石の上にも三十年

焦らず、気負わず、程程に…。
整体&リフレ+酵母パン屋の自営業一家
何でも手作り、手仕事生活。

クロワッサンの研究

2012年10月05日 14時50分09秒 | パン!!試行錯誤

いちじくパン、リュスティック、黒玄米食パン…

いや、パン全部かな。

運良く、偶然おいしく出来上がって商品化して、それが「かしこ」の味として定着していく過程で

必ず大きな穴に落ちる。

はまるなんてもんじゃない。深~い穴に落ちていくようにうまく焼けなくなって

あ~このパン生地の特性が分かってたわけじゃなかった…と一からやり直しになる。


膨らまない。味が悪い。香りが出ない。発酵温度と時間が見えない。こね時間が分からない。


もうなかったことにしちゃおうか…と思うほど突然焼けなくなって戦いが始まる。

それでもパンを趣味で焼いていた頃よりはおいしいのかもしれない。

自分の点数付けが厳しくなっちゃったのかもしれない。


今回のクロワッサンもそう。

最近ものすごくファンが増えて、ぜ~んぜん足りない。

2倍仕込んでも予約の時から買えない。

そこまで人気になると心配で不安になる(苦笑)


早いうちにもう一度見直して、もっといいものが焼ければ最高だし、

転ばぬ先の杖として、層をあやつれるブーランジェの皆様に近づけるよう

試作を繰り返して、新しい仕込み方にも挑戦していかなくちゃいけない。


今回は3種類の焼き比べ。

1、バターも酵母も全部まとめて生地を作り、軽めにこね、冷蔵庫へ。

2、バター以外を先にまとめて生地を作り、軽めにこねて、バター投入。

さらにこね、30分発酵後冷蔵庫へ。

3、バター以外を先にまとめて生地を作り、軽めにこねて、バター投入。

さらによくこね、3時間発酵後冷蔵庫へ。


いろいろ本を読んだり食べに行ったりして、好きな人のレシピを集めたりしたけど

パンでも料理でも真似してうまくいくことって私の場合まずない。

悲しいけど、酵母パンってその人の性格みたいなところがあって、

その人にしかわからないところがあるような気がしてる。


もちろん皆さんの資料を参考に勉強するけど、最後に「じゃあ、自分の酵母ならどうなの?」が必要。

だから面白いし、自分だけのパンが焼けて自由な感じがする。


たっぷり冷蔵庫でねかせた生地にバターを折り込んでいきます。

3つ折りを3回。ここは基本的に言われている折り込み回数で。

この時点では3つの生地に差は感じない。

ま、3つとも同じに焼けちゃったりして…


“仕込以上に焼きが大事”

という人もいるけど、私のミーレさんがどこまでクロワッサン焼きに適してるか

今は想像もつかない。

デッキオーブンよりコンベクションで焼いた方がカサッとサクッと焼けそうなイメージだけど。

余熱は250度が限界だし、上火と下火も調整できない。

3年近く使ってきたけど、最近ようやくこのパンにはこの温度と時間、が分かってきた程度。

ん~本当にパン屋やってて許されるのか?(笑)


さらにねかせてとうとう期待の焼き。

芯まで火がはいり、酵母のもつザクザクもっちりな特性が生きるのはどの仕込か?

はたまた何の意味もない実験だったか??


ドキドキ~


最初はたっぷり予熱して、とにかく窯を熱くする。

高温で焼き始め、10分ほどで温度を20度下げてさらに焼きこむ。

シュークリームの生地の時みたいに膨らんだ層に白いところがなくなるくらい焼きこむ。


ど~ん!焼き上がり~

どうかしら?



ぎゃー変化なし…

味は厳密に言えば発酵をより多くとった3番が薄く感じるような、そうでもないような…


意味ない実験だったのか?

もう一回やり直し!!




(かしこ)