ささかのブログ

雑多な思考整理のためにブログを活用中。
自分が生きやすくなればいいと思うけれど、教祖になるつもりはない。

基礎工学のススメ

2017-10-31 21:21:06 | Technics
「有限要素法があるから必要ない」
と以前私の上司となった人が言ったけど、基礎工学がわかってないと、当然わかっているべきことがわからずに、とんでもない間違いを犯します。

犯してからでは遅い間違いをする前に、やっぱり基礎工学が重要だということを、なんとか伝えねば!
と、思った次第です。

・有限要素法の前に、材料強度試験!

「有限要素法は、道具だよ」
と私の指導者であった伯父は言い切った。
有限要素法の前に、まずはその原点となる、材料強度試験がわかっていなければ、上手くいく計算も合わない。

そんな話は以前もした。

鉄鋼が変形するさまは、非常に芸術的であり、破壊的。

じゃあ「材料強度試験のシミュレーションをコンピューター上で行なえ」と言われたら、途方にくれる。

そのくらい複雑で、奥深い現象だ。

そこで観測された、鉄鋼の「応力歪線図」の弾性変形域から、ヤング率を求める。

引張試験で得られる、ほんの数%程度の情報にしかすぎない。

そこから、片持ち梁の弾性変形を求める、「材料力学」が存在し、その先に、「有限要素法」が存在する。

有限要素法はメッシュを切ることが必須だが、どこが応力集中を起こすかがわかっていないと、正確な解を得ることができない。

また、その構造体をどのように支持し、どのような負荷を与えるかなどといった、「境界条件」が正確に定義できないと、解が発散する。

では、どこで応力集中が発生し、どのような境界条件を与えればいいか?は、材料力学をしっかりと学び、その前に、材料強度試験の変形や破断面が頭の中にイメージできないと、シミュレーションの正確さは測れない。

わかりやすい例で例えるなら、料理かな?

どんなにいい料理道具を揃えても、どんなにいい食材を揃えても、一流のフレンチ料理の料理の仕方を知らない凡人には、全く意味がないということ。

上の例えは、一流のスポーツ用品を揃えても、一流のアスリートでない凡人が使っても意味がないと言える。

わかりやすく言い換えれば、豚に真珠、猫に小判。

つまり、ただただもったいない。

・3次元アニメーションの前に2次元アニメーション!

「オタクですか?」
と問われれば、
「ですがなにか?」
と答えますが、3次元でアニメーションを作る前に、2次元でしっかりアニメーションが作れなければ、上手くいかない。

当たり前ですよね?

普通の静止画を描くのだって、本当にたくさんの手法があるし、たくさんの道具がある。

人によってものの描き方は異なるし、捉え方も違う。

仮に同じものをデッサンさせるのに、鉛筆と画用紙だけ渡したとしても、人と時間と状況によって、全く違う絵が出来上がる。

そんな複雑な表現手法で絵が描かれるのに、更に色をつけて動かすのだって大変です。

色の塗り方、動かし方も違う。

力の入れ方や重量感をどうやって表現するかを、たくさん考えて表現するのです。

更にそれを撮影して、エフェクトをかける。
光の効果やゆらぎ、ノイズを加えたりする。

それでやっとアニメーションが完成する。

「人の動きを撮影するドラマのほうがかんたんじゃん?」

あのね、エフェクトは応用できるけど、基本的には空間演出やら脚本、衣装、メイク、大道具、小道具、音声などなどいろんなものの管理で、アニメーションよりたくさんのプロフェッショナルが必要になるんですよ?

学園祭レベルを考えてもらっちゃ困る。
ここではプロの話をしている。

ところがプロがアマチュアを下回ることがたくさんあるという現実も、ここで考えなければならない。

一つの作品にとんでもない執念をかけて、プロ集団を上回る作品を作り出す人もいる。

これはアニメにとどまらない。
GAINAXのメンバーにはそういうオタクがいたわけですよ。

・3次元加工より、2次元加工!

前と同じ文章を使えば、3次元で加工する前に、2次元でしっかり加工できなければ、上手くいかない。

単純に、「真四角のブロックを削り出す」というテーマを与えても、加工方法から研磨、測定方法まで考えると、無数の選択肢が存在する。

また、「どんな材料を」という選択肢が出てくると、材料と加工方法も変わってくる。

プラスチック樹脂と、木、ガラス、鉄鋼では、加工機も加工方法も変わってくる。

もちろん仕上がりの大きさも重要。
どうやって加工するかもそうだし、その品質検査も異なる。

鉄鋼にΦ0.9mmの穴を開けるのと、山に高速道路を通すトンネルを掘るのでは、手法も何もかもが変わる。

それで本題に戻すと、「三次元プリンター」がどんどん出てきているわけですが、これもね、そういった加工方法の違いによる素材表面の変化や、品質検査手法をしっかりわかっていないと、迂闊に触っていいものではないと思うわけです。

単純な意匠形状を作成するのだったらいいけど、機能部品を作ることに関しては、ちょっと賛成できない。

三次元プリンターの表面粗さは、鏡面加工品のそれと比べると、比較にならないほど粗い。

摺動部品に三次元プリンターを使うのは、デモンストレーションとしてはわかるけど、機能部品としては怖いなあと思うのです。

更に自宅にカッティングシート用の「二次元カッター」を導入しましたが、これがまた普通のプリンターと同じようには扱えないわけです。

切るものの厚みとか、細かさなどをしっかり調整しないと、切れても貼れないものを作ってしまう。

これなんか、"S"についてるヒゲのような装飾が切れてもなかなか転写できなかった。
フォントの選択を間違えたと後悔しましたよ。

だから、3次元より2次元をしっかり習熟しないとならないと思います。

・管理職より、最前線!

これはね、ホントに骨身にしみて思います。

現場の苦労を知らない管理職は、管理しないで放任するか、プロジェクトの資金繰りや上層部のネゴをしっかりやってほしい。

現場のことがわからない管理職は、現場技術をしっかり理解把握する前に、憶測で指示を出したりするので、誠に邪魔極まる。

現場技術が全くわからないのが不安なものだから、聴いてくるんだけど、説明を聞いてもわからないし、挙句の果てに、
「わからない説明をするんじゃない!」
と切れる。

マネジメントとして不安なものだから、現場任せにすることができない。

世の管理職よ。
ちゃんと勉強して、ちゃんと自分の仕事をしなさい。

迷惑です。

・経験則より、前提をしっかり確認!

「それだったら、レタスを食べればいい」
以前の職場の先輩が、
「最近風邪ひきやすくて」
という私に何度もいったこと。

その先輩は家族と暮らしている。
そりゃ家族と暮らしているんだったら、レタスをまるまる一個買ってきても消費できるだろうよ。

でも私は一人暮らしだ。
朝にしか家で食事できなかった。
レタスを消費するより、腐らせるのがオチ。

しかも財政難。

更に、自ら風邪をひいたにも関わらず、
「俺なんかレタス食ってるから風邪ひかない」

ひいたじゃん。この間…。


こんな馬鹿らしい会話を毎日続けていると、一言いいたくなる。

「馬鹿が」

最近、この言葉はパワハラになるのでNGだそうです。

自分の経験則だけじゃなく、相手が抱えている問題はなんなのか?をしっかりと確認することが最低限の前提です。

その前提が自分と全く異なれば、結論も変わってくる。

ヘタにアドバイスなんかしないほうがいい。

最近はアドバイスほど自己満足な行為はないと思っている。

このあたり、有限要素法の境界条件にも似ている。
どう支持して、どう荷重をかけたかによって、シミュレーション結果は大きく異なる。

最後の項目で終わりたいと思います。

・数万アクセスより、1人のファン

YouTubeに映像作品を上げていますが、ジワジワ増えて1作品数千アクセスにカウントが増えてきました。

アクセス数少ないと思いますか?

完全オリジナル作品で、いきなり数万アクセスもらったら、逆に変じゃないですか?

本当にいいものは、いつの間にかそこにあって、自然に生活の中に溶け込んでいるものだと考えています。

確かに流行るものは売れる。

でも、一過性のものはやっぱり一過性で、長持ちしない。

歌でいうと、サザンオールスターズの歌のイメージ。

桑田佳祐さんは、夜のラジオ番組では、いろんなキャッチーな音楽と、エロトークを展開する。

でも実際にリリースするのは、「あれ?これどこかで聴いたような?」というメロディー。

キャッチーな曲もありますけどね。
カラオケでもあまり歌われないし、知っている人も少ない。

変な味や変なパッケージのお菓子は一瞬売れるけど、そんなに長続きしない。


食品も芸術も工学も文学も、ありふれて長く愛されるものこそ、大変な価値を持っていると思う、今日この頃です。
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非超人三原則

2017-10-29 16:47:44 | 日記
もしあなたがスーパーマンだとする。
赤いマントがかっこ悪いと言うなら、アイアンマンでもいい。
女性ならワンダーウーマンでもいいしなんでもいい。
透明人間でもいい。

さあ、何をしたい?
30秒ほど考えて、スクロールしてほしい。






























もうちょっとかんがえてほしい。
あと30秒。






























OK。

じゃあそれを嫌なあいつができたとしたらどうだ?

嫌だろう?

非核三原則というものがある。
核兵器を持たず・つくらず・持ち込ませずというやつだ。

全世界の人間が、それぞれに弾道核ミサイルの発射ボタンを持たされているとしたら、どうだろう?

私だったら壊すか、埋めるか、絶対安心な保存場所にしまう。
個人非核三原則だ。


ネットワークインフラが整った現在、実は誰でも超人になれる。

SNSで人気者になることも、インスタフォロワーを増やすことも、実際に核ミサイルをつくることも、不可能じゃない。

民衆の意識を一つに向けたりすることもできる。

で、そのときに問題となるのは、最初の問いかけ。

実際に超人となったら、何をするか?


高い能力を持つのであれば、高いモラルを持たないとならない。

たとえ、お金が儲かるとしても、誰かが得をするにしても、万人に公平に利益が分配されなければならない。

「おいおい、そんな大げさなこと言わないで、ちょっとぐらい…」

ダメだ!

他の人が指図したとしても、実行したのは能力を持った実行者となる。

実行する者がモラル意識を持たなければ、かんたんに核ミサイルを打てる。

そのときに重要なのは、自ら「やらない」「同調しない」という意識だ。

そして、本当にやるべきことに集中する勇気も必要になる。


悪役になるのか、正義の味方になるのかは、そんなささいな違いだし、意外とその判断には困難がつきまとう。

妬みや、やっかみもあるし。


本当はみんながスーパーマンであり、スーパーウーマンなのにね。
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limited

2017-10-27 21:40:49 | Office
「あなたの責任は無限です」

は?

となりますね。普通。

「有限会社」の「有限」は、社員が有限の責任を持つことに起因します。


法律による制約はあるものの、その制約の中では何をしてもいいというのが、自由というものです。

すき好んでわざわざ制約を増やすことは無いじゃない?

と思うんですが、大抵の人がテンプレートを欲しがる。

いわゆるマニュアル。
ローカルルールもそう。

「ある程度ガイドが無いと、何をしたらいいかわからない」
という人のために、ガイドを作るのですが、これがいつの間にかルールになってしまう。

個人的私見ですが、例えばトイレにカバーは、いらない。

便座は暖房がきく。
汚物がついたらすぐに拭いたほうが清潔。

私はトイレにカバーをかけたり、マットを敷く意味がわからない。

でも売っていると付けなきゃいけない気がして付ける?
フワフワしているから?
近所の○○さんもしてるから?
実家でそうしていたから?

結論:要らないです。清潔そうで不潔なだけです。


そういう、ルールのようで全くルールではない制限がまかり通っていて、ほとんど無意識にそのルールに従っているけど、実は全く根拠のないルールであることのほうが多い。

逆に、これがよくわからないんだけど、法律で定められた制限(レギュレーション)を、ローカルルールを優先して破るということを平気でやる。

やらなければいいのに…。
しょっちゅう思います。


ローカルルールのほうが、近々のコミュニティに溶け込むために重要なのはわかるけど、率先して法律を破ることはない。

最近では少なくなった(?)と聞くけど、新歓コンパで未成年に酒を強要するとか。
パワハラ扱いになるのかな?

悪いことをする=大人=のむ打つ買う

のイメージ?

まず、
悪いことをする≠大人
なので、そもそも間違いです。

いい大人は、ちゃんと法律遵守(コンプライアンス)しましょう。

この基本がブレブレなので、仕事していると、
「????」
という、エクスクラメーションマークが連続する場面に出くわす。

最近は、そういう人との関係は、スパっと切ってます。申し訳ないけど。

頼むから、本当の意味での大人になっていただきたい。
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5手先

2017-10-27 00:51:24 | 日記
愚衆政治や、白紙投票などについて書いて、予見(?)通りとなりつつある国政を見るに、脱力すら覚える。

おそらくこの国では、5手先を読んでいれば負けない。

3手先を読んでいるだけで勝てる。

民衆がより賢くならないと、状況を感情論抜きに冷静に分析できる、一部の戦略家に、かんたんに出し抜かれる。


別に政治に限らない。

技術の分野でも商売の分野でも、「一発当てて大儲け」という概念は考え直したほうがいい。

「努力と根性」も多様化には不適合。


地道な基礎の修練と積み重ねが、近道であり確実な方法。

政略に関しても、かんたんな手法の積み重ねをしているだけで、それさえわかれば難しいことはしていない。

過去の大戦から何も学んでいない、何も進んでいないという、あまりにも面白くない事実。

嗚呼。
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アークる。

2017-10-26 23:34:29 | Technics
安いアーク溶接機を導入。

面とコテを含めても1万円しないんだ。

久しぶりにアーク溶接してみました。

工業高校でやって以来だから26年ぶり?


電流弱っ!

溶接棒がくっついちゃうよ。


んー。まぁ、ナットの回転止ができれば、今日はそれでいいので。

あとで、カブのフレームの溶接などしてあげにゃならんが、手始めはこんなものかな?

他の課題が多すぎるっ!
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