拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

規制

2007-12-15 00:11:30 | 音楽
「封印歌謡大全」というラジオ番組を「ニコニコ動画」で聴いた。国内で発売禁止になったり、放送が自粛されたりした日本の曲を一挙に放送した、今年の夏にTBSラジオでやった番組。「封印」された理由は様々。歌詞の内容が反権力的過ぎたり、差別問題(、宗教、障害、民族)に触れていたり、卑猥だったり…。当然「放送自粛」という処分に法的拘束力は無いので、ラジオやテレビで処分された曲を流しても問題は無いのだが、「この曲かけると面倒な問題が起きるから…」ということで封印されていったそうな。分断された朝鮮半島を歌った「イムジン河」が、「歌詞が南側に寄りすぎている」という理由で朝鮮総連から圧力がかかり、「封印」された、ってのは映画『パッチギ』でもやってたね。
放送自粛処分が下されたいわく付きの曲たちをバンバン流した「封印歌謡大全」。ここでかかった曲は、1970年代のフォークソングとかが多かったのかな?やっぱ。「封印歌謡の代表」らしい、岡林信康という人の「手紙」って曲が耳から離れないわ。インパクト強すぎる…。上手く言葉に出来ないなぁ。
番組聴いてて印象に残ったのは、「卑猥だ!!」という理由で放送が自粛された曲たち。どれもめちゃくちゃ面白い。戦前にそのセクシー過ぎる歌声と歌詞で人々を悶絶させ、「娼婦ノ如キ狂態ヲ思ワセル」という理由で政府による処分を下された渡辺はま子という人の「忘れちゃイヤよ」という曲とか。確かに声は色っぽいが(超アナログな音質がその淫靡さを、より引き立てる)、歌詞は別に…発禁処分下すほど凄くは無い(笑)。まぁでも女性側からガンガン誘うような内容の歌詞が気に障ったのかな。 享楽的でエロい曲は「戦意を喪失させる」みたいな理由から政府に目をつけられたようだけど、「忘れちゃイヤよ」を聴けば気分が高揚して戦意も高まるんじゃ?あ、あと梅宮辰夫の「シンボルロック」!ヒモ男が主人公のどーしようもなく素敵な曲である。これ「封印歌謡」だったのね!

シンボル シンボル 男のシンボル
こいつを使って こいつで泣かせて
その上こいつが 金を生む

羽賀研二かよ!っていう。まぁ、私の世代だと梅宮辰夫=娘想いのパパって感じだけど、昭和の頃から辰夫をよく知る人にとっては辰夫=夜の帝王(ていうか「稀代のワル?」)だそうなので、「シンボルロック」なんて名曲が作られたんだろうね。…今となっては、封印したいのはラジオ局じゃなくて梅宮辰夫本人だろ?っていう。
「卑猥な歌」と聴いて私が思い浮かべるのは、「ピエールとカトリーヌ」という曲。とんでもない曲なんだけど歌詞が巧みで。代名詞だらけで、直接的な表現はゼロ。ゆえに放送コードにはひっかからないという。昔hydeが「カラオケでピエールとカトリーヌ歌いたいんだけど、一緒に歌ってくれる人が居ない」と言ってたが(男女のデュエットソングなのです)、居るわけないだろ!!っていう。カラオケで歌ったらKYどころじゃ済まないぞー。ちなみに数年前のラルクのツアーで、hydeの希望で「ピエールとカトリーヌ」の一部がSEに使われた。おいおい。


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