ばばちゃんを見舞っての帰り道、歩きなれた道なのに侘しくて寂しくて遠い遠い道だと思うてしまうんです。でもね遠くに晴れやかな雲が浮かんで見えてもいるんですよ。
ばばちゃんの人工膝関節置換手術のため入院してまもなく4週間になります。最初におこなった右膝の手術後の経過は良好で歩行補助器を使って歩む早さは老体の私より力強く早いんです。残された左膝の手術も終わってもう5日めばばちゃんの経過は良好で元気です。
手術してくだ下さった先生は「経過は良好だけれども高齢なことを考えて(ばばちゃんの歳90歳3ヶ月)リハビリを一週間ほど延ばしたほうがいいだろう」とおっしゃるんです。有り難いことなんですけど、ばばちゃんも私も長い入院に疲れ気味で一日も早い退院を望んでいますから少々がっかりもしているんです。わがままなんですけどもね
膝が痛くて歩くのが困難だったばばちゃんが杖にも頼らず歩けるようになって帰ってくる。こんな嬉しいことはないんですけど、あと3週間がんばらなくちゃと思うとやっぱり帰り道は少々侘しく寂しくも思ってしまうんです。
夕方、ばばちゃんのお友達の方がお出でになってこんなお届け物を頂きました。
「おひとりでの台所も大変でしょうから食べ下さい」と優しい笑顔でおっしゃるんです。優しい笑顔が有り難くて心が和みました。すごくおいしい野菜のおひたしでした。
私ひとりの台所ももう3週間が過ぎました。だいぶなれては来ましたがこんなのを作って食べているンですよ。
一食ずつ作るんではなくて鍋いっぱいに大量に作って長く食べているんです。結構おいしいんですけど侘しくもあるんです。こんなものを食べながら元気になって帰ってくるばばちゃんを楽しみにあと3週間がんばるつもでいる今の私なんですよ。3週間が遠く遠く感じてる私なんですよ。お笑いください。