道の道順です。白石峠への道は細く急勾配でコーナーのところどころには「レッカー車ご利用はxxまで」の看板がたっています。対向車はすくなかったですが、慎重な運転が必要です。
天文台まで50m位のところに10台くらいとめられる駐車場があります。そこからは歩き、でもぐんま天文台に比べれば楽です。




天文台内部の見学は併設されているログハウス(星と緑の創造センター)の管理事務所に声をけると担当の方が案内してくれました。
内部はまだ整備中という感じですが、91cm望遠鏡はすでに稼動しているようで、今月の23日夕方も観望会が開かれるそうです。
お近くの方はぜひどうぞ。ただ夜道の運転にはご注意ください。



天文台内には宿泊施設、炊事場、風呂等も整備されており、貸し出し用小望遠鏡なども用意されているそうです。


天文台の裏側にまわってみるとパラグライダーの練習場になっていました。
風は強かったですけでとてもすばらしい景色でした。
埼玉の山沿いツーリングにからめて、一度泊りがけできてみたいと思いました。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ツラン民族圏

2005-11-17 05:13:11 | 読書
陰謀と幻想の大アジア

平凡社

このアイテムの詳細を見る



「陰謀と幻想の大アジア」内で紹介されている「ツラン民族圏」について、
「北ユーラシアの歴史 貂主の国」さんのブログで丁寧に解説されています。
ご一読をおすすめします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シュメル―人類最古の文明

2005-11-13 17:34:01 | 読書
シュメル―人類最古の文明

中央公論新社

このアイテムの詳細を見る


「シュメル文明だけを単独にあつかった本は珍しいことです。」とはしがきに三笠宮が書かれていますが、紀元前4000-2000年紀にメソポタミア南部に登場した謎の民「シュメル人」についての入門書です。
特に文字の誕生から楔形文字へ、そして円筒印章出現までは非常に手際よくまとめられています。

毎日新聞書評:今週の本棚:藤森照信・評 『シュメル--人類最古の文明』=小林登志子・著


そして下文のようなコラムでシュメル人の世界を生き生きと読者につたえてくれています。

夫婦の情景
最後に1対の像を見ていただこう。ニップル市から出土した祈願者像である。石膏製の男女の坐像である。碑文は刻まれていないが、長く連れ添った夫婦の情愛と結婚生活の満足感を表現している像だという。だが、微笑ましいだけだろうか。手をとりつつも、そっぽを向いた顔には夫婦とはこんなものといったあきらめが垣間見えるようにも思える。このあたりの微妙な心理を見逃さなかったシュメル人の彫刻師の人間観察はなかなかのものである。(P168)





あとがきより

 本書はさまざまな世代の人に読んでほしい。なかでも、「全共闘世代」の人にはぜひ読んでもらいたい。歴史は人間の営みがあってこそ歴史であり、ただ時代が流れているのではない。どの人生も時代とは無縁ではありえないし、個々の人生が結集して時代を特徴づけている。我々の時代は終わろうとしている。「知命」はとうに過ぎ、「耳順」まであとわずかである。しかし「クルヌギ(冥界)」に赴くまでは少し時間がある。青春時代に充分勉強できなかった人に、若い日好きだった歴史を、単位のためでなく、長い人生経験を踏まえて再び楽しんでもらいたい。本書がそのきっかけになることを念じている。自分の人生や自分たちが担った次代を総括し、一度だけの人生の残りの時間を充実させ、納得してほしい。私自身はそうしたいと思っている。(P285)

大学時代、まともに学ぶことが出来なかった同じ全共闘世代として共感できます。


1988年8月イラン・イラク戦争停戦から1990年8月イラクのクエート侵攻までの短い平和の間に再開された最初のツアーで訪れたバビロンの「イシュタル門」(1988/12/29)
右側のバスで各地を廻ったが暖房が壊れていた。停戦直後で修理部品もないそうで、夜だとバス内は零度近くなりガタガタ震えて乗っていたことを思いだす。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする