拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

夏だ、雨月だ、梅児誉美だ

2006-07-19 22:32:46 | 活字全般
先日ゼミの先生に「夏休み中に近世(江戸時代)関連の本・論文を数十冊読み、卒論のテーマの方向性について考えrこと」という課題を出されてしまい一瞬呆然としてしまったが、他のゼミの人達もきっと先生に大変な課題を出されているハズさ、と思えばあまり苦にならない。でも今日、「夏休みの中盤に読書の状況を手紙で知らせること」という課題をさらに出された。「きちんとした形式の手紙を書くというのは社会人として常識なのでこれを機に『手紙の書き方』的な本を一冊買い、その本を参考にしながら課題の中間報告を手紙で知らせろ」と。うーむ。「きちんとした手紙を書く」というのもかなり面倒くさいが中間報告…いや、まぁ、これぐらいやんないと…。もちろんメールでの報告じゃいけません。パソコン使わず手書きです。味気ないもん!
というわけでとりあえず読む本を探しに行く。先日行われた先生との面談でうっかり「『雨月物語』と『春色梅児誉美』に非常に関心があります」と言ってしまった私。『雨月物語』はまだ講談社学術文庫から出てるやつの上巻しか持ってないのでとりあえず下巻を購入。『春色梅児誉美』はまだ半分も読まないうちに図書館の貸し出し期限が来てしまい、返却してしまった。また借りるか。せめてこの二作は読破して、論文も集めて…なんだ、結構楽しそうじゃねーか。忘れてた。好きな事について行動するのってどんな場合でも楽しいものだ。数十冊といわず三桁越えて読んでやるぜ(読み過ぎ)。
本屋で夏休み読む用の本をいろいろと探しているうちに、江戸時代の庶民の文化関連の本に目がいくようになる。近世文学をテーマに卒論書くなら時代背景を細々と知っといてもいいだろう。入門ということで、軽めの本を一冊購入。庶民の暮らしぶりを記述した杉浦日向子著『一日江戸人』。江戸っ子の住宅事情や恋愛事情から正月・夏のすごし方までが面白おかしく紹介されていてサクサク読める。新潮文庫というのもポイント高い一冊。これを足がかりに江戸っ子像にどんどん迫ってみようじゃないか。江戸っ子の間でベストセラーになった『春色梅児誉美』を研究しようとするならなおさらね。
また、先生に「こんなの読んでみたら」と言われて紹介されたのが小林信彦著『ちはやふる奥の細道』(新潮文庫)。これはアメリカ人の日本文化研究者ウィリアム・C・フラナガンという人が、「『奥の細道』の作者松尾芭蕉の人間像に迫る」をテーマに書いたエッセイを著者が翻訳したもの。アメリカ人ならではのとてつもない誤解とこじつけ、そして日本文化への愛が読者の笑いを誘う。近世の研究に役立つかどうかはわからないが、読んでて楽しすぎる一冊。最後まで読んだら記事でまた詳しく紹介しよっかな。

※画像は江戸時代の浮世絵師・菱川師宣の『見返り美人図』。後ろをチラ見するという構図は西洋の印象派の画家たちに影響を与えたと言われている。


【今日の数字】
28670
28470
14210
70142


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
しかし記憶にない、確かに一通り読んだのだけど。 (may99)
2006-07-20 00:26:39
過去の読書メモによると私は『雨月物語』の中の「浅茅が宿」と「吉備津の釜」が好きだったみたいなのでした。
返信する
同じく記憶にない、確かに私も読んだのだけど (shallow)
2006-07-20 19:45:27
両方とも上巻に入ってるハズなのに記憶にないな。まだまだ甘ちゃんだわ
返信する

コメントを投稿