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拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

「ペンション」

2008-12-22 01:47:45 | 音楽
岡村靖幸の名曲「ペンション」。1990年リリースの名盤『家庭教師』に収録されているスローバラードで、優しいピアノの音色と鼓膜に沈み込むベース、哀愁漂うサックス、そしてドラマティックなメロディーが、聴く者の胸を締め付ける。数ある岡村ちゃんの楽曲の中でもダントツで1番好きな曲だ。去年の秋のライブでは「ライブ延期ごめんねソング」をキーボード弾き語りで即興で披露してくれた岡村ちゃんだが、あの時私は「ペンション」弾き語りを期待してライブに足を運んでたんだよなぁー。ただ、「ペンション」の歌詞は、yujiさんのブログでも指摘されているが謎フレーズのオンパレードだ。岡村ちゃんのソウルフルかつ切ない歌唱や素晴らしいバックトラックに身を任せて聴いてるとあまり気にならないが、本当不思議な歌詞だよな。この曲に出てくる男女の関係がイマイチ掴めないもん。「ペンション」というタイトル自体も異様。カラオケで曲名が表示されると、同席してる人に必ず笑われるし。でも先日カラオケで久々に歌ってみて、「ん?つまりこういうことか?」と思った事があったので、強引に解釈してみる。どうせ岡村ちゃんだって妄想で歌詞書いてるんだし(すいません)、聴き手が自由に妄想解釈したっていいだろう。以下、歌詞からの引用は『』で。
「ペンション」の歌詞に出てくる男女の関係が掴みきれない最大の原因は『仇名から「さん」づけ呼びへの距離を測れない』というフレーズのせいだろう。「普通逆だろ!」みたいな。気になる異性に対して初めは「さん」付けで名前を呼び、距離が縮まるにつれてあだ名で呼ぶようになるのが普通。でもこれ、歌詞に出てくる二人が幼馴染…という関係だったら納得がいくし、その他の奇妙なフレーズにも整合性が出てくる気がする。幼稚園ぐらいの頃から親しい二人は当然お互いをあだ名で呼び合う仲。しかし思春期に入った頃から、それがちょっと恥ずかしくなる。「人前で親しげに話したりしてたら、同級生に付き合ってると誤解されるんじゃないだろうか」。そしてなんとなく距離を置き始め、やがて気軽に相手をあだ名で呼べなくなってくる。
中学・高校と同じ学校に進学しても、学校で話すことは殆ど無くなる二人。そんなある日、女の子が何を思ったか、雑誌片手に突然男の子にこんなことを言う。『このペンションの食事に連れてって』。『そんなに学校でも話したりしたことない』男女がペンションに行く、というシチュエーションも名曲「ペンション」の謎だったのだが、この男女が幼馴染同士なら納得できないだろうか。ただの接点の少ない二人ではなく、昔は仲良しだった二人なんだから。冒頭の『「足が疲れちゃった」って君は拗ねてしゃがみこむ』、これは子ども時代のなごり。思春期に幼馴染との距離を一旦置いた女の子だったが、ここでは昔の二人のノリで、自分の気分を素直に発する。しゃがみこんだ女の子を見て『でもこんな場所じゃおんぶできないよ』と男の子。子どもの頃、足の疲れた彼女をおんぶしてやった経験を思い出すが、「うーん、おんぶしてあげたいけど今はちょっと無理だなぁ。僕らもう大人だし、人目とかもあるし…」と躊躇する。
「ペンション」は、思春期の初めに一旦別れた幼馴染の二人が、思春期の終わり頃にもう一度距離を縮めようとする物語ではなかろうか。遠すぎないけど近くもない、微妙な距離の二人は、時折ノスタルジーに浸りながらペンションに向かう。そして、希薄になりかけた仲を見つめなおす。『曲がる順序間違えて最終のバスに乗りそこねた』は、距離を置いてしまったことへの後悔。「幼馴染のまま、そのままストレートにどんどん仲が深まって恋人同士になってたら、今とは違う未来があったのかもなぁ…たとえば、何の躊躇もなくおんぶしてあげられたりさぁ…」という切ないぼやき。
「えー、幼馴染なら大人になってもあだ名で呼べるよ」と思う人も居るかもしれないが、私は成人式で久々に再会した異性の幼馴染をあだ名で呼べなかった。彼のあだ名がちょっと滑稽だったというのもあるかもしれないが、なんか照れくさくて「くん」付けで呼んだ。向こうも私を「さん」付けで呼んだ。結構仲良かったのになぁ。もちろん一緒にペンションの食事に行きたいなんてことは思わなかったけどさ。

…屈指のパンチライン『平凡な自分が本当は悲しい』の謎は解けなかった。ちなみに1995年リリースのアルバム『禁じられた生きがい』以降の楽曲の歌詞は難解過ぎて検証する気にもならない。

追記
今年のM-1で一番笑った瞬間は笑い飯・西田の「思てたんと違う!」だった人、結構多いんじゃなかろうか。

10周年

2008-12-10 23:25:07 | 音楽
デビュー10周年を記念して、来年3月に宇多田ヒカルの公式アーティストブックが発売されるようで。これまでのインタビュー集&10年を振り返っての本人によるエッセイ本と、1999年1月から2008年12月までの「Message from Hikki」を全部まとめた本の、二冊。後者は所謂ブログ本ということになるのだろうか。宇多田、芸能人ブログ界では実はかなりの先駆者だったんだよなー。もちろん、1997年1月から毎日日記を更新している水道橋博士には負けるけど。毎日長文を更新する博士とは違い、くだらん日常のつぶやきから、相当真面目な長文まで、幅広い文面を楽しめる宇多田日記。ネットで全部見れるんだから本買う必要無いかなーとも思うが、多分買うのだろう。初期の日記面白いぜー。倉木麻衣についてもちょろっと書いてたりとか。
10周年記念サイトも始まった。ちょっと前から募集してた「あなたが一番好きな宇多田ヒカルの曲と、その曲にまつわるエピソード」がザッっと掲載されてるブログが面白いね、やっぱ。私も何か投稿しようと思ってたんだけど、どの曲について書こうか迷ってるうちに忘れちゃってたよ。投稿は12月25日まで受け付けてるらしいから、それまでになんとかして書くぞ。でも本当、どの曲にしよう。好きな曲多すぎて決められないよ。ブログでは、各楽曲について投稿されたメッセージの件数がわかるようになってて、一番人気は「光」の91件。以下「Flavor of Life」79件、「Automatic」68件、と続く。やっぱ「光」は人気だよね。私も、宇多田の曲を本気で聴くようになったのは「光」からだし、思い入れもあるし…。でも、「この曲について書け」といわれれば、どれでも書けるような気もする。いっそ、投稿件数が超少ない曲を選んでみようか…お、「Addicted to you [UNDERWATER MIX]」が、たった1件ではないか。ソニーのMD「RED HOT」のCM曲だったなぁ…。「Addicted to you」にはアレンジ違いの2バージョンがあり、宇多田のお気に入りである [UP-IN-HEAVEN MIX]バージョンの方がシングルA面扱いだったり、アルバムに収録されたりしたので、 [UNDERWATER MIX]に着目するのは、なかなかツウである…。でも書く気わかねーな。ともに3件ずつの「ドラマ」と「海路」なら書けそう。特に「海路」は何気に大好きだし。…うーん。まぁ「光」は別格として、普通に思い入れ優先で選んだら「time will tell」か「プレイボール」か「BLUE」か「Kiss&Cry」辺りになるんだろうな。
ところで日記の話題に戻るが、最も長い期間日記を更新し続けている芸能人は間違いなく水道橋博士だと思われるが、博士とほぼ同時期に、hideも「hide's voice」(たまに「松本のひとりごと」)という日記を始めていたりする。ロスでの暮らしや、COCCOを聴いて衝撃を受けたこととかが書かれていて興味深すぎる。X JAPAN解散時に更新されたファンへのメッセージは、あまりにもポジティブで感動的で、hide関連の本や文章で結構引用されてたりする。あと、『知ってるつもり』のhide特集で関口宏が読み上げてるのをyoutubeで見た。そうそう、ラルクへの激励メッセージとしか思えない日記もあるんだぜ!以下、引用させていただく。


SIN 97/3/12 06:26:37

罪を憎んで音を憎まず。良い音楽を創る人=品行ほうせいとである、必要はないが、罪は罪として、償い、反省してきて、下さい。だが、バンドは1人でやってんじゃねぇぞって事はいいたい。また、残されたメンバーの怒りははかりしれないが、社会的責任をまっとうした後は、くだらん、外野に左右されず、再び、濁りなく、音を創り、聴かせて欲しい。
 

Monthly VAMPS

2008-12-05 21:36:21 | 音楽
『Monthly VAMPS』という雑誌がある。今年の夏から刊行された月刊誌で、一冊丸ごとVAMPS(HYDEのソロバンド。相方KAZ)のことだけが載ってる雑誌で、VAMPSファンなら必見の雑誌…だが、創刊号を立ち読みして、その情報量の少なさにびっくり。レコーディングの裏側ルポとか、HYDE、KAZへのソロインタビューなど興味深い記事もあるにはあるのだが、あとは殆ど写真ばっかり。全90ページで1300円(創刊号以外は1000円)。「んー、これは立ち読みでいいや」と即決した。発行部数は相当少なめで、本屋一店につき一冊しか置いてないぐらい。名駅の方の本屋だと平積みされてたりするんだけどね。ちなみに『月刊EXILE』はうちの近所の本屋でも大量に平積みされてる。バブリーですなぁ。
しかし、VAMPSのZepp46公演ツアーが始まると、内容は充実してきた。各地での濃密なライブレポ、サポートメンバー達へのロングインタビュー、さらにVAMPSと縁の深いミュージシャンへのインタビューなど、興味深い内容が増えてきた。特に、ラルクとの出会いを熱く語ったDAIGOのインタビュー良かったな。「復活ライブとかも普通にチケット取って」ってリンカネも行ったんかよお前…。「永遠にリスペクトさせていただきまうぃっしゅ」だってさ。で、先月25日、遂に初めて買っちまったぜ『Monthly VAMPS』。「この情報量は…家でゆっくり熟読しなければ」と思って。ツアーを終えてのロングインタビュー、Zepp Tokyoレポ、さらにあの伝説(?)のハロウィンライブレポと、仮装したライブ出演者たちの美麗グラビア…買うしかねぇ。
Zepp Tokyoで行われたVAMPS主催のハロウィンライブ2days。Acid Black Cherry、土屋アンナ、DAIGOのバンドBRAKERS、Tommy heavenly6、MONORAL、そしてGacktと、「ザ・HYDE人脈」な豪華メンバーが集まっただけでも凄いが、それ以上にHYDEの仮装がヤバかったという…。ネットのニュースでもHYDEの「行き過ぎた仮装」の写真がチラっと出回ってた…血まみれでボロボロのウェディングドレス、金髪カールのウィッグと胸パッド着用…度が過ぎてますってHYDEさん。DAIGO達の羞恥心や、VAMPSサポートドラマー・アーリーのチューバッカも驚きだが(毛むくじゃらでどうやってドラムを…)、ちょっとレベルが違う。会場では「可愛いーーーーーー!」の嵐だったらしいが、写真でじっくり見ると、可愛いというよりは異様って感じ。グラビアではドレスの裾を軽く持ち上げてすまし顔で写ってるHYDEだが、禍々しいオーラ漂ってるよ。さっすがハロウィン。まぁでも凄いよね、いつもとさほど変わらないメイクでウェディングドレス着ちゃうのって。普通の女じゃ無理だ。西洋人形さながらの姿で、いつものように暴れながら熱唱してる写真もあるけど、それは凄くカッコいい。出演者全員集合時のセッションで、仮装野郎たちに囲まれつつアンプにチョコンと座って微笑む写真は普通に可愛いね。小さい写真だけど必見。ちなみにHYDEは『Nightmare Before Christmas』のヒロイン・サリーのコスプレも披露しているが、着てるドレスのつぎはぎっぷりが本物と殆ど全く同じで、スタイリストの並々ならぬ気合を感じる(もしや既製品?)。
そういえば『Monthly VAMPS』でなく『MUSICA』のインタビューだったが、最近のHYDEの発言でちょっと印象的だったのが、デトロイト・メタル・シティの「SATSUGAI」をライブでカバーした件について。ライブではあの曲に適当な英語詞を当てて歌っている理由を聞かれ、「あの曲の歌詞は人として歌えないから変えて歌ってる」とHYDE。なんかほっこりした。


先走りレビュー

2008-12-02 21:21:29 | 音楽
紅白落選も記憶に新しい中川翔子の2枚目のアルバム『MagicTime』の全曲試聴が公式サイトで出来るようになっていた。各曲30秒ぐらいしか試聴できないが、結構好みの曲が多いかもしれない。1枚目『BigBang』よりも長く聴けそうな、味わい深い曲が並んでいる気がする(『BigBang』は「フルーツポンチ」「ストロベリmelody」以外の曲はすぐ飽きちゃったんだよなー。似たようなロック曲多いしさー)。だいたい、今回はアルバムタイトルとジャケが凄く良いよ。夜明けと夕暮れ頃、空が一番美しい色に染まる時間を「マジックタイム」と呼ぶ…という知識を松本隆から授かったしょこたんが名づけたらしい『MagicTime』。夕方頃電車に乗ってて、ふと窓を見ると物凄く不穏な色に空が染まってたり、さらにその状態からあっという間に日が落ちて真っ暗になってたりする、今の季節にぴったりだ。で、ジャケに写ってる空の色も綺麗アラモード。前作のヘンテコリンなジャケとはエラい違いだ。ブックレットの中の写真も期待していいのかな。
というわけで、かなり気が早いが、アルバム『MagicTime』収録曲たちをサクっと印象批評(ってそんな大層なもんじゃねーか)しておこうと思う。発売は1月1日。でも12月26日からフラゲできるらしい。うーん、早く聴きたいけどまだ26日にはなってほしくないな。もっと12月に、2008年に浸っていたい!来るな!26日!

1. your “Magic Time”
試聴できなかった。インストか?

2. Spiral
アニソン風のロック。自分の好みからは外れるけど流麗なストリングスが入ってたりするのでフルで聴くと意外と好きになるかもしんない。

3. through the looking glass
松田聖子聖子トリビュートなブリブリアイドルポップス。ロックンルージュって感じー。

4. 続く世界
気張りすぎ。

5. シャーベット色の時間
キャー。一瞬で好きになっちゃったぜこのウィンター4つ打ちハウス。クリスマスっぽいキラキラした音作りが超好み。やっぱ冬にはこういうのが一番似合う。バラードとかじゃなくてさぁ。

6. マカロンホリディ
90’sの売れ線ロックの香りが凄くする曲。

7. Brand-new day
ゲームソフトのCM曲っぽい曲。テレビでこういう曲垂れ流されてそう。

8. Shiny GATE
流行のエレクトロサウンドも押えておきました。

9. 冬の遊園地
曲名が良いね、めちゃくちゃ哀愁漂ってて。ロマンチックでもあるし…。サビ以外の部分に、全盛期のMy Little Loverっぽい切なさを感じた。フルで聴くのが一番楽しみな曲。

10. 綺麗ア・ラ・モード
名曲。この曲に関しては既に語り疲れた感がある。今でもよく聴いてる。

11. Ivy
ロック路線でもアニソンの匂いのしないこういうタイプなら大歓迎。わくわくするような冬ロック。

12. 空色デイズ -天元突破EDITION-
歌い直して、アレンジもちょっとだけ変わってて。いらないなー、別に。まだぎこちなさが残ってたオリジナルバージョンの歌声の方が良かったっす。

 
追記
最近、2ちゃんの「風と木の詩」スレの勢いが凄い。前スレは1000まで行くのに半年かかってるのに、今は1週間で350とか。作品の深読み合戦が止まらない感じ。おかげで自分まで寝る前とかに「風木」読み返してあれこれ考察する始末…。

我が家のTKサウンド

2008-11-22 23:25:05 | 音楽
小室逮捕以来、CD棚から過去の小室プロデュース作品を引っ張り出してきてちょろちょろ聴いている。小室ファミリーで好きだったのは安室ぐらいだからリアルタイムで、新品で買ったCDは安室のばっかりだが、ブックオフの中古盤まとめ買いセールやハードオフの叩き売りワゴンで手に入れたアルバムが何枚かあるのだ。我が家にあった小室プロデュース作品は以下のもの。※が付いてるのは中古で買ったやつ。

■安室奈美恵
『SWEET 19 BLUES』
『Concentration 20』
『GENIUS 2000』※
『break the rules』
■華原朋美
『LOVE BRACE』※
『storytelling』※
『nine cubes』※
■globe
『FACES PLACES』※
『Love again』※
『Relation』※

こんなもんか。これは多いのか少ないのか。安室の『SWEET~』は初めて買ったCDなので思い出深いな。買ってから12年経ったのか。干支一周!『Concentration 20』収録曲は、人生初ライブだった名古屋ドームでのライブでたくさん歌われてたな。いまだに色々覚えてる。『GENIUS 2000』は…すっかりラルヲタになってた頃に出たアルバムだな。リアルタイムでは出たことすら気づかなかったかも。ラルクだと「NEO UNIVERS」とかがヒットしてた頃に出たアルバムだからね。忘れた頃にブックオフでさりげなくゲット。『break the rules』は、当時の最新シングル「PLEASE SMILE AGAIN」が好みだったので普通に買った、2000年末に出たアルバム。小室プロデュース最後の作品でもある。「小室哲哉最後の輝き」とでも評したくなるほど良曲揃いなのでいつかレビューしたいなぁ。華原朋美のアルバムは叩き売りされてたやつをゲット。朋ちゃん…リアルタイムでは、歌番組などで見せる鼻持ちならない態度に、子どもながらにイライラさせられたりしたが、「I'm proud」とかは普通に好きだったな。あれ、小室作品でベスト3に入るでしょ、出来の良さでは。『LOVE BRACE』は今田・東野にどつかれつつも悪態ついてたパンキッシュアイドルから歌手・華原朋美への華麗なる転身と成功の物語をまとめた、ドラマチックなコンセプトアルバム。「あー、ラブラブだったんだっけね、当時…」と非常に感慨深くなる。で、続く『storytelling』で暗雲がたちこめ(「Hate tell a lie」など)、『nine cubes』でぶっ壊れる、と。『nine cubes』は迷盤・珍盤・怪盤・奇盤として一部(J-POP収集家)で有名ですな。クオリティ低いなんてもんじゃない。ボーカリスト・華原朋美の長所をスルーし、短所だけを煮詰めてつくったような怪曲が並んでいらっしゃる。超久々に聴いてみて改めてびっくりしたぜ。小室が逮捕された時、朋ちゃんのファンは「『nine cubes』なんて駄盤を作った天罰だ!」と思ったに違いない。これもアルバムレビューできたらいいな。globeのアルバムは……何分もあるインストや、やたらイントロ長い曲がたくさん入ってるので、TKサウンドが好きな人なら聴いててかなり楽しめるのだろうが、まぁ…思い入れないからな、私。今となっては「あほだなぁ~」にしか聴こえない曲があるなぁ。
最近はカラオケに行くと「やっぱTKっしょ」という流れになり、回顧タイムが始まったりもする。友人が歌う「I'm proud」を聴いて涙したり(キー高いから私には歌えない)、trfの能天気なパーティーチューンに爆笑したり、全盛期安室の曲のオケのド派手さに恐れ慄いたり。globeの曲で出てくる本人映像をしみじみ見たり。今20代~30代ぐらいの人がカラオケ行くと、大体こういう流れになるんじゃない?デンモクで履歴とか見ても結構小室系の曲入ってるしさぁ。

追記
そういえばライムスター宇多丸師匠のラジオで、逮捕後に組まれたTKサウンド分析特集で(岡村ちゃん特集といい、本当えらいよこの番組…)、「日本のヒップホップは、小室さんが全盛期にエイベックスにもたらした利益の恩恵を確実に受けている」と語っていた。昔から、バリッバリの商業主義な面と、商業的には厳しいけどスタッフが個人的に好きなものを推す音楽至上主義な面を両立してきたエイベックス(社長・MAX松浦イチオシのユニット、ガール・ネクスト・ドアはスベり気味)エイベックスがパトロン的役割をしたおかげでクラブミュージックが盛り上がったというのは事実だよなぁ。あの会社のバイオグラフィー凄く面白い。トラブルだらけ。

スピリチュアル瀧

2008-11-18 22:33:54 | 音楽
宇多田ヒカルがこよなく愛しているという、誕生日プレゼントとして貰ったぬいぐるみ「くまちゃん」…あれ、電気グルーヴに於けるピエール瀧と似たような働きをしてるような気がしてならない。最近そんなことをぼんやり考えるようになった。
自らを「楽器が弾けず、歌も下手なミュージシャン」と称するピエール瀧。瀧はレコーディングスタジオで殆ど何もせず、作業を相方の石野卓球にまかせてダラダラしてるだけだという。つまり端から見れば、「電気グルーヴ」のレコーディングなのに石野卓球のソロプロジェクトとあまり変わらない状態。勿論、一応瀧も作詞に参加したり歌入れしたりもするのだが、アルバム制作の大部分は、やはり卓球主体で進められる。瀧の持ち味が発揮されるのは主にライブ。富士山やスペースインベーダーなどの妙なかぶりものを身に纏い、奇怪なダンスをしながら、比類無きカリスマ性で観客を煽るのだ。どんな仮装をしても、でかい図体とインパクトのある顔のお陰で瀧にしか見えない。上半身は裸で下半身は馬という「ケンタウロス」スタイルをしても(ちなみに手には何故かチェーンソー。この姿でドイツでのライブを決行した際、彼はドイツの地方新聞の一面を飾った)、結局は瀧の存在感が奇妙な仮装のインパクトを凌駕する。これは驚異的なことではないだろうか。
とにかくステージ栄えする瀧。その存在感はあらゆる分野のクリエーター魂を刺激し、彼はここ10数年、テレビのバラエティーやドラマや映画、CMに引っ張りだこ。特に映画への進出はめざましく、マイナーな映画から『ALWAYS 三丁目の夕日』や『東京タワー』といった大ヒット作にも脇役で出演し、可憐な花を添えている。
ミュージシャンにもかかわらず、音楽以外の分野で活発に働く瀧。瀧という人は、何もせずスタジオに、ただ居るだけで、卓球のモチベーションをグッと上げるらしいのだ。卓球は「瀧がスタジオに来ると来ないとでは何かが違う。『瀧が来る!』みたいな(笑)」と語り、瀧は「スピリチュアル的な存在(笑)」と加え、さらに卓球が「ビーチボーイズは海の雰囲気を出したくてスタジオに砂を撒いてたって言うじゃない?それと一緒。普通のバンドとかが気分転換にお香焚いたりするのと一緒」と「瀧の効能」を語る。
何もせず、ただ居るだけでクリエイティブ魂に影響を与える…これは宇多田ヒカルにとってのくまちゃんと全く同じではないか。「ぼくはくま」はくまちゃんの存在が無ければ生まれなかった曲だし、インタビューでの発言を見る限り彼女はくまちゃんに甘えたり話し掛けたりすることで心の安らぎを得ている。心理学の世界では「くま=母親の象徴」らしく、「子供の頃母親に甘えたり出来なかったことの反動かも」と自己分析していた宇多田。くまちゃんによってもたらされた心の安定はアルバム『HEART STATION』にも顕れている。『ULTRA BLUE』作ったのが嘘みたいに思える程、軽やかなのだ。
……なんだかよくわからなくなってきたが、とりあえず、ピエール瀧とくまちゃんの存在感と存在意義は似てるのだ。ルックスも似てるし。思わず抱きつきたくなる、腹に安心感か何かが詰め込まれているかのような適度にふくよかな図体…。まぁ、くまちゃんは「歩けないけど踊れるよ」「しゃべれないけど歌えるよ」で、瀧は歩けて踊れて喋れて歌えるのだが…。

「女たらし」連呼

2008-10-27 20:56:59 | 音楽
ブリトニー・スピアーズの新曲のPVが最高にいいじゃねーかよぉ!!

…何度観ても飽きない。12月発売のアルバム『CIRCUS』からの先行シングル「Womanizer」に最近ハマっている。曲自体、異様に中毒性高くて、耳にこびりついて離れないが(ニコニコ動画で流行るかも?)PVもまた味わい深い。昨年のシングル「Gimme more」にはあまりピンと来ず、アルバム『BLACKOUT』も買わなかったが、今思えばあれはチープなPVが悪かったんだな。やっぱ大事だなーPVって。
「Womanizer」のPVでは、冒頭でいきなり全裸のブリトニーが登場。「露出狂としてのブリトニー」を早速思い出させてくれる…露出狂は無いか(笑)。セクシーアイドル?で、次に出てくるのが、キッチンで夫のために朝食を作るブリトニー。「Womanizer」のPVのキモというか見所は、ブリトニーの夫役の男、サラリーマン風のイケメンである。Womanizer(女たらし)なイケメンはスーツを着て会社に行くと、黒髪メガネのセクシー美女(ブリが変装)に執心。ケツを触ろうとして失敗するシーンのアホっぷりが良い。…あんな目の前で堂々と、いけしゃあしゃあとお尻振って踊られたら、「触るな」ってのが無理だと思うが(笑)。次は黒髪ブリがコピー機に座り、生尻の画像を印刷…このシーンは、パパラッチにノーパンのスカートの中を激写されたかつてのブリを思い出すな。生尻画像に見入るイケメン。しかし画像を取り上げられ、ブリに突き飛ばされてコピー機に顔をベタッと押し付けられてしまう。画像を取り上げられた瞬間のイケメンの表情がこれまた良いんですよ、バカっぽくて。
以降も、変装したブリトニーとイケメンサラリーマンの、マヌケで楽しいやりとりが続く。ダンスシーンではかつてのキレの良さが戻ってて軽く感動。カッコイ~(笑)。で、ダンスするブリに付いてまわるイケメンがまた……。このPVは2003年のシングル「Toxic」の監督と同じらしい。あの時も思ったけど、この監督って相手役の男の見せ方上手いんだろうな~。
Britney Spears Womanizer
 
そういえばこの「Womanizer」、なんと10年ぶりに…デビュー曲「Baby one more time」以来のビルボード1位を獲得したようで。よくぞここまで盛り返したもんです…。ヒモ旦那と別れて裁判でモメて突然スキンヘッドにして酒に溺れて交通違反して子どもの親権とられて……一時はどうなることかと思ったが、ここ数年のジェットコースターのようなゴシップ祭を乗り越え、やっと完全復活?まぁ、アメリカのスターとかの過去の経歴見ると「暴力沙汰で…」とか「クスリに溺れて…」とか出てくるからねぇ。それでもみんななんとか復活してるし、ブリもなんとかなったのだろう。最近はお騒がせセレブ仲間のパリス・ヒルトンと引き合いに出されることが多いブリだが、やっぱパリスとは違うよ。パリスは都会育ちの根っからのお嬢だが、ブリはルイジアナからのし上がってきた猛者。しかも子役として幼い頃から芸能界にいるだけあって、長年培ってきたエンターテイメント根性(なんだそれ)は凄まじいものがある。「私は腐っても生粋のアイドルだから、脚光を浴びなければならない!」みたいなプライドがあるんだろうねぇ。私生活が荒んでも、本業ではビシっとキメるのである…去年よりも痩せたしね。
とりあえずアルバムの先行シングルは最高。『Circus』もかなり期待しちゃうぜー。世界ツアーも決まったらしいが、ぜひ日本にも……口パクでもいいよ(笑)。



名曲「綺麗ア・ラ・モード」

2008-10-17 18:27:40 | 音楽
こりゃもう別格だろう。中川翔子の新曲「綺麗ア・ラ・モード」は、これまで彼女が歌ってきた曲たちの中でもダントツの名曲。今まで出してきた曲は、この曲の世界を表現する力を付けるための練習曲だったんじゃないかとすら思えてしまうよ。
ご存知の通り、しょこたんはアニメ、漫画ヲタクという異色のグラビアアイドルとしてブレイクした。2006年の夏には「Brilliant Dream」で歌手デビューしたが、この曲も本人の趣味を反映したのかアニソン風のキャッチーでわかりやすいメロディーの曲。以降のシングルもそのようなアニソン路線を連発し、実際にいくつかの曲はアニメの主題歌に起用された。本人の趣味に基づいて制作されたアニソンクラシックスのカバーアルバムを2枚出したりもした。今年3月に発売されたアルバム『Big☆Bang!』も、やっぱりアニソンみたいなパワフルでポップな曲が集まった作品だった。『Big☆Bang!』を聴いた時は、彼女の趣味にぴったりな曲が並びまくっていたので「もう1stにして全てをやりつくしてしまったのでは?」と思ったものだ。こんなに本人の好きなタイプの曲を沢山歌えたら歌手冥利に尽きるだろう。以降はこの1stアルバムの楽曲たちと似たような曲を連発していくのだとしたら、私の「アイドル歌手・しょこたん」への興味も薄れていくだろう…。
実際、アルバム後に出たシングル「Shiny gate」「続く世界」は、一聴して「あー、またこういうタイプかぁ」とがっかりしてしまった。特に「続く世界」は「もういいよ『グレンラガン』タイアップでロックってパターン…」と落胆。こりゃ2ndアルバムは期待薄いぞ…。
なんて思ってた所に突如現れた新曲「綺麗ア・ラ・モード」。作詞は松本隆、作曲に筒美京平。邦楽ポップス界の大御所コンビによって提供されたこの曲は、今年のシングルの微妙っぷりが嘘のような出来の良さ。秋~冬の始まりの時期の空気感をそのままパッケージングしたような、往年の歌謡曲テイスト全開の名曲である。忘れてた、しょこたんはアニソンだけじゃなくて歌謡曲も好きだったんだよな。そんな人が、この黄金コンビから楽曲提供を受けるなんて…幸せ者だな、本当。この「綺麗ア・ラ・モード」のような歌謡曲趣味全開の曲、今後どんどん歌って欲しい。
実はサビをCMで聴いただけの段階では、そこまでピンと来なかった。「黄金コンビが楽曲提供っつっても、結構普通のバラード系の曲じゃん」と、恐れ多くも思ってしまった。しかしMTVでフルで聴いてみて、放心。レトロな印象のピアノのイントロや、言葉の一つひとつをじっくりかみしめるように歌うAメロ、胸をキュンと締め上げながら少しずつ盛り上がるBメロ…この流れをきちんと踏まえてサビを聴いてみると、もう目には涙が…。ふわふわとしたメロディーと呼応する優しくもグルーヴあるベースラインもたまらない。着うた全盛で、楽曲を「サビVer」とかパート毎に切り売りするような今の時代に完全に逆行する曲だが、こういう、全体の流れの美しい曲こそヒットするべきだろう。
それにしても、しょこたん、本当に歌の表現力がレベルアップしたな。秋風のように爽やかで、秋冬メイクのように艶っぽくて。大好きな歌謡曲の世界を全身で堪能してる感じ。あと、沢山のライブやイベントでボーカルを鍛えたせいか、サビのファルセットの部分がとても綺麗に出てる。「ストロベリmelody」での、可愛いけど固くて微妙にぎこちないハイトーンボイスから、大分成長してる。まぁ、あれはあれで「不器用で内気な女の子感」が出ててよかったのだが、今の実力ならもっと素敵に「ストロベリmelody」を歌いこなせるだろう。
というわけで、久々にしょこたんのシングルを買ってみようと思う。余談だがこの曲とタイアップしてる不二家LOOKのチョコレート「茶A La Mode」も美味。上品な味よ。


truth

2008-09-02 19:26:51 | 音楽
嵐の新曲「truth」にハマっている。今日の記事は「truth」鬼プッシュで行くぜ!
「truth」は現在放送中のドラマ『魔王』の主題歌である。サスペンスものドラマということで、「火曜サスペンス劇場」を思わせる大袈裟なまでにスリリングでアゲアゲなストリングスがイントロで鳴り響く。そして、とことんトーンを落としたボーカルがふわっと入り込んで来る。バックでは「さぁ!裁きの時間だ!」という魔王の心境そのもののようなシリアスなピアノが鳴る。歌詞は徹底的にドラマに合わせて作られており、魔王・大野の復讐心を代弁。ビートは貪欲に4つ打ちを刻み、躍動感を叩き出す。一瞬の息つく暇も与えない怒涛の展開…。
こりゃヤバイ。病み付き。なんでこんなに好きになっちゃったのか考えてみたが、答えは単純、これラルクの曲に雰囲気似てるんだよな。低いキーで絞り出すようにAメロを歌い、サビで一気に爆発するドラマチックな展開やピアノのフレーズはThe Cureぽい気もするが、彼らの音楽性に歌謡曲の親しみやすさを掛け合わせたラルクの方が似てる。具体的に言うと「DAYBREAK'S BELL」に似てる。さすがにあの曲ほどメロディの起伏は激しくないけども、ピアノの重ね方とか…。
ドラマ『魔王』でこの曲を聴く度に「あぁ~良いなぁ~ラルクに似てるしなぁ」なんて思ってたのだが、なんと当の本人・嵐の大野も同じことを思ってたらしい。インタビューで大野は「まさにL'Arc-en-Cielみたいな楽曲。hydeさんが歌いそうなメロディですね」と発言している。これ、ネットで見た時ガセかと思ったけど、『Myojyo』最新号を立ち読みしたら(ちょっと恥ずかしかった)、確かに言ってた。…仲間?大野君も私の仲間?ラルク好きなん…?そんな、インタビューでわざわざラルクの話を出すなんて…仲間ですか(笑)?
さて。近年グループとしての人気や、リリースされる楽曲の評価が異様に高まっている嵐。多分ドラマ『花より男子2』及び主題歌だった「Love so sweet」がヒットした辺りから嵐人気が急激に上がってきたのだと思われ、自分の身の回りでも、「え、あんたアイドルとか全然興味無かったよね?」という人が次々と嵐に魅了されるという事態が多発。結成当時からのファン以外の、新規ファンが増殖中なのだ。最近の彼らのCDの売り上げも調べてみたけど、凄いね。この音楽不況のご時世で、出せば確実に40万枚売るという状態をキープしてる。まぁ、複数商法が凄いというのもあるけど、確かに楽曲のレベルは上がってるよ。全盛期のSMAPやキンキ並に気合い入れて作られてるはずだよ。しかし私にはその魅力がよくわからなかった。今年のシングル「Step&Go」も「One Love」も、凡ジャニーズポップスにしか聞こえなかったし。「最近の嵐はなんかオーラが違う!キラキラしてる!」と友人は言う。確かに、キラキラしてるのは私にもわかる。
…そんな私だが、遂にうっかり魅了されてしまった。「truth」、ジャニーズではKAT-TUNの「SIGNAL」以来のヒットですわ。

追記
お、おまえも仲間か!

人生いろいろ、安室もいろいろ

2008-07-29 22:33:54 | 音楽
安室奈美恵のベスト盤『BEST FICTION』を買った。2002年の「Wising on the same star」から今年の春の『60's70's80's』までのシングル曲+新曲2曲が収録された、小室ファミリー卒業以降の安室の軌跡を振り返るにはもってこいの、かなりの好盤。この夏聴きまくるだろうな。安室の最近のアルバムでは『Queen of Hip Pop』と『PLAY』、あと『60's70's80's』を持ってるので、曲目を見て「既にCDで持ってる曲やたら多いなー…」と買うのを多少ためらったが、新曲が凄く好みだったのと、地味に好きだった2003年の「shine more」、2005年の「White Light」が入ってるってことで購入。まぁね、良いアルバムですよ。最近の安室が好きだったら言うまでもなく、当然のように楽しめる作品ですよ。今年はエイベックス20周年ということで、色んな人のベスト盤やら企画盤やらが大量に出るようですが、一番完成度が高いのはこの安室ベストのはずだ!…ってそれは人それぞれの好みによるわな。でもま、バカ売れするでしょうよ。
それにしてもマジで一曲一曲が良いですな。ソングライター達の気合いを感じます。特にNao'ymtが最強だ。安室との相性、一番良いんじゃないか?カッティングエッジでイケイケなのにどこかメルヘンな新曲「Do Me More」、シックでロマンチックなクリスマスソング「White Light」、そして、本人作詞じゃないのに安室の素顔が見えてきそうな、メランコリックな名曲「Baby Don't Cry」……凄い才能だよこの人。もう一組、安室に多くの楽曲を提供してるソングライターとしてmichico&T.Kuraコンビが居るが、彼らの曲が安室のもつ可愛らしさやスタイリッシュな感じを引き出しているとしたら(「GIRL TALK」「FUNKY TOWN」「NEW LOOK」など)、Nao'ymtは安室の過剰なエンターテイメント性や、それと正反対のパーソナルな部分を引き出してる感じ?とにかく楽曲の持つ表情の振幅が凄いんだよな。このベスト盤には入ってないけどアルバム『PLAY』の「HIDE&SEEK」という名曲もNao'ymtの提供曲だぜぃ。
さて、ベスト盤話はこれくらいにして、最後に個人的な安室の思い出でも書いておこう。安室がブレイクを果たしたのは95年ごろ、バカバカユーロな「TRY ME」が出たころというのには異論は無いだろう。当時私は小学4年。クラスで流行りまくってました。小室ブームが教室にも来てました。私も勿論好きでした。翌96年、イケイケダンスミュージック路線が続いていたところに、ミディアムテンポの「Don't wanna cry」が出たころにはもうメロメロに。初めて自分で買ったアルバムは安室のアルバム『SWEET 19 BLUES』(表題曲を加藤ミリヤがサンプリングしてて時代を感じたぜ…)。小5の夏、本当にこのアルバムを聴きまくってたなぁ。しかしこの年の秋、ラルクに出会ってしまい、徐々に心は安室から離れていった。いみじくも、同じく安室が好きだったクラスメイトも同時期にGLAYに心を奪われちゃってたりしていた。それでも翌97年、ナゴヤドームで安室がコンサートをやる、という時は友人共々盛り上がり、チケットをゲットして二人で行った。初ライブであった。初ライブかつ初ナゴヤドームだったのでテンションはムダに高く、「席に行く前にドーム探検でもしようぜ!」とハシャいだりした。席はアリーナBブロック。あの安室と同じ空間に居る…と思うと涙が勝手に出てきた。そりゃ、泣くよな、小6だもの。そのライブから約一ヵ月後、安室は茶髪のロングヘアーをばっさりショートにして音楽番組に出演。「どうしたんだろ?」と翌日の教室でかなり話題になり、程なくSAMとのできちゃった結婚発表。当然教室は大騒ぎで、普段安室に全く興味なさげだったクラスメイトまで「安室はスターになって、満足したから結婚引退するんだと思う。本当に大切なのはお金じゃなくて家族だって気づいたんだよ」などと小学生なりに「安室論」を語る始末。
…とにかく、我々の世代にとって、安室はスターだった、と。そして今もなんだかんだで目が離せないし、好きだ、と。そういうことなんです。