拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

記録として(宇多丸風)

2008-12-26 20:50:19 | 漫画
萩尾望都の漫画、大分集まった。萩尾作品でも最長(文庫版で10巻。単行本だと17巻)の『残酷な神が支配する』を読破したとき、何かをやり遂げたような開放感に浸ったぜ。でもこれでもコンプリートには程遠いんだよな。80年代以降の作品はそこそこカバーできたんだけど、70年代の作品がまだまだ読めてない。読みたいぜ、初期の短編。でも初期の短編が収録されてる文庫って古本屋でも普通の本屋でもなかなか見つからないんだよね。探し方が悪いのかしら。絶版にはなってないみたいだからネットで買えば早いんだけど、送料無駄だし、なるべくなら安く買い物したいし。以下、読んだ漫画を気に入った順に並べつつ一言感想(…いや、『ポー』だけ少し長い)。書く事がまとまったら長めの感想をいつか書きたいものだ。

■『ポーの一族』
萩尾作品をいろいろ読んでみて、『ポー』よりも楽しめた作品を見つけたりもしたが、やっぱこの作品が纏っている奇妙なオーラには勝てんと思う。異端者の無限の悲しみを切々と描きつつ、その異端者に憧れざるを得ない人々の心情も併せて描くことにより、読者の全てを作品世界に閉じ込めてしまう名作。第一次大戦や世界恐慌やヒトラーに脅えながら人間として生きるのと、それらを余裕で受け流しながらポーの一族として生きるのと、どっちが辛いんでしょ。

■『A-A′』
SF短編集。「一角獣種」というキャラクターはエドガーやアランに並ぶ発明だ。愛おしくてたまらん。

■『Marginal』
スリル満点のディストピア漫画。

■『半神』
一度読んだら忘れられない短編集。やっぱ『金曜の夜の集会』が一番好き。

■『あぶない丘の家』
源頼朝と義経の確執と双方の心情についてここまで掘り下げて描かれた漫画って見たことない。萩尾望都って日本史モノまで描けるのかと絶句。

■『バルバラ異界』
脳みそが心地よくシャッフルされる感じがたまらん。

■『メッシュ』
目の保養。

■『訪問者』
萩尾作品で繰り返し描かれる親子の確執の物語の原点。

■『感謝知らずの男』
バレエ漫画苦手かな?と思ってたけどこれは大好き。レヴィのせいでイグアナを見る視点が変わった。

■『あぶな坂HOTEL』
日本は素晴らしい。こんな良質な短編集が、たったの420円で買える国。

■『銀の三角』
途中「あーもうわけわかんねーよ!」と何度も投げ出したくなったが、最後まで読んでよかったよ。

■『残酷な神が支配する』
『賭博黙示録カイジ』『ベルセルク』『デビルマン』を押さえ、「主人公になりたくない漫画」総合1位。無理!

■『海のアリア』
人体が楽器になるってよく考えたら超絶にエロい。アベルの今後が心配だ。

■『イグアナの娘』
父と息子の確執を描いた萩尾作品は多いが、こっちは母と娘。ドラマとは違い、漫画ではほぼ全編主人公は「服を着たイグアナ」として描かれる。本当は美人さんなんだけどね。

■『トーマの心臓』
同級生に切なく片思いする男子校の生徒達の心を理解しながら読むのは、なかなか難しいものがあります。何故そう簡単にみんな恋に落ちてしまうんだ。いや、「簡単に」じゃなく本気なんだろうけど…。

■『11人いる!』
大声では言えないがあまりグっとこなかった作品。もっと凄い萩尾望都のSF漫画あるじゃんとか思っちゃった。

■『ローマへの道』
心の闇を解き放たないと本来の力は一切発揮出来ない、みたいな物語はよくあるが、この漫画は力を発揮できない苦悩が目を背けたくなるぐらいジックリと描かれてて読んでてあまりにも苦しかった。

■『この娘うります!』
1975年の作品。絵が可憐。

■『ウは宇宙船のウ』
私の頭が悪いのかな。あんまりハマれなかったなぁ。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
漫画同好会(名前検討中 (村石太マン)
2011-07-19 00:54:32
おもしろい漫画 たくさん 読みたいなぁ
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