のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

S君転校。

2007-12-02 03:13:14 | 1年算数
金曜日、学校に行くと、1年生の自閉ちゃんS君が今日で学校終わりだという。
月曜からは別の学校に転校するんだと・・。
随分急な話の裏には、S君の家の事情があるのだけれど、
あまりに急でね。

S君、先日受けたWISKで、かなり数値が低かったようで、
転籍を薦められていたらしいのです(それも知らなかったけど・・)。
でも、うちの学校には普通級しかない。
で、家庭の状況の急変とあわせて、
だったら、上のおねーちゃんと一緒に別の学校に変ろうと
そういう事だったらしいのですが、
転居先は決まっているのに、転校先がまだなんだそうで、
校長先生が一生懸命あちこちに電話して
姉弟一緒に通える学校を探していました。大丈夫かなぁ・・。

私や、国語TTの先生から見るとS君は結構頭の回転のいい子で、
ひらがなも自力習得したし、計算も繰り上がりの足し算までは
何とかできるようになって、今繰り下がりの引き算を何とかというところだったんですね。
たぶん、彼なら1年生中にはクリアするだろうと踏んでいました。
もちろん、個別指導は必要ですけど、
周囲を見て、或いは先生からの指示で動ける子なので
TTの私達が授業中につくことと、放課後補習で何とかいけると思ってたんです。
だから、まだまだ時間があるとそう思って関わってきただけに、
うーーん、繰り下がりの引き算を入れられなかったのがなんとも心残り。

「そんな事を気にするの?」
って言われそうですけど、気になるんですよこれが。
「わかった。出来た。こうやったら自分で出来るんだ。」にしてあげられないまま送り出すのが心にとても引っかかるんです。

このクラスの先生は、「さくらんぼ」のやり方に厳密にこだわる方でしたから、
それにあわせて教えていたんですけど、
さくらんぼって、たくさん数字を書くから、混乱もしやすいんですね。

他のクラスのお子さんには、先生の目を盗んで「省略形」で教えたりしちゃってたんですが、このクラスの先生の目は盗みにくくて、基本形で教えてたんです。
数字が何を表わしているかを、目の前で具体物を見せながら
数字の意味している事をイメージできるように丁寧にやってきました。

それも、S君の能力なら自分のものに出来るだろう思っての事です。
でも、中途半端で終わってしまった。

そうなってみると、
10の塊を意識させようと、さくらんぼに拘った方法が果たして正しかったのか
考えなきゃいけない部分もあると思えてきました。

1年生では、まだ「たす」と「ひく」の違いが理解しにくい子ども達がいます。
そこの部分がしっかり入っていないうちに、
「さくらんぼ」で数の分解合成を入れようと頑張らせたのがよかったのかどうか。
うちののんびり娘がやったように、この部分は「数える引き算」で乗り越えてしまっても
良かったのではないか。(S君の力なら、教えたらもう出来ていたと思います)

公文で教えてくれた数える方法で計算を覚えたのんびり娘には、数を塊で捉える習慣が育ちにくかったのではないかと、そう思ってS君にも10を意識する方法を身につけてもらおうと教えてきたのですけど、のんびり娘は「間違えなく答えにたどりつける方法」を持っていたことで、その後の諸々を乗り越える事が出来ていたっていう部分もあるんですね。
基本部分の理解度は弱いけれども、先に進むにつれて使える武器が増えてきて、彼女の中にたまってくるものもたくさんあって、そうしていつの間にかスカスカだった基礎の部分が埋められていく。
そういうのを目の当たりにしている私が、「正しさ」に拘ってはいけなかったのではないかと、そんな事を思ったりさせられたS君の転校なのでした。


ちなみに、彼は愛されキャラですので、たぶんどこへ行っても大丈夫だと思います。
3年生の途中で転校してきた彼のおねーちゃんは(彼の入学はそのあとです)、
最初のうちこそ私の生徒でしたけど(家庭の事情もあったのでしょう、引き算や九九がボロボロでした)、今ではどの学習も良く理解しています。S君の宿題にはおねーちゃんが教えてくれたなっていう痕跡がいつも残っています。絵を描いたり、さくらんぼの数字を消していったり、ていねいに教えてくれている事が良くわかります。
この学校でものすごくのびたお子さんだから関わってきた先生方みんな、転校は寂しいのですけれど、今のおねーちゃんならきっとどこへ行っても大丈夫。
そう思って心の中で二人を送り出したいと思います。







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6 コメント

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ちょうど (チエ)
2007-12-02 21:16:10
こんばんは~。
先日個別の先生と面談をした時にseiさんと同じような事をおっしゃっていたのでドキリとしました。
私達が住んでいる地域の巡回個別学習支援の期間は最長で6ヶ月なんですよ。
そこまでには「わかった。出来た。こうやったら自分で出来るんだ。」という気持ちを次男坊に持たせたいなぁと言われまして。
期間が決まっているものですから個別の先生も色々と思う部分があるのだと思います。

>さくらんぼって、たくさん数字を書くから、混乱もしやすいんですね。
ああ、やっぱりそうですか?
今はやっと繰り下がりの引き算に慣れてきたのですが、足し算と引き算がランダムに並んでいる計算問題なんか出されたら更に混乱してしまうかなーと思ったりしています。
あともうちょっとで定着しそう!という頃に次に進んでしまうのでフォローも大変です。
っていうかうちの次男坊はさくらんぼ計算自体を「なんでこんな計算の仕方をしなくちゃいけないの?」っていう部分に疑問を抱いていましたから(笑)
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チエさん。 (sei)
2007-12-03 01:44:28
えっ、個別学習支援が6ヶ月しか受けられないんですか?
その後はどうなるんですか?
どうして6ヶ月なんていう決まりが出来ているんでしょう???びっくりです。

さくらんぼは、きっと『10の塊』を意識させようと
作られた方法なんだと思うんです。
繰り下がりのある、両手の指だけでは出来ない計算も
こんな風にすればちゃんと出来るんだよという、
『画期的』な方法として取り入れられたんではないのかなぁ・・などと想像しながら教えてます。(私たちの子どものときにはなかったもん)
けれど、あんまり数字が多いから、それぞれの数字がいったい何を表わしていたのかがわから無くなっちゃう子っているんですよね。

先日もひとつのクラスで3名ほど、
さくらんぼ同士で引き算しているこを見つけました。
18-7で、18を10と8に分けたその二つで引き算してしまうの。
これが面白い事に、3人3様で、
そのまま2と答えを書く子、
それに改めて8をたして10にする子、
7をたして9にする子。

こういうお子さんは、そもそも、-の記号の後にある数を最初の数からとるのだという理解も弱いわけですけど、
そこがしっかりしないうちにさくらんぼをすることで余計混乱してくるんですね。
この辺りの混乱をほどいていくのが結構大変なんです。

それにね、
「10からひく」ってしつこく教わるので、
18-3みたいな計算まで、さくらんぼにして、
10-3=7 7+8で15
なんていう冗談みたいな計算をする子も何人も出てくるし・・・。

「さくらんぼ」たぶん考え方としてはいいんでしょうけど、この時期の子ども達の物事の捉え方掴み方を考えると、もう少しシンプルな形に出来なかったのかなって、そんな事は思います。
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なんだかせつないですねぇ (momoはは)
2007-12-04 13:34:07
WISKの結果で転校なんですか…。
そこそこ出来るお子さんのWISKの結果が悪かったとか、あきらかに個別の手厚い対応が必要と思われるお子さんがボーダーラインよりもちょい上だったりするというのをよく聞いたものですので、
WISKの結果で転校というのは、ひっかかるものがあります。まあ、転校の理由はそれだけではないのかもしれませんが。。。。
なんだかせつないですねぇ。

S君の宿題をおねーちゃんが教えてくれたっていう話、なんだかじぃーんときてしまいました。

さくらんぼ計算、私が子供の時はありませんでした。
最初、見た時、余計にわかりにくくしているんじゃないのかなぁって思いました。
妹ちゃんのこくごのテストのような事も含め、もっと臨機応変な対応が出来ないものかとよく思うのですが、おそらくほとんどの先生が指導要領に基づいてやりますので、臨機応変が出来ないとの返事が多かったです。仕方がないのかもしれませんが、小学生の時期は厳密に点数をつけるよりも、いかに自信をつけさせ、学校を好きでいさせてあげる事のほうが重要に感じるのですがね。
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Unknown (チエ)
2007-12-06 20:38:24
そうなんです、個別支援は最長期間で6ヶ月なんです…。
なんか変な区切りですよね~?
6ヶ月じゃそんな効果はでないはずだし、こういう支援って続けていって
ナンボの世界なんじゃないかなぁと思うのですが。
今日教育相談所にて最後の面談でした。
「2年生になってからも申請ができるの?」と尋ねてみたら、来年度の事はまだ
分からないんですって。
最悪の場合「個別支援の申請は1度だけ」になる可能性も大だと。
2年生になったらどうなっちゃうのかしら…と今から心配であります。
特別支援教育が始まったばかりなのでこの先どう進んでいくかわかりませんが、できるだけ「支援を受ける側」としての意見は上のほうに伝えて行きたいと思っています。

4月で校長先生が変わったらまた学校の対応も変わっていくんですよね…。
悪いほうにならないようにふんばりたいです。
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momo母さん (sei)
2008-01-04 22:56:48
すっかり遅くなってしまってごめんなさい。

S君は、言葉の遅れもありましたので、最初は
隣の学校にある「言葉の教室」を勧められていたようなんです。
親御さんの状況が落ち着かないので、それも伸び伸びになっているうちに、あれよあれよと転居が決まってしまって。

寂しいといえば寂しいし、私の立場からすると
「やっていけるのになぁ。伸びていけるのになぁ。」という思いはあります。

ただ、S君の場合は親御さんが情報を取れる状況ではなかったので(S君の面倒は殆どお姉ちゃんが見ていたようでした)、将来のことを考えると、先を見据えた情報を提供してもらえる場のほうがよいのかもしれないと思ったりもします。

小学校普通級の先生は、小さなお子さんたちを相手に過ごしていますので、「成人して自立するときのことを見据えて」という意識が薄いような気がするんです。発達障害児の進学や就職に関しての知識や情報も皆無と言っていいくらいないですね。
親御さんが自分で情報をとったり、つながりを持ったりしてその部分を埋めていければいいのですけど、それがない状況でしたからね。









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チエさん (sei)
2008-01-04 23:07:19
お返事遅くなってごめんなさい。

それにしても、学校も含め公的機関では、
「当たり前のこと」が何で「当たり前」」にならないんでしょうね。

「それぞれの子供の特性に合わせて」いくための支援に、最初から「6か月」とか「一度限り」とかという条件を付けることがどれだけおかしいか。そんなことは世の中の人はみんな「当たり前」に分かるのに。
なぜに「役所」ばかりはわからないんでしょ。

確かに、予算は大事ですよね。税金を使うわけだから無尽蔵というわけにはいかないでしょう。
ですがね、「支援をする」と法律で決めたなら、その目的に沿ってやり方を工夫していくのが「知恵」でしょうにねぇ。

親としては踏ん張るしかないわけですけど、親が踏ん張らなくてもいい世の中になってくれたらなぁとは思いますよね。






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