石の上にも三十年

焦らず、気負わず、程程に…。
整体&リフレ+酵母パン屋の自営業一家
何でも手作り、手仕事生活。

木のショーケース

2014年11月10日 18時40分12秒 | パン屋開業への道&道具達

天然酵母パンと木は色といい、質感といい、とっても相性がいい。

自分が焼いたパンでさえ、とても上質な雰囲気にしてくれる。

今はまだ少量しか焼けないから、

いや、焼けないからこそいろんな提案をしていきたいと思う。

ショーケースで陳列に立体感を。食卓をイメージできる売り場づくりを目指して。


私は木工に関しては工作レベル。

ぬぐえない過去の失敗談がどうも足をひっぱる。

でもやるの大~好き。


今日はどんな形にするかご主人に相談にのってもらって

いろいろアドバイスをもらってがんばった。

1時間半もかけたのに枠作っておしまい(笑)



明日の完成に向けて、パンも焼いておこう♪


作業部屋ではさーっと鉋がけの音。



なんかかっこいい材いじってる。



(かしこ)




小さなパン屋のつくり方

2014年03月11日 11時55分26秒 | パン屋開業への道&道具達

これから開業!と勢いづいてる方から質問を受けることもしばしば。

確かに一人パン屋って想像のつかないこと満載。

小さな工房、狭い売り場、全部一人となると寝てられない。

もっと作りたいけど、時間ある限り仕込んじゃうけど

それやってると24時間パンのことだらけ。

幸せだけど続かない。個人パン屋は塩梅がとっても難しい。

出来れば家族や器用な友人を取り込んでいざって時の手助けを用意しておきたい。


これから開業って時に一番気にしてるのはメニュー?

得意なものばかり焼いてるわけにもいかないし、

お店が回り始めると新商品やおやつ、惣菜パンへの要望が増える。

でも私たち作り手が一番大事なのは「おいしいパン生地を練り上げること」

この差にプレッシャーを感じながらとにかく“おいしいパン”作りに専念したい。


それにはホイロとオーブンというのが非常に重要なポイントになる。

たとえ緻密な設定ができようと、

隙間風が通ってしまいそうな手作りのホイロだろうと、

大切なのは自分の生地にとって心地よい環境をこちら主導で管理できるかってこと。


1次発酵の温度と2次発酵の温度が違うのであれば最低2台必要だし、

低温発酵を取り入れるなら夏は冷蔵発酵が必要。

因みに20キロ以上仕込む「かしこ」は大2台、小1台の3台稼働でもぎりぎりだった。



農業用サーモスタットで管理する手作りホイロの熱源はコタツのヒーター。



大きくなると熱循環にも配慮が必要だからファンも取り付けなくてはいけない。



しかも外気温が3度以上変わってくると、ホイロの設定温度にも気配りがいる。

いつも同じ生地の量ならいいけど、

タッパ内の生地量によっては勝手に発酵で産まれる熱が加速して過発酵に…なんてことも。


そして小さな…とは言え、小ささはひとそれぞれ。

一日5キロなのか、25キロなのかも個人によるし、

生地も2、3種類からたくさんのパンに変身させてるのか

一づつ違う生地を仕込むのかでも必要なタッパ数も違う。

オーブンが小さければ一気にこねてしまっても一気に焼けないので

手なれない時期は特に小分けに仕込まないと全部ダメにしちゃう怖さも。


でも、そういった思い通りにいかない流れを克服すれば

初期投資はかなり抑えられるし、どんなトラブルにも対応できるという

パン職人として、という以上のスキルを手に入れられるかも。


では「かしこ」のホイロを紹介しましょう。

初代のホイロはこれ。



自作とはいえかなりのマニアック素材でできてる。

凝り性の主人の力作は、中の壁面にスタイロフォーム(断熱・保温材)



中も外も特殊セラミックのGAINA(自宅の屋根や部屋に塗った残り)

という、べニアではなしえないものすごい気密性を実現。

それでも外気温に大きく左右されるし、

大人も入れるサイズゆえ(650×580×950)手前と奥、左右もちょっと温度が違う。



今思えばオークションという素晴らしいものをもっと早く利用して

冷蔵ショーケースを改造する方が手間も少なかったのかも。

冷温両用にできて、ファンもついてて、気密性よし。

ただ、自分の好みの寸法が安く買えればだけど。

湿気やすいから電気切った時のカビには注意。

出来れば毎回消毒液含ませて拭きたい。


冷やすのは結構難しい。

ホイロとして作られてるものとは違って奥は冷やされ過ぎたり

タッパにちょっとでも隙間があるとカピカピに乾いちゃって生地をダメにしたり。

とにかく自分の使う道具たちの個性を把握できるまでは寝ても不安で寝た気がしない。

しかもアナログ(笑)



メモリもおおざっぱなこの温度計は慣れれば平気だけど、最初は何とも頼りなかった。

それでも自分の設定した温度でカチッとヒーターが消えるとわくわくするものでした。



元だね発酵用にワインセラーを手に入れた時は

なんか我が家に優秀な人材が入社したような気持に。

ボタン一つで必ず管理してくれるような心強さ。

やはり手作りは苦労する。


手作りホイロの詳しい設計図も残ってないし(っていうかもともとない)

このブログの“パン屋開業への道&道具達”くらいしか記録は残ってない。

でも小さいとはいえ、いや、小さいからこそ工夫も努力もたくさん必要なもので、

決して流れ作業にはできない緊張感もある。


「かしこ」は毎週味が違う(苦笑)というお粗末さ。

それも含めて楽しみにしてくれるお客様への甘えと感謝が機動力になってきた。

小さいパン屋の魅力(苦労)はやった人にしかわからない素晴らしいものがあるのだ。


…ただ…寝不足に注意(笑)





(かしこ)





パンボード

2013年04月04日 14時23分36秒 | パン屋開業への道&道具達

産後18日。親子共に順調です。

たくさんの方たちにお祝いしてもらって、本当に感激です~

この場を借りて、改めてお礼をしたいと思います。

温かいお心遣い、ありがとうございます。


今日も自宅用に2種類のパン。

細引きのライ麦を配合して、レーズンとくるみ。

大きさ変えて食べ比べ。



食感も味もふんわりやさしく仕上げたよくあるパンですが、

家族にはイマイチ…泣

「山ぶどうくるみとレーズンレーズンの間?なんか中途半端」

厳しいなぁ。

そういうなんとなくのマイナーチェンジがいいんじゃないか~

と手元を見るともう半分ない(笑)



ご主人の新作ボードにのせて、色味や大きさをチェック。

タモのような明るいトーンのこちらの材は“くり”

とにかくシンプルな手触りのいい一枚。

酵母パンのような深い焼き色とは文句なく相性○でした。


黒玄米食パンだとこんな感じ。



粗熱とって、ふわふわの食パンに卵とツナのサラダ、スモークチーズをサンド。

春休み残りわずかな娘もモリモリ食べて遊びに行きました。



(かしこ)




エルニーダー!弱点克服。

2012年09月27日 09時48分51秒 | パン屋開業への道&道具達

我が家で馬車馬のように働く『家庭用』のニーダー2台。

あまりの激務に何度となく悲鳴を上げ、オイルシールという部品が取れてしまう。



右が取れてしまった方。左の軸の根元の白いものがオイルシール。

この小さな部品一つのために、写真の部品全部を買い替えなければいけない。

なんともったいない!!

このことで心痛めている100万人?のユーザーのため、一肌ぬぎました。






まずこのまっ黒いもの。サイズをノギスで測り、モノタロウで購入したオイルシール。

上がNOK製で297円、下がMONOTAROU製で、なんと135円!

大正電気さんも頑張って2800円位の価格で部品を買えるのですが、何分もったいない。





ワッシャーをいれ、今回はMONOTAROU製を使用することに。

なぜかというと、形状がシンプルで粉がこびりつき難そうという、ただそれだけ。

まだ手で軽く押し込んだだけの状態。ここから打ち込んでいきますよ!



倉庫からガサゴソ持ち出してきたのが、水道の継手。ジャストサイズ。

これをオイルシールに被せ、金槌で慎重に叩いていきます。

水平にそしてやさしく。



新品と見比べ同じ位置まで打ち込んだら出来上がり。

後は元どおり組み立てるだけ~!







かんせいだぁ~と喜んでいたら一番大事なグリス入れるの忘れた~。ガガ~ン…すご~くセツナイ。。。

とりあえず今日は勘弁してもらい、何のグリス入れるか調べて、また時間ある時やり直すことに。

まぁよくあること、よくあること


(整体人)




こねる

2012年03月23日 11時11分58秒 | パン屋開業への道&道具達

最近は1種類ごとの生地の量も増え、週一とはいえ(週一だから?)

20種類以上も焼くので、手ごねでは追いつかず、

2年前にLニーダー(下の写真)を一台。その半年後にもう一台追加購入。

去年の年明けにとうとう愛工社のレディーシェフ(上の写真左)を手に入れた。


ネットで探し求めて最安値で買ったものの、

ニーダー3台に20万。

…恐ろしくて何度購入を先延ばしにしたことか(笑)


小型の縦型ミキサーはスパイラルフックとかいろんな魅力があっても、

一台で何十万もするのに、

結局こねれる量はレディーシェフと一緒という驚異の事実。

そのプロじゃない“個人向け”に背中を押されて何とかクリック。


今ではこの3台体制のおかげで取り乱すことなく

段取りよく22~3種類のパンを作ることができるように。




Lニーダーは回転速度は変えられず、モーターとボウルが一体型なので熱をもちやすい。

ということは、捏ね上げ温度が高くなりやすく注意が必要。

夏なんてアイスノンで冷却しながら使っている。

それでもこの深いボウルのおかげで少ない生地も(250gぐらいでも)均一にこねれるし、

多い具材も混ざりやすい。


一方レディーシェフは、回転数は10段階。

自分好みの時間や回転数が選べるし、最初からインプットされてる機能もある。

モーターとボウルが離れているのも、連続使用が可能なのも

私のような個人パン屋にはけっこう助かる。


「連続使用は絶対ダメ。」

Lニーダーの大正電気にそう何度も言われたけれど、

休ませるのはオートリーズという、いわゆる給水時間のみ。

それ以外はせっせとこねさせて負担をかけてきた。

それでも毎日ではないからか、モーターの頑張りで今でも変な音一つさせずに働いている。


先に壊れたのはボウルのそこの回転部分のパッキン。

すでに2回だか3回、石神井公園駅近くの大正電気まで(3000円ちょっと)買いに行っている。

パッキンだけの購入はできず、ボール底の金属部分と一緒なのでちと高いなぁ。

Lニーダーは粉で1キロまで。

レディーシェフは3キロまでこねることができる。

実際それより多くても、粉の状態が見極められればこねられるけど、

最初の水との混ぜに必要以上に時間がかかったり、

具材が混ざりにくくてドライフルーツが潰れちゃったりする。


お任せにし過ぎないで、手で手伝いながら、目で確認しながら…が一番安心。


それより、なんで回転数が10段階も必要なの?と素人の私はビビった。

確かに最初の混ぜはだまを作らない丁寧さとのんびりさが大切…と本で読んだが

ハード系はコネ少な目、菓子パンはコネたっぷりと聞いていたが、

購入当時はそういう感覚がまだ自分のものとしてはっきりしてなくて

高速の一定回転に何の不都合も感じてなかった。


でも、ずっとこねてると

“この食感はもう少しこねたい”

“このナッツの量ならこれぐらいでつながる”

“水分は若干控えて、こねも短く、さっくりした食感に”

なんて、もちろんまだまだですが、仕上がりをイメージしてこねるようになってくる。


パンによって、回転はもっとゆっくりに…

高速で弾力をピークに…なんて気分はブーランジェ。




かしこの山ぶどうくるみは粉に対して64%の具材がはいる。

しかもライ麦配合。

オートリーズでつないだらほとんどこねずに優しくフルーツやナッツを練りこんでいくうちに

ほとんどこねあがってしまう。


1キロ以下はLニーダー

1キロ以上はレディシェフ

と、もちろん効率優先になっていて冒険しすぎない範囲の生地状態の追及になってるけど。


最後は手ごねで仕上げるのは今も昔も変わらない。

シビアではないけど、とにかくおいしいパンが焼きたいの~。



(かしこ)