現場第一

本田技術研究所には、本田宗一郎の部屋があって、そこには手洗い場が備え付けられている。

当たり前といえば当たり前。

問題は、今どきの社長が、自らの手を油で汚すかだと思う。

仕上がった部品を直接手で持って見分するかということ。

ただ書類に目を通してハンコを押すわけではない。

常に現場に行き、現物を見て触り、現実を把握しているかということ。


リーダーになる人は、世の中の情勢を把握して、組織全体の舵取りを行う人？

まぁそれも然りですな。

でもつま先の段差に気づかずに、ずっこけるのも人。

敷居の3mmでコケるのも人。

その前に、足腰が十分健康であるとか、当たり前の健康管理とか。


リーダーって何だろうと考えると、交通整理なんだろうなと。

道路工事のときに片側通行止めの交通整理のイメージ。

みんなが事故を起こさないように、止めるところは止めて、進めるところは進める。

車の運転やその他車両や人の動きも、ちゃんと理解していること。

工事全体の流れを理解していること。

全てしっかりと把握した上で、適切な指示を出せば、全体はうまく回る。

猫や犬の横断や、近隣からの苦情、その他諸々のイレギュラーな事案への対処。

そして行く先を決定すること。

本来的には、リーダーと呼ばれる仕事って、他のメンバーがどれだけ仕事をしやすくするかの調整がメイン。

そして一番困っているのは、常に現場なんですよ。

その困りごとをなくしていけばいいのだけれど、それは現場に行かないとわからない。

肩書だけ偉くなって、自分でグラインダー作業ができなくなるのだけは嫌なんです。

できる限り自分で加工ができるようにありたい。

ハンコマシンなんて、まっぴらゴメンなんです。

そういう意味で、肩書だけのリーダーは嫌いなんです。