拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

罪を憎んで曲を憎まず(人は憎んで良し?)

2008-02-10 03:57:48 | 音楽
先日、覚せい剤所持でまたまた逮捕されてしまった岡村靖幸。予定されていたツアー、紙ジャケのリリースは中止、ファンクラブも解散と、全てのアーティスト活動は当然停止となってしまった。こういう事態になると、ラジオでの楽曲のオンエアなども自粛されたりするもの。しかしTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」は違った。
ヒップホップグループ・ライムスターの宇多丸がパーソナリティーをつとめるこの番組では、毎回番組後半に音楽、または映画について、あるテーマを決めて宇多丸がノンストップで語りまくるコーナーがある。宇多丸が大好きなアイドルソング特集、本職のヒップホップ特集、イチオシの映画特集、さらには彼が寵愛する今を時めくPerfumeをゲストに招いたり、しょこたんとヒップホップ最強のアニヲタ、MC仁義を招いてアニメトークしたり、K DUB SHINEと「第三会議室ラジオエディション」みたいなのやったり、酷い映画を数十分かけてねちねち酷評したり(小栗旬主演『キサラギ』)…まぁ、毎回聞きごたえのある楽しいコーナーである。彼は自分の好きな音楽や映画についての魅力を、誰にでも伝わるようにわかりやすくかみ砕いて語る。さすがライター経験もあり、言葉を自在に操るラッパー。彼のトークに乗せられて、私のハロプロ熱が高まったのは言うまでもない…。
で、2月9日のこのコーナーで、「岡村靖幸特集」が放送されたのである。先週放送分で「次週は岡村ちゃん特集をやります!」と宣言した数日後に岡村ちゃんが逮捕後されてしまったため、宇多丸本人は勿論、多くの番組リスナーは驚愕した。な、なんつータイミング…!!!特集どうなるんだろ…。岡村ちゃんの曲、やっぱりしばらく放送自粛でしょ?じゃあやっぱ特集も中止?…しかし特集は予定通り放送された。「楽曲に罪は無い」という己のスタンスを貫いたわけだ。さすがぁ。
肝心の特集の中身。基本的にこのコーナーは「特集するアーティストについてリスナーはよく知らない」という前提で進められるため、岡村ちゃんマニアにとっては「基本です」(カルトQ)というような内容。岡村ちゃんの音楽的先進性、ラッパーである宇多丸を驚かせた「本来ならラッパーが到達すべき、リアリズムを極めたリリック」について語る。さらに、「この天才変態ミュージシャンである彼の遺伝子を受け継ぐ男」として某タレントを挙げ盛り上げる。正直この「某タレント」については、先週あれだけ「かなり意外性がある!!」と煽ってた割には普通だったが、岡村ちゃんの魅力をAMラジオで伝える特集としては充実の内容だったかと思う。岡村ファン的には物足りないだろうが、だからといって宇多丸を叩くのは野暮だ。さっきも書いたけど岡村ちゃんを紹介する特集だし。そして時間は25分弱しかないわけだし。むしろ感謝してやって欲しいぐらいだ。この期に及んで岡村ちゃん特集なんて暴挙をやった宇多丸とTBSに。「宇多丸は岡村ちゃんのこと何もわかっていない」だって?たった一週分のラジオ聴いただけでそんな簡単に結論付けなくても。選曲が「カルアミルク」じゃ物足りないだって?聴きやすいバラード流すしかないじゃん時間が限られてるんだから。「青年14歳」なんてかけたら知らない人ドン引きでしょ。
この特集はTBSラジオのポッドキャストで聞ける。さらにラジオ全体は、親切な誰かさんによって毎週月曜ごろ、ニコニコ動画にアップされる。ポッドキャストではカットされているオンエア楽曲やBGMも聞けるため、ニコ動利用が番組を楽しむには断然オススメではある。しかし「ウィークエンドシャッフル」は、異様なまでに充実しているポッドキャストも魅力である。2時間の放送内容の殆どをアップしており(ポッドキャストで聞けないのは曲をかけまくるDJMIXコーナーぐらい)、さらには「放課後ポッドキャスト」として、毎週一時間近く宇多丸と、パートナーのしまおまほ(ボンクラ漫画家)との雑談も公開している。多分、TBSラジオで最も充実しているポッドキャストを持つ番組であることは間違いない。

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