拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

芳香

2007-12-03 20:25:19 | 音楽
一度聴いたら忘れられない、「繰り返すこのポリリズム」というフレーズのループが印象的なPerfumeのシングル「ポリリズム」。…ブレイクしましたね、Perfume。CMもバンバン流れてるし、この間はHEYHEYHEYにも出てた。ここ数ヶ月で一気に知名度を上げた感じ。こんなに認知される日が来るとは思わなかった。私がPerfumeを知ったのはもちろんHip-Hop界随一のアイドル評論家ライムスター・宇多丸経由。一年ぐらい前に彼のブログでその存在を知りました。Perfumeがバリバリの地下アイドルだった4年前から、友人の掟ポルシェと共に彼女たちを「女性アイドル業界最後の希望」としてイチオシしまくってた宇多丸(と掟)。ブログでPerfumeの存在を知った私は「あぁ、筋金入りのアイドルヲタクの宇多丸さんがまーた誰か推してますなぁ…」とぼんやり眺めていた。今年の秋「ポリリズム」が出るまで一年間、聴かずにずーっとスルーしてた。
4年間、関係者でもなんでもない、立場的にはただのアイドルファンとなんら変わりないのに、根気よく自身の雑誌連載コラムやラジオ番組でPerfumeを推し続け、売り上げが見込めずついに「解散か?」とささやかれたベスト盤発売時(去年の夏)もめげずにゴリ推してきた宇多丸と掟ポルシェにとって「ポリリズム」がオリコン7位に入るという快挙は、もう涙涙涙……だったそうで。Perfumeだけでなく宇多丸と掟に対しても「売れてよかったね、おめでとう!」という言葉を投げかけてあげたくなってしまう。ただ、世間の注目を一気に集め始めたのは、今年になって木村カエラが「ファンです」と発言したことがきっかけとなったらしい。そりゃあ、おもいっきりサブカル臭のする宇多丸&掟が推すよりも木村カエラが推す方が効果あるよね(笑)。このことについて宇多丸は「俺のほうが何年も前から推してたんだっ…でも、俺や掟みたいなのが推してたという事実は、可愛らしいPerfumeにとって黒歴史にしかならないんだ…」と、悔しさと卑屈さを交えたコメントを残している。
さて、そんな「ポリリズム」。テクノやハウスなど最新のクラブミュージックに、オートチューニングをかけまくった、ロボトミー手術を受けたような女の子達のボーカルが乗る、という「Perfumeの昔からのスタイルを受け継いだ」(宇多丸談)ポップスである。この曲、私が高2の頃に出会ってたらもうハマりまくってたと思う。巷では「ダフトパンクやアンダーワールドに似てる」と言われてるけど、私が聴いてて思い出したのは、ダンスミュージックに傾倒し始めた2000年以降、後期のスーパーカーである。映画『ピンポン』のテーマソングになった「YUMEGIWA LAST BOY」とか「STROBO LIGHTS」とか、その辺りの。スーパーカーは基本的に男性ボーカルの曲ばかりなのだが、普段コーラスを担当してる女性ベーシストがメインボーカルを取るときもある。で、その女性ボーカルが乗ってるスーパーカーの曲と、Perfumeの曲の空気感が似てるというか。スーパーカーにハマった後私はダンスミュージックに興味を持ち始め、ちょうどよくアンダーワールドの新譜が出たもんだからそれを聴き、一気にのめりこんでしまった。洋邦問わず、TSUTAYAを駆使してあらゆるダンスミュージックを聞きまくった。それまではメロディーの綺麗な音楽が好きだったが、ハウスやテクノにハマると、流れるようなメロディーよりも単純な展開のループのほうが聴いてて気持ちよくなってくる。でもこのような趣向も、Grapevineにハマったり、ラルクが活動を再開させたりした頃には落ち着いていった。「ループも良いけど、やっぱメロディアスなモノが私好みだわ」みたいな。最初に好きになったスーパーカーとアンダーワールド、あと電気グルーヴは今でも好きだけどね。 
Perfumeの「ポリリズム」の曲調・シンセのフレーズがアンダーワールドの「Two mounth off」に似てる、と言われることについて掟ポルシェは、「アンダーワールドはハゲのオッサン、Perfumeは可愛い女の子。曲調が似てるなら俺は可愛い女の子の方を取る」と断言した。あっぱれである。Perfumeが脚光を浴びるのは良いんだけど、彼女らを影ながら必死で応援し続けて来た宇多丸&掟にもなんらかの形でスポットが当たれば良いのにね。なんか不憫だ(笑)。