名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(1332);中飛車に玉頭位取り(中原誠)

2019-08-04 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190804

(前回との間に関則可さんとの角落ちが載っているのですが省略します。)

昭和43年12月、中原誠先生(棋聖)と第13期棋聖戦第1局、五冠復帰を目指します。

大山先生の中飛車です。

中原先生は玉頭位取りを選びました。

対中飛車の玉頭位取りは駒組が面倒ですが、2枚の銀で位と55歩の仕掛けを守る形です。

隙を作らないように、58飛も考えつつ駒組みを進めます。

飛は4筋で向かい合いました。こうなると77角を使いにくいのが難点です。

作戦負けの時は穴熊なんですよね。金を移動すれば68角とできるようになります。

大山先生は端桂から25桂としたあとで穴熊へ。まだ居飛車穴熊が一般的ではなかった頃に相穴熊になりました。両者経験がないでしょう。

中原先生から仕掛けました。

大山先生は垂れ歩で反撃します。

45歩~33歩成を防ぎにくいですが

7筋の歩を交換して待つというのは、相穴熊の感覚としては悪手です。(そんなものはこの時代にありませんが。)

45歩には46と でしのぎます。46同飛35角36飛34飛ならば一応は大丈夫です。

飛角の取り合いは、と金ができるので先手の得でしょうか。

相穴熊だと飛角の違いはあまりなくて、駒得かどうか、攻めがあるかどうかが問題です。ここに角を打って

と金が使いやすいので先手有利でしょう。

2枚目の と金ができて

底歩も打てました。

62と寄としたので53と を取られたのは失敗ですが

金を取れたし、もう一枚作ればよいです。

大山先生は8筋を攻めました。銀冠の急所です。

先手の穴熊が崩れて形勢は接近していきます。

中原先生は小技を使い

壁を作りたいのですが、39歩を取られる形なので大きな効果はないです。

それでも銀を埋めたし、22馬の利きもあるので先手玉もまだまだ堅そうに見えます。

大山先生は76金と捨てて87歩。この筋はいつも急所です。

中原先生は88歩を手抜いて75金は危険でした。もちろん88同馬です。

穴熊ではなくなったので、2枚竜を受けきれるでしょうか?38竜引とか78歩とかが怖いです。

68竜も詰めろですが77馬で失敗でしょう。

55角は2手すきなのですが

73馬には同角しかない(73同金も同桂も82歩が利く)のでは先手玉に寄り筋がなくなりました。

ここまで。

 

この二人の初タイトル戦は相穴熊になったのですね。

逆転に成功した大山先生が、勝ちになったかというところで甘い手が出てしまいました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/12/20
手合割:平手  
先手:中原誠棋聖
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 6八銀(79)
16 5四歩(53)
17 5八金(49)
18 8二玉(72)
19 5七銀(48)
20 7二銀(71)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 7五歩(76)
24 5三銀(42)
25 7七銀(68)
26 8四歩(83)
27 7六銀(77)
28 8三銀(72)
29 6六銀(57)
30 7二金(61)
31 8六歩(87)
32 6四銀(53)
33 7七角(88)
34 4五歩(44)
35 6八金(58)
36 4二飛(52)
37 4八飛(28)
38 5二金(41)
39 8八玉(78)
40 3五歩(34)
41 7八金(69)
42 6二金(52)
43 1六歩(17)
44 1四歩(13)
45 9八香(99)
46 1三桂(21)
47 9九玉(88)
48 2五桂(13)
49 2八飛(48)
50 2四歩(23)
51 2六飛(28)
52 3二飛(42)
53 8八金(78)
54 9二香(91)
55 7八金(68)
56 9一玉(82)
57 6八角(77)
58 5三銀(64)
59 3六歩(37)
60 4六歩(45)
61 同 歩(47)
62 4七歩打
63 3五歩(36)
64 4八歩成(47)
65 7七角(68)
66 4七と(48)
67 3六飛(26)
68 4四角(33)
69 5五歩(56)
70 6四銀(53)
71 3四歩(35)
72 7四歩(73)
73 同 歩(75)
74 同 銀(83)
75 7五歩打
76 8三銀(74)
77 4五歩(46)
78 4六と(47)
79 4四歩(45)
80 3六と(46)
81 4三歩成(44)
82 3四飛(32)
83 2三角打
84 3五飛(34)
85 5四歩(55)
86 5二歩打
87 4一角成(23)
88 4八飛打
89 4四歩打
90 4六と(36)
91 5二と(43)
92 7三金(62)
93 7四歩(75)
94 同 銀(83)
95 5三歩成(54)
96 7五歩打
97 8七銀(76)
98 3八飛成(35)
99 7九歩打
100 5六と(46)
101 6二と(52)
102 5三銀(64)
103 7二と(62)
104 同 金(73)
105 5二馬(41)
106 6二銀(53)
107 6一金打
108 7三銀(62)
109 5四歩打
110 5一歩打
111 同 馬(52)
112 6六と(56)
113 同 角(77)
114 5八飛成(48)
115 4三歩成(44)
116 8五歩(84)
117 5三と(43)
118 8六歩(85)
119 同 銀(87)
120 8七歩打
121 同 金(88)
122 6九銀打
123 8八金(78)
124 6五銀(74)
125 3九歩打
126 2八龍(38)
127 1一角成(66)
128 7六銀(65)
129 3八香打
130 8七銀成(76)
131 同 金(88)
132 3九龍(28)
133 8八銀打
134 7六金打
135 同 金(87)
136 8七歩打
137 同 銀(88)
138 8八歩打
139 7五金(76)
140 8九歩成(88)
141 同 玉(99)
142 6八龍(58)
143 7七馬(11)
144 3八龍(39)
145 8八金打
146 7七龍(68)
147 同 銀(86)
148 5五角打
149 7三馬(51)
150 同 角(55)
151 6三と(53)
152 同 金(72)
153 8二歩打
154 投了
まで153手で先手の勝ち

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 10月の予定 | トップ | 大山将棋問題集20190804 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

大山将棋研究」カテゴリの最新記事