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拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

60s70s80s

2008-03-02 22:02:37 | 音楽
安室奈美恵とヴィダル・サスーンとのコラボ企画「60s70s80s」がかなり素敵な事になっている。60年代、70年代、80年代を代表するポップスクラシックを現代風にリメイクし、その楽曲のPVをヴィダルのCMに使用、というコラボ。安室の超一級のエンターテイナーとしての才能とエイベックスの巨大な資本が見事なタッグを組んだ企画。本当、バカに出来ませんよあの会社…。今日はこの「60s70s80s」の中から、60sと80sについての感想などを。……70sはあんまりピンとこなかったんだ、実は。
60sは、シュープリームスの「BABY LOVE」のリメイク「NEW LOOK」。かなりポップで可愛いミディアムテンポの曲。曲名も変わってるし、何も知らずに一聴しただけではリメイクだと気付かない曲である。メロディーもアレンジしてるし、原曲をわかりやすく引用してる部分はコーラスの「♪Baby love~」くらい。でもアレンジはかなりレトロで、古き良きアメリカンポップスの香がふんだんに漂う。小刻みに奏でられる少しくすんだ音のピアノと鮮明なキックのバランスが、古くなりすぎず、新しすぎずで見事。
歌詞には60年代を生きる、流行のファッションを追うのが好きな女の子な日常が描かれる。日本にミニスカートブームを巻き起こした映画女優に憧れたり、雑誌やお店で常に新しい洋服をチェックしてたり、パリコレのモデルを真似てウォーキングするのが好きだったり…そんな子。こういう子は60年代だけじゃなく現代にも沢山いるけど、「NEW LOOK」の女の子は妙に楽しそうで、キラキラ輝いている。60年代と言えば日本経済は右肩上がり。「明日は今日より素敵な日になる」と本気で信じられた時代……って生まれてないからわかんないけど、なんかそんなイメージがある。60年代のポジティブでワクワクするような空気感を込めたような、そんな曲。可愛いなぁ。
80sは映画『Flush Dance』のテーマ曲「WHAT A FEELING」のリメイク。ディスコブームを巻き起こした、誰もが知ってるあの曲である。やっぱ「80年代」っていうとこういうイケイケなダンスミュージックが浮かぶなぁ。80年代=刹那的快楽、バブル、サーファーディスコ…みたいなイメージ。当時のシンセのサウンドを現代の機材で表現したような、エレクトロニカな手触りの歌謡ディスコチューン。頭の悪そうなケバケバしいシンセが笑いを誘う。終盤のブレイク部分、まるで野球の応援のような間延びしたメロディーが「もう踊り過ぎて頭真っ白!カラッポ!」みたいなバカバカしさが感じられて最高である。
歌詞はとにかく「ダンスが楽しい!!」、これに尽きる。安室が作詞したわけではないが、彼女の生き様が透けて見えるかのような歌詞になっている(気がする)。スターを目指して、とにかく踊りまくる女の子。誰もいない真夜中のオフィス街、ビルの窓を鏡代わりにして朝まで踊りまくる。これ、安室本人も経験があるらしい。ブレイクまでの下積み時代が長い事で知られる安室。歌詞にあるように、「抜け出すため 昇りつめるため」「誰よりも輝けるように 誰の心も照らせるように」踊り続けた結果(もちろん歌のレッスンも)、スターになった安室。彼女のブレイク以降、彼女が所属していた沖縄アクターズスクールにスポットが当たり、出身者たちが次々と鳴り物でデビューしては消えていった。つまり沖縄アクターズスクールが凄いのではなく、安室の努力が飛びぬけて凄まじかったのだ。アクターズスクール出身者で今、最前線で活躍している人が安室のみであることがそれを証明している。今だに全盛期のようにスリムな体型でキレのあるパフォーマンスが出来るのは、スターになった今も日々の努力を怠らないからであろう。ルックスや才能や運に恵まれただけじゃない。誰にも負けない血の滲むような努力の積み重ねが、今の安室の地位を作ったのだ。
……とまぁ、なんというか、安室のプロ根性というか 芸能魂みたいなのが滲み出てるような、そんな曲だなぁと思ったわけです、80sは。三曲中で一番好きです。 だから動画貼っておきます。



Namie Amuro-WHAT A FEELING



引き裂かれる男

2008-02-28 00:09:07 | 音楽
人気華流俳優エディソン・チャンのプライベート写真流出問題で大荒れの香港芸能界。エディソン本人は勿論、彼とのアワワな写真が流出してしまい、芸能界引退に追い込まれる人気女性タレントが多数。かわいそうに。エディソンは「まだまだ旬だったタレントたちをあっという間に使い物にならない存在へと変えてしまった戦犯」としてマフィアに命を狙われてるそうで。やっぱどこの国も、芸能界を牛耳ってるのはヤバい人たちなのね…。流出の原因はエディソンが修理に出したパソコンから、とのこと。これを聞いて思い出したのが、数年前の「平井堅、空き巣にパソコンを盗まれる事件」。パソコン盗られるって本当に大変だ。まして平井さんのパソコン……まぁ良い。
前置きが長くなったが、今日は去年の秋、平井堅が「fake star」をリリースしたころにmixiの方に書いた日記を唐突にそのまんま転載してみる。3月にリリースされるアルバム、なんとタイトルが『fakin' pop』ということで。このアルバムタイトルにぴったりの日記だと思うのでこのタイミングで転載。


平井堅は、日本を代表する男性歌手の一人である。2000年1月に発売したシングル「楽園」のヒットでその名を広く知られるようになり、日本に男性R&Bブームを巻き起こした彼であるが、童謡「大きな古時計」をカバーしたり、大ヒット映画『世界の中心で、愛をさけぶ』のテーマ曲としてバラード「瞳をとじて」を提供するなど、R&Bにとらわれず、様々なジャンルの音楽に挑戦している。彼がデビューした1995年から2005年までの10年間にリリースされたシングルを収録したベストアルバム『Ken Hirai 10th Anniversary Complete Single Collection '95-'05 歌バカ』は、売り上げ200万枚を突破(2007年現在 オリコン調べ)。名実共にトップアーティストと呼べる存在である。
このベストアルバムの最後には、「POP STAR」という曲が収録されている。一度聴けばすぐに口ずさめるような親しみやすいメロディーや、CG処理によって「沢山の平井堅」が登場するユニークなプロモーションビデオなどが相成ってこちらも大ヒットを記録した。これまでは柔らかく深みのある歌声を生かしたバラード曲の印象が強かった平井だが、アップテンポな「POP STAR」のヒットによって人気をさらに広げることに成功したといえよう。歌番組やプロモーションビデオで楽しそうに「♪I wanna be a pop star」と歌う平井は、「ポップスターになりたい」と口にせずとも既にポップスターの佇まいをしていた。
そんな、歌手として順風満帆に活動をし続けている平井堅が2007年9月にリリースしたシングルが、「fake star」である。「POP STAR」を想起させる曲名であり、本人も「『POP STAR』と対になっている」と公言しているため、この二曲を対比させてみると、双方の関連が浮き彫りになってくる。まずは歌詞。「fake star」にも、「POP STAR」に登場した「wanna be a pop star」というフレーズが登場する。しかしその後に続くフレーズは、「but he's a fake star」である。「ポップスターになりたい」「しかし彼はフェイクスター」。ここでのポップスターが「理想の自分」だとすると、フェイクスターというのは、「理想に近づこうと模索する自分」と言えるだろう。ここで注目したいのがCDのジャケット。「POP STAR」は、平井とラクダの2ショット写真が使われている。「fake star」も平井とラクダの2ショットだが、こちらはモノクロ写真であり、平井は仮面舞踏会で身につけるようなマスクを手にしている。。「fake star」の歌詞の前半部分では、素顔を隠しながら生活せねばならないスターの苦悩が描かれている。そしてマスクというのは素顔を隠すもの。フェイクスターというのはつまり、「素顔を隠し苦悩しながらも、理想とするポップスターになりたいと願う自分」である。
この曲の最後のフレーズは「who is a fake star? that's me」。沢山のヒット曲に恵まれながらも満足せず、自らを「フェイクスター」だと言い切ってしまった平井堅。しかし世間のイメージから見れば彼は紛れもなく「キラキラのポップスター」。まさに平井は、フェイクスターとポップスターの間で引き裂かれまいともがいていると言えよう。


堅はス・テ・キ

2008-02-20 00:47:37 | 音楽
衝撃映像だ。平井堅が出演するリプトンのCMのことである。リプトンレモンティーの色・黄金色で彩られたキラキラのステージで、ガールズバンドをバックに従えて、超ファンキーな曲を腰振ってノリノリで歌う平井堅………もう殆どカミングアウ…じゃなくて。やっぱこっちだよ!平井堅が真に輝くのはバラードじゃなくて、ノリノリの4つ打ちダンスチューン、もしくはこの新曲「君はス・テ・キ」のような踊れるファンクだよ!「君の好きなとこ♪」なんて素朴な曲歌ってる場合じゃないってやっぱり。「fake star」も最高だったけど、やっぱ平井堅にはビートの強い曲でどんどん攻めてもらわないと。
「自分が真に輝けるのはどんな曲か」。平井堅ほどのベテランかつ実力派ならばしっかり把握してると思う。サザンや岡村靖幸をリスペクトし、ヒット曲「POP STAR」について「(松浦)あややになった気分で歌いました」と語る平井堅。ファンキーな血がドクドク流れまくってる平井堅。そんな彼に似合うのは、やっぱりアップテンポな曲。しかしそれは世間の需要にはそぐわない。「fake star」、平井堅にしては全然売れてなかったしね(あんなにかっこいい曲なのに。そしてエリカ様のCMとも相性抜群だったのに)。新曲「君はス・テ・キ」はドラマ「ハチミツとクローバー」の主題歌との両A面シングルとしてリリースされるらしい。攻めまくりの「君はス・テ・キ」単体じゃ売れないと判断されて、無難な「ハチクロ」主題歌と合わせてのリリースなのだろう。困るなぁ。Mステとかではどちらを歌うんだろ。絶対「君はス・テ・キ」を歌って欲しい。そして夜8時台のお茶の間をドン引きさせて欲しい!傑作ぶっとびファンクチューン「Strawberry sex」の時みたいに…(これも名曲だったのに売れなかったな)。
ただ、アップテンポじゃない曲でも「エレジー」のようなドロッドロなバラードものは良いと思う。紅白歌合戦での「エレジー」熱唱は素晴らしかった。紅白では、男性ながら紅組で出場した中村中の直後に平井堅が登場した。性同一性障害を告白した歌手のすぐ後に平井堅という、あまりにも意味深過ぎる出場順にNHKの何らかの意図を勝手に感じ、視聴者として勝手にハラハラしてしまった。「エレジー」、「♪その手で私を汚して…」とか、中村中が歌いそうな歌詞だしさ。まさにカミングアウt……あの茶の間に似つかわしくない生々しさ、最高でしたよ堅さん!
2008年一発目の傑作チューン「君はス・テ・キ」は、「岡村ちゃんに負けないゾ」という気持ちで歌ったそうだ。歌詞も本人曰く岡村イズムを感じさせるものらしい。曲名のインパクトも岡村ちゃんに通じるものがある気がする。ぜひともその道を探究していって欲しいものである。最高に似合ってるもん。そしてバラードはしばらく封印で!


追記
ついにしょこたんが1stアルバムをリリースする。タイトルは『Big☆bang』…だからバラエティ番組とかで執拗に「ビッグバン」を連呼してたのかぁ。気になるけど宇多田のアルバムと同じ日に出るから、買うのは当分先か。でも春はラルクもいろいろ出すから(4月2日にDVDとシングルで9000円飛びます)レンタルで済ますかもな。
この前出たシングル「snow tears」は凡バラードでがっかりしてしまった。アイドルが歌うバラードってよっぽど曲が良いか、本人の声質が特徴的じゃないと印象に残らないけど、しょこたんバラードも個人的にはダメであった。平井堅のバラードすらあまり楽しめないからな、私。アルバム曲は珍妙でキュートななポップスが沢山入ってるといいなぁ。アイドル歌手のアルバムを聴く醍醐味を味わえるような、ね。
 

罪を憎んで曲を憎まず(人は憎んで良し?)

2008-02-10 03:57:48 | 音楽
先日、覚せい剤所持でまたまた逮捕されてしまった岡村靖幸。予定されていたツアー、紙ジャケのリリースは中止、ファンクラブも解散と、全てのアーティスト活動は当然停止となってしまった。こういう事態になると、ラジオでの楽曲のオンエアなども自粛されたりするもの。しかしTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」は違った。
ヒップホップグループ・ライムスターの宇多丸がパーソナリティーをつとめるこの番組では、毎回番組後半に音楽、または映画について、あるテーマを決めて宇多丸がノンストップで語りまくるコーナーがある。宇多丸が大好きなアイドルソング特集、本職のヒップホップ特集、イチオシの映画特集、さらには彼が寵愛する今を時めくPerfumeをゲストに招いたり、しょこたんとヒップホップ最強のアニヲタ、MC仁義を招いてアニメトークしたり、K DUB SHINEと「第三会議室ラジオエディション」みたいなのやったり、酷い映画を数十分かけてねちねち酷評したり(小栗旬主演『キサラギ』)…まぁ、毎回聞きごたえのある楽しいコーナーである。彼は自分の好きな音楽や映画についての魅力を、誰にでも伝わるようにわかりやすくかみ砕いて語る。さすがライター経験もあり、言葉を自在に操るラッパー。彼のトークに乗せられて、私のハロプロ熱が高まったのは言うまでもない…。
で、2月9日のこのコーナーで、「岡村靖幸特集」が放送されたのである。先週放送分で「次週は岡村ちゃん特集をやります!」と宣言した数日後に岡村ちゃんが逮捕後されてしまったため、宇多丸本人は勿論、多くの番組リスナーは驚愕した。な、なんつータイミング…!!!特集どうなるんだろ…。岡村ちゃんの曲、やっぱりしばらく放送自粛でしょ?じゃあやっぱ特集も中止?…しかし特集は予定通り放送された。「楽曲に罪は無い」という己のスタンスを貫いたわけだ。さすがぁ。
肝心の特集の中身。基本的にこのコーナーは「特集するアーティストについてリスナーはよく知らない」という前提で進められるため、岡村ちゃんマニアにとっては「基本です」(カルトQ)というような内容。岡村ちゃんの音楽的先進性、ラッパーである宇多丸を驚かせた「本来ならラッパーが到達すべき、リアリズムを極めたリリック」について語る。さらに、「この天才変態ミュージシャンである彼の遺伝子を受け継ぐ男」として某タレントを挙げ盛り上げる。正直この「某タレント」については、先週あれだけ「かなり意外性がある!!」と煽ってた割には普通だったが、岡村ちゃんの魅力をAMラジオで伝える特集としては充実の内容だったかと思う。岡村ファン的には物足りないだろうが、だからといって宇多丸を叩くのは野暮だ。さっきも書いたけど岡村ちゃんを紹介する特集だし。そして時間は25分弱しかないわけだし。むしろ感謝してやって欲しいぐらいだ。この期に及んで岡村ちゃん特集なんて暴挙をやった宇多丸とTBSに。「宇多丸は岡村ちゃんのこと何もわかっていない」だって?たった一週分のラジオ聴いただけでそんな簡単に結論付けなくても。選曲が「カルアミルク」じゃ物足りないだって?聴きやすいバラード流すしかないじゃん時間が限られてるんだから。「青年14歳」なんてかけたら知らない人ドン引きでしょ。
この特集はTBSラジオのポッドキャストで聞ける。さらにラジオ全体は、親切な誰かさんによって毎週月曜ごろ、ニコニコ動画にアップされる。ポッドキャストではカットされているオンエア楽曲やBGMも聞けるため、ニコ動利用が番組を楽しむには断然オススメではある。しかし「ウィークエンドシャッフル」は、異様なまでに充実しているポッドキャストも魅力である。2時間の放送内容の殆どをアップしており(ポッドキャストで聞けないのは曲をかけまくるDJMIXコーナーぐらい)、さらには「放課後ポッドキャスト」として、毎週一時間近く宇多丸と、パートナーのしまおまほ(ボンクラ漫画家)との雑談も公開している。多分、TBSラジオで最も充実しているポッドキャストを持つ番組であることは間違いない。

秘密のHz

2008-01-21 22:09:40 | 音楽
2007年2月の「Flavor of life」リリース以降、ほぼ定期的に曲を発表し、3月19日にはアルバムが出るという吉報も届けてくれた宇多田ヒカル。そのアルバムの先行シングル「Heart Station/Stay gold」を聴いた。…ぬ~…早くアルバム聴きてぇ!前作「Beautiful World/Kiss&Cry」も当然のように良いシングルだったが、他にもこんなに良い曲を作っていたのか…と驚愕してしまう楽曲である。ブログでは相変わらずぬいぐるみと遊んでる写真やらちょんまげのカツラをかぶって喜んでる写真やらをアップしまくり、とにかくおバカな一面ばかりを押し出し続けている近年の宇多田だが、本業の音楽の方は相当充実しているようだ。なんか…立て続けに名曲を発表する様は6年前の、『DEEP RIVER』リリース前を思わせるなぁ。「traveling」「光」「SAKURA ドロップス」「Letters」と、名曲をここぞとばかりにリリースしまくってたあの頃みたい。
「Heart Station」は、オンエア解禁日の夕方、この新曲をいち早く聴きたいと思いラジオの前でMD録音の準備しながらスタンバって捕獲した。一切聴いたことない曲のハズだけど、ふわっとイントロが流れてきた瞬間、それまでラジオで流れていた音楽とは違う空気を感じて、「あれ?あれ?あれ?まさか?」と思いながら恐る恐る録音ボタン押したら、しばらくして予想通り宇多田の声が…重度の宇多田ヲタになりつつあるかもしれん…。さて、曲。曲調や詞は全く違うものの、なんとなく名曲「DISTANCE」を彷彿とさせるミディアムテンポの軽やかな曲。軽やかに緩やかに聴く者の心を高揚させていく、魔法みたいな曲だ。あまりにも魔法が効き過ぎて、初聴きで涙出そうになった。曲名の「Heart Station」は、電波に乗せて人の想いを届けるラジオ局という設定らしい。「私の声が聴こえてますか 深夜1時のHeart Station チューニング不要のダイヤル 秘密のHz」と、さりげなく脚韻(頭韻も?)を踏みながら風のようにスキップしながら人の心をかき乱す。あぁ…この曲を聴くこと=Heart Stationにダイヤル合わせることなんだな……。他人が繰り広げる恋愛をラジオ局という場所で俯瞰しながら応援しているような歌詞だけど、同時に非常に私小説的な香りも。不思議な曲だわ。
「Stay gold」の方は去年の秋からシャンプーのCMでオンエアされまくっていた曲。チープに響く電子音と柔らかさを極めた温かく広がりのあるピアノとが絡まりあって、宇多田独特の浮遊感のある音世界を構築したトラックがこれまた味わい深い。決して最先端の音楽を志向してるわけじゃなさそうなのに、誰にも似ていない新鮮な音楽を作り続けてるんだよ…。歌詞の方はサビで「大好きだから ずっと」という、数多のラブソングに登場してきた定番フレーズを連発。しかし曲のアレンジが何処にもないものなので歌詞も新鮮に響く。あと凄く良いなと思ったのが「悲しいことはきっとこの先にもいっぱいあるわ my darling stay gold 傷つくことも大事だから」というフレーズ。これぐらいの気構えで生きていけたら人生怖いもの無しだろうな。胸にしまっておきたくなるぐらい好きだ、ここ。
宇多田は以前インタビューで、「コアな固定ファンは要らない」という旨の発言をしていた。盲目的に自分を応援するのではなく、新曲を出す度に「この曲好きだな」「この曲は全然好みじゃないからどうでも良いや」と各自で判断しながら自分の曲を聴いて欲しい、と。宇多田のCDの売り上げの振り幅の激しさを見ると、本人のこの希望は叶ってるようだ。でも私は『DISTANCE』以降の楽曲はなんだかんだでずーっと好きだな。問題作といわれ、一気にファンが離れ売り上げが落ちた(それでも90万枚とかだけど)『ULTRA BLUE』も大好き。ついでに一番聴かなかった『First Love』も最近やっと良さがわかってきたし(いくらなんでも遅すぎ)……好きになれない要素が無いなぁ、宇多田ヒカルの曲は。

ODO

2008-01-09 02:17:25 | 音楽
TBSラジオで「封印歌謡大全2」という番組が先日放送された。歌詞の内容に何らかの問題があるとされ、メディアが放送を自粛してきた歌謡曲を、思い切って一気に放送してしまおうという冒険番組。メインパーソナリティーははライムスターの宇多丸で、パート1は昨年の夏に放送された。前回の放送では、「自粛度Aランク」の代表曲らしい、岡林信康の「手紙」がオンエアされ一部で話題を呼んだそうだが、今回も「封印歌謡」の代表とされる曲がずらり。以下、曲リスト。

1.  イムジン河 フォーククルセダーズ (1968)
2.  自衛隊に入ろう 高田渡 (1968) 
3.  黒いカバン 泉谷しげる (1971) 
4.  れ・い・ぷ フィーリング 小林万里子 (1979)
5.  おど 三上寛 (1971) 
6.  からっぽの世界 ジャックス (1968) 
7.  金太の大冒険 つボイノリオ (1975) 
8.  本願寺ぶるーす つボイノリオ (1970) 
9.  飛んでスクランブール つボイノリオ (1996) 
10.  山谷ブルース 岡林信康 (1969) 
11.  おそうじオバチャン 憂歌団 (1975) 
12.  お政治オバチャン 憂歌団 (1976) 
13.  つくばねの唄 あのねのね (1975) 
14.  悲惨な戦い なぎら健壱 (1973) 
15.  さすらい 克美しげる (2007年ver.)

殆どが初めて聴く曲ばかりだったが、どれも衝撃的であった。まぁ、放送自粛どころか発禁にまでなった「イムジン河」は、最近は映画「パッチギ」で大フィーチャーされたこともあり、特に衝撃を受けることは無かった。メロディアスだしキャッチーだし、歌詞にもこれといって問題点は見当たらないし、普通のフォークソングにしか聴こえなかった。自分には。とにかく今回放送された曲で一番衝撃だったのは三上寛の「おど」だ。こ、怖すぎる…。「おど」とはおそらく津軽弁で「父親」。この父親の暴漢ぶりのせいで、三人の家族が悲惨な形で命を落とした…家族を「殺した」父親への恨みを恐ろしく湿っぽく、そして激しく歌に込めた、殆ど「父への怨念」で出来ているような楽曲。これを午後7時台のラジオで流す、というのは大変な暴挙のような気がする。パーソナリティの宇多丸は、楽曲に対して「歌詞に問題がある」「放送に適さない」等の理由をつけ、「聴いた人が不快に思う可能性がある」と放送を自粛しようとするメディアに対し異を唱えている人だ。で、私もメディアの判断で特定の楽曲を放送自粛するということに対して割と否定的に思っているのだが…「おど」は自粛されても仕方ないのでは。いや、私はあのおどろおどろしさがヤミツキになって何度も聴いてしまったけどさ、やっぱ大多数の人は不快に思うだろう。遅くない時間帯に「おど」流しちゃって大丈夫だったのかな。車を運転中にたまたまTBSラジオつけてて、たまたま「おど」聴いた人とか、相当ビビったんじゃないだろうか、「おどーーーーー!!!」の部分で。
ただ、「おど」のような暗い楽曲ばかりがオンエアされたわけではない。中盤の「つボイノリオ特集」にはかなり笑わされた。卑猥な単語を、文節を操作し、意識しなければ普通に聴こえるものに仕上げた楽曲を多数生み出したつボイ氏。東海地方の住人なら、CBCラジオのパーソナリティーとしてもお馴染みの彼だが、この人も「封印歌謡」の常連。「金太の大冒険」と並んでつボイノリオクラシックである「インカ帝国の成立」は、放送禁止用語をあまりにも堂々と連発しまくってる曲だからオンエア無理だったみたいだけどね…。


既視感

2007-12-29 17:24:48 | 音楽
去る12月24日、LUNA SEAが東京ドームで一夜限りの復活ライブ「One Night Dejavu」を行った。この模様はNHKハイビジョンで深夜に即日放映されたので録画しておいた。うちのデッキじゃせっかくのハイビジョン画質を低クオリティでしか記録できないので、本当はリアルタイムで見たかったんだけどな…。で、ついさっき録画したものを観終わった。いろいろなことを思った。感想はまた後で書くとして、今日は今年の6月ごろに作ったあのくだらない…『エヴァンゲリオン、LUNA SEA版』みたいなのを載せておく。再結成が発表される前に作ったものだから、今見ると色々といじくりたい部分もあるがとりあえずいじらず。X JAPAN版漫画『PLUTO』版はいつぞやに載せたが、あれとは違い、LUNA SEA版は英語のサブタイトルバージョンも作った。作った記念に2chのLUNA SEAスレを探し、貼ってみたら「気持ち悪い」との感想をいただいた。ありがとう。では以下、どーぞ。見る人が見れば気づくだろう。英語版の作りの荒さを。苦手なの英語。


第壱話 LUNACY、襲来
EPISODE:1 LUNACY ATTACK
第弐話  見知らぬ、バンド
EPISODE:2 THE SHADE
第参話  鳴らない、リフ
EPISODE:3 A composer
第四話  J、逃げ出した後
EPISODE:4 J's Dilemma
第伍話   黒服、限定ギグのむこうに
EPISODE:5 RYU I
第六話   決戦、日本武道館
EPISODE:6 RYU II
第七話   スレイヴの造りしもの
EPISODE:7 SLAVES WORK
第八話   台風、来訪
EPISODE:8 TYPHOON STRIKES!
第九話   瞬間、気合い、重ねて
EPISODE:9 Both of you,Act Like We Want to Win!
第拾話   ルナティックトーキョー
EPISODE:10 LUNATIC TOKYO
第拾壱話  終了した悲しみの中で
EPISODE:11 The Day of End of Sorrow
第拾弐話  MOTHERの価値は
EPISODE:12 He said,"Don't make others suffer for your personal hatred
第拾参話  タイアップ、侵入
EPISODE:13 CHICAGO HOPE
第拾四話  STYLE、名盤の座
EPISODE:14 WEAVING A STORY
第拾五話  冬と野外
EPISODE:15 Those men longed for the glory of themselvs, and thus acted at the studiam in December
第拾六話  ソロに至る病、そして
EPISODE:16 Splitting of the Band
第拾七話  ヴィジュアル系の代表者
EPISODE:17 VISUAL ROCK
第拾八話  再開の選択を
EPISODE:18 AMBIVALENCE
第拾九話  男の戦い
EPISODE:19 INTROJECTION
第弐拾話  嵐のかたち、ライブのかたち
EPISODE:20 WEAVING A STORY 2:∞ stage
第弐拾壱話 ルナシー、誕生
EPISODE:21 They were aware that they were still a child.
第弐拾弐話 せめて、RYUICHIらしく
EPISODE:22 Don't Go
第弐拾参話 月
EPISODE:23 RYU III
第弐拾四話 最後のシングル
EPISODE:24 The Beginning and the End, or "Love Song Together"
第弐拾伍話 終わる狂気
EPISODE:25 Do you love us?
最終話   ドームの中心で「カカッテコーーイ!!!」を叫んだけもの
FINAL: Take care of slaves

第25話   Wish
EPISODE:25' LUNA SEA is destructive
第26話  銀テープを、君に
ONE MORE FINAL: I for you.







規制

2007-12-15 00:11:30 | 音楽
「封印歌謡大全」というラジオ番組を「ニコニコ動画」で聴いた。国内で発売禁止になったり、放送が自粛されたりした日本の曲を一挙に放送した、今年の夏にTBSラジオでやった番組。「封印」された理由は様々。歌詞の内容が反権力的過ぎたり、差別問題(、宗教、障害、民族)に触れていたり、卑猥だったり…。当然「放送自粛」という処分に法的拘束力は無いので、ラジオやテレビで処分された曲を流しても問題は無いのだが、「この曲かけると面倒な問題が起きるから…」ということで封印されていったそうな。分断された朝鮮半島を歌った「イムジン河」が、「歌詞が南側に寄りすぎている」という理由で朝鮮総連から圧力がかかり、「封印」された、ってのは映画『パッチギ』でもやってたね。
放送自粛処分が下されたいわく付きの曲たちをバンバン流した「封印歌謡大全」。ここでかかった曲は、1970年代のフォークソングとかが多かったのかな?やっぱ。「封印歌謡の代表」らしい、岡林信康という人の「手紙」って曲が耳から離れないわ。インパクト強すぎる…。上手く言葉に出来ないなぁ。
番組聴いてて印象に残ったのは、「卑猥だ!!」という理由で放送が自粛された曲たち。どれもめちゃくちゃ面白い。戦前にそのセクシー過ぎる歌声と歌詞で人々を悶絶させ、「娼婦ノ如キ狂態ヲ思ワセル」という理由で政府による処分を下された渡辺はま子という人の「忘れちゃイヤよ」という曲とか。確かに声は色っぽいが(超アナログな音質がその淫靡さを、より引き立てる)、歌詞は別に…発禁処分下すほど凄くは無い(笑)。まぁでも女性側からガンガン誘うような内容の歌詞が気に障ったのかな。 享楽的でエロい曲は「戦意を喪失させる」みたいな理由から政府に目をつけられたようだけど、「忘れちゃイヤよ」を聴けば気分が高揚して戦意も高まるんじゃ?あ、あと梅宮辰夫の「シンボルロック」!ヒモ男が主人公のどーしようもなく素敵な曲である。これ「封印歌謡」だったのね!

シンボル シンボル 男のシンボル
こいつを使って こいつで泣かせて
その上こいつが 金を生む

羽賀研二かよ!っていう。まぁ、私の世代だと梅宮辰夫=娘想いのパパって感じだけど、昭和の頃から辰夫をよく知る人にとっては辰夫=夜の帝王(ていうか「稀代のワル?」)だそうなので、「シンボルロック」なんて名曲が作られたんだろうね。…今となっては、封印したいのはラジオ局じゃなくて梅宮辰夫本人だろ?っていう。
「卑猥な歌」と聴いて私が思い浮かべるのは、「ピエールとカトリーヌ」という曲。とんでもない曲なんだけど歌詞が巧みで。代名詞だらけで、直接的な表現はゼロ。ゆえに放送コードにはひっかからないという。昔hydeが「カラオケでピエールとカトリーヌ歌いたいんだけど、一緒に歌ってくれる人が居ない」と言ってたが(男女のデュエットソングなのです)、居るわけないだろ!!っていう。カラオケで歌ったらKYどころじゃ済まないぞー。ちなみに数年前のラルクのツアーで、hydeの希望で「ピエールとカトリーヌ」の一部がSEに使われた。おいおい。


芳香

2007-12-03 20:25:19 | 音楽
一度聴いたら忘れられない、「繰り返すこのポリリズム」というフレーズのループが印象的なPerfumeのシングル「ポリリズム」。…ブレイクしましたね、Perfume。CMもバンバン流れてるし、この間はHEYHEYHEYにも出てた。ここ数ヶ月で一気に知名度を上げた感じ。こんなに認知される日が来るとは思わなかった。私がPerfumeを知ったのはもちろんHip-Hop界随一のアイドル評論家ライムスター・宇多丸経由。一年ぐらい前に彼のブログでその存在を知りました。Perfumeがバリバリの地下アイドルだった4年前から、友人の掟ポルシェと共に彼女たちを「女性アイドル業界最後の希望」としてイチオシしまくってた宇多丸(と掟)。ブログでPerfumeの存在を知った私は「あぁ、筋金入りのアイドルヲタクの宇多丸さんがまーた誰か推してますなぁ…」とぼんやり眺めていた。今年の秋「ポリリズム」が出るまで一年間、聴かずにずーっとスルーしてた。
4年間、関係者でもなんでもない、立場的にはただのアイドルファンとなんら変わりないのに、根気よく自身の雑誌連載コラムやラジオ番組でPerfumeを推し続け、売り上げが見込めずついに「解散か?」とささやかれたベスト盤発売時(去年の夏)もめげずにゴリ推してきた宇多丸と掟ポルシェにとって「ポリリズム」がオリコン7位に入るという快挙は、もう涙涙涙……だったそうで。Perfumeだけでなく宇多丸と掟に対しても「売れてよかったね、おめでとう!」という言葉を投げかけてあげたくなってしまう。ただ、世間の注目を一気に集め始めたのは、今年になって木村カエラが「ファンです」と発言したことがきっかけとなったらしい。そりゃあ、おもいっきりサブカル臭のする宇多丸&掟が推すよりも木村カエラが推す方が効果あるよね(笑)。このことについて宇多丸は「俺のほうが何年も前から推してたんだっ…でも、俺や掟みたいなのが推してたという事実は、可愛らしいPerfumeにとって黒歴史にしかならないんだ…」と、悔しさと卑屈さを交えたコメントを残している。
さて、そんな「ポリリズム」。テクノやハウスなど最新のクラブミュージックに、オートチューニングをかけまくった、ロボトミー手術を受けたような女の子達のボーカルが乗る、という「Perfumeの昔からのスタイルを受け継いだ」(宇多丸談)ポップスである。この曲、私が高2の頃に出会ってたらもうハマりまくってたと思う。巷では「ダフトパンクやアンダーワールドに似てる」と言われてるけど、私が聴いてて思い出したのは、ダンスミュージックに傾倒し始めた2000年以降、後期のスーパーカーである。映画『ピンポン』のテーマソングになった「YUMEGIWA LAST BOY」とか「STROBO LIGHTS」とか、その辺りの。スーパーカーは基本的に男性ボーカルの曲ばかりなのだが、普段コーラスを担当してる女性ベーシストがメインボーカルを取るときもある。で、その女性ボーカルが乗ってるスーパーカーの曲と、Perfumeの曲の空気感が似てるというか。スーパーカーにハマった後私はダンスミュージックに興味を持ち始め、ちょうどよくアンダーワールドの新譜が出たもんだからそれを聴き、一気にのめりこんでしまった。洋邦問わず、TSUTAYAを駆使してあらゆるダンスミュージックを聞きまくった。それまではメロディーの綺麗な音楽が好きだったが、ハウスやテクノにハマると、流れるようなメロディーよりも単純な展開のループのほうが聴いてて気持ちよくなってくる。でもこのような趣向も、Grapevineにハマったり、ラルクが活動を再開させたりした頃には落ち着いていった。「ループも良いけど、やっぱメロディアスなモノが私好みだわ」みたいな。最初に好きになったスーパーカーとアンダーワールド、あと電気グルーヴは今でも好きだけどね。 
Perfumeの「ポリリズム」の曲調・シンセのフレーズがアンダーワールドの「Two mounth off」に似てる、と言われることについて掟ポルシェは、「アンダーワールドはハゲのオッサン、Perfumeは可愛い女の子。曲調が似てるなら俺は可愛い女の子の方を取る」と断言した。あっぱれである。Perfumeが脚光を浴びるのは良いんだけど、彼女らを影ながら必死で応援し続けて来た宇多丸&掟にもなんらかの形でスポットが当たれば良いのにね。なんか不憫だ(笑)。



道端

2007-11-23 23:06:43 | 音楽
タンポポ。モーニング娘の中から、飯田香織、石黒彩、矢口真里の3人をピックアップして結成されたユニット。石黒彩がモー娘を脱退した後は残った二人に石川梨香と加護亜衣を加え、4人グループとして再出発。3人だった1期と4人になった2期。双方のコンセプトは全く違い、出来上がった楽曲の雰囲気も正反対と言って良いほど異なっているが、両方ともかーなり良い楽曲が揃っている。個人的には同時期に活動していた後藤真希率いる「プッチモニ」や、本隊のモー娘よりも曲が粒ぞろいなのではないかと思っているほどである。でも、私がタンポポの魅力に気づいたのはつい最近。リアルタイムでは殆どスルーだった。ブックオフで発売されている二枚のアルバムを105円でなんとなく購入したのがキッカケで、一気にタンポポワールドにハマりつつある。
1期のメンバーで制作された1stアルバム『TANPOPO1』。こちらのコンセプトは、モー娘本隊では表現しきれない、少々大人っぽい雰囲気の楽曲と繊細なコーラスワークの追究であろうか。丁寧に作りこまれた楽曲と切ない歌詞。アルバムを一通り聴けば、当時のスタッフたちの気合を手に取るように感じることが出来るだろう。この頃って、プロデューサーであるつんくの仕事量も今より全然少なかったはず。ゆえに一つ一つの楽曲制作に全力投球できたのだろう。発売されたのは99年3月。モーニング娘。の大ブレイク前夜の、奇跡のような仕事である。本当、捨て曲無いんだよなー。流麗なストリングスと冷気漂うシンセ、感情をくすぐる絶妙なメロディー運び。歌も、アイドルだって事を忘れそうになるくらい綺麗にハモってる。
対して2期のメンバーでは、数枚のシングルが出されただけでオリジナルアルバムは作られていない。代わりに1期タンポポのシングルと2期のシングル及び未発表曲などを収録した『All of タンポポ』というアルバムが、セカンドアルバムとして発売された。これはこれで良いアルバムなんだけど、やっぱり2期でもちゃんとしたオリジナルアルバムを作って欲しかった、というのが正直なところ。この頃のつんくはモーニング娘。全盛期で、モー娘。以外にも様々なユニットのプロデュースを抱えていたためそんな余裕は無かったのだろうな…。1期の音作りが打ち込み主体だったのに対し、2期は生音主体で、コンセプトはブリティッシュロックポップといった所か。クイーンの曲と似た雰囲気が殆どの曲に漂っているのだ。そこに乗るのは拙くも可愛らしい歌声。歌唱力は1期より大分劣るので、コーラスワークを売りにすることは出来ないのだが、ラフでポップな曲に妙にマッチした歌声を聴かせてくれる。
1期と2期、両方とも唯一無二の魅力があるが、私はどちらかというと2期のほうが好みである。1期のタンポポは曲のストーリーが悲しげなものばかりだったのに対し、2期はハッピーでほのぼのとしたものばかり。しかしなぜだろう、ハッピーなのに、聴いてると心がざわざわとしてくるというか、しんみりしてくるというか…。音楽というのは不思議である。上質なものが心を動かすとは限らないのだ。要所で美しいハーモニーを響かせる1期の方が明らかに歌のクオリティーが高いのに、歌唱力のレベルもバラバラで拙く、ハモったりせずユニゾンで歌われる2期の方に、私は堪らなく心惹かれてしまう。なんでだろうねー。こればっかりは説明出来ないわ、自分でも。「音楽の魔法」って所に収束するのかな、結局。『All of タンポポ』二曲目の「恋をしちゃいました!」という曲なんて、歌詞だけみたら楽しいムード満点なのに聴いてると泣きそうになる。「I&YOU&I&YOU&I」という曲も、聴いてると胸を締め付けられるなぁ。
ニコニコ動で、タンポポが「恋をしちゃいました!」をMステで歌う映像を見つけたのだが、それはもう最高で。振り付け可愛いし、4人全員がキラキラ輝いている。そういえば、タンポポメンバーの加護ちゃんがとんでもない形で芸能界を引退してしまったから、あのMステの映像は完全にお蔵入りなんだろうな。本当に可愛くてハッピーな映像なのに、おそらく永遠に流れない…。あの輝きは、テレビでは二度と拝めない…。やっぱり切ないね。二度と戻らないからこそ、余計にキラキラ輝くんだろうね。