三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 12月13日 海外電圧・220V単相インバーター

2016-12-14 | メンテナンスお気楽日記
海外納品機のお世話をしていた、機料店のオヤジが亡くなって、もう何年・・

さいわいにして?直接取引の話もなかったから、輸出用と解っていても、国内仕様のまま
機台を整備して、他機料店に提供すれば良かった。

ところが今回は、海外駐在の担当者からの問い合わせです。
機台見積もりはスグに書けましたが、電圧仕様で、思い込み?くい違い?

こっちは当然、海外工場には日本製機台(200V)使用の為のトランス(変圧器)が
設備されているものと、思い込んでのお世話です。

ところが、インバーターやリボンブレーカーの話になると、380V3相50Hzや
220V単相50Hzが飛び出して来た。400V仕様に変更か?トランスが必要か?

電話なら、4~5分で理解できる内容も、メール通信では質問して、返信待ち。
文章にすれば、思い込みばかりが重なっていく。


要は、トランス設備がない工場でも、インバーター仕様であれば220V単相電源でも
国産機の200Vモーターなど、国産機器を使用できるとの事でした。

その為には、インバーター装置を選ばなければならないが、たったそれだけのことで
海外での別工場でも使用可能になるとの事です。また、新しい知識です。

インバーター装置を調べたら、色んなタイプの機器が出て来ました。
400V仕様をはじめ220V単相などなど。「インバーターを使えば100V電源で200V
モーターを使用出来るョ」なんて言っていた自分が恥かしい。

心配して、いろんな電気工事士に相談しまくったのが、バカみたい。多分質問の趣旨も
伝わっていないのに、相談されて困ったことだろう。


海外輸出には、色んな課題があります。輸出梱包をはじめ、燻蒸処理。証明書類なんて
とてもじゃないけど集められない。昔々の機器取説書を探しまくった事もあった。

今回は、国内本社で取り仕切ってもらえるから、良かったけど、本来ならばその間に
業界通の機料店の存在があり、色んな指示を頂いていたのだが、その人がいない。
知っているつもりでも、実は解ってない事の多いのも、痛感させられた日々でした。

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メンテお気楽日記 12月8日 ホームセンター仕様?機器

2016-12-09 | メンテナンスお気楽日記
「定長装置」の製作です。安価なタイマー仕様では、正確な長さが難しいとのことで、
カウンター装置をつかいます。1000mの糸が欲しいとのことです。

故障している機械式カウンターのプーリーを利用して、直接接触でカウントします。
円周が25㎝のプーリーですから、4回転で1カウントすなわち1mとなります。

中古プーリーですから、細い糸キズがありましたが、太い糸ばかりなので気にしない
とのことです。機器の方は故障しているので、分解して、プーリーとスピンドル部分
だけを取り外しました。これに近接センサーの羽根を付けてカウントします。

製作前に問題点が2つあります。まず、直接方式なので、全錘管理は出来ません。
機器を取り付けた錘だけが、正確に計ることとなります。

次に、停止方法ですが、モーター停止方法ですから、惰性回転があります。スピードが
早ければ、その惰性回転数も多くなる。これも1錘だけならカッター仕様も考えられる。

ブレーキモーターなんて便利なものもあるが、なんせ低予算での依頼です。
まとも?なモノはデジタルカウンターとマグネットスィッチだけです。

ケースやスイッチ・ランプ等は金沢の機器屋さんで適当に?選びます。
取り付け位置や取り付け金具も、本来なら図面をひいての設計となるところだが、

ホームセンターの金具売り場でニラメッコ。ああでもない、こうでもないと考えます。

種類も豊富で、クロームメッキ仕上げもあるから、鉄工所依頼より見栄えが良い。
なにより、単品単価で選べるから、経費を抑えることが出来る。ボルトまで単品買。

同じような、お仲間さんもいました。いい年をしたオッサンが売り場の前で、金具片手に
悩んでいる。こっけいかもしれないが、これもモノづくりの原点です。

付け加えて言わせてもらえば、この時間の経費はいっさい請求もされていない。

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メンテお気楽日記 12月7日 海外工場設備事情

2016-12-06 | メンテナンスお気楽日記
                    糊付ワインダー。糊乾燥のため熱風ボイラーが必要です。

海外工場での設備補充のお手伝い?をしています。中国・タイ・ベトナム工場です。

海外工場にある三筋ワインダーの写真も見せてもらいました。なんと古い!鋳物製ハンクアームです。
今でこそ、海外輸出機は新品が常識?だけど、何十年前、政府の買い上げ中古がいっせいに輸出された
時期がありました。イタリー撚糸機をはじめ、準備機器・三筋ワインダーも大量に輸出された。

海外加工費の問題はさて置き、その後も商社を通じての部品供給の取引きも続きました。
一時期、動きが止まった時もあるが、その時期は海外製繊維機械の開発時期と重なる。

ネットでワインダーを検索したら、中国のメーカーが乱立していました。面白い事にメーカーが
違うのに、どれもこれも同じような機械ばかりです。コピー天国と言われても仕方がない。

上海の繊維機械展示会で接待を受けた社長が、半月もしない内に送られてきた機械だったが、
二か月も経った頃「売れたら、売って欲しい」と言って来た。

先日、面談したバイヤーの話によると「淘汰され、残るべきところは残るが、まだ少し・」との事。
将来を考えれば、海外製機械の必需性も課題となる。少しでも早く淘汰されること願うばかりです。


中国の場合は、製造機械の他に「環境問題」が課題となります。乾燥機のボイラー設置に公の許可が
おりません。国内メーカーの担当者は「その街には、もう2~30台組み付けに行った」と言いますが
今はまったく状況が違うみたいです。

先日来日した、中国人工場長がさかんにスマホで青空の写真を撮っていた。中国も広いはずだが、
都市の方は、PM25も日本人感覚では想像もできないと通訳の人が言っていた。

残った?国内機械製造メーカーも何軒か回ったが、社長は海外出張中が多かった。海外営業がなければ
とてもじゃないけど、やってはいけないし、まだまだ日本製品の魅力は大きいとも言っていた。

願わくば、国内需要でメーカーが成り立ち、周辺機器や部品工場も生活できれば、日本の未来は明るい。

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メンテお気楽日記 12月6日 100V電源で200Vモーターを回す

2016-12-05 | メンテナンスお気楽日記
「家の100V電源で、産業機の200Vモーターを使うことが出来るのですか?」の問い合わせです。

答えは簡単で、インバーター装置の種類の中に、100V入力200V出力タイプがあります。
自分が使っているのは、三菱ですが、他のメーカーにもあると聞いています。

以前借りていた倉庫にも、産業電圧が契約解除されていて、機台の試運転の際には100Vモーターに
組み替えてテスト確認していましたが、モーターの乗せ換えだけでも、やっかいな手間仕事でした。

このインバーター装置を使ってからは、納品機台をそのままの状態で、端子に接続するだけです。
客先でモーターがうるさかったり、動かなかった?ことは防げるようにもなった。

当然、インバーター装置ですから、スピード調整も自在です。ボリュームひとつで低速から高速運転、
機台の振動や、きしみ音を確認することもできます。

只、注意して欲しいのは、出力側にマグネットスィッチやタイマーが組み込んである機台です。
100%なら問題はないが、ボリュームを絞れば不具合が生じます。タイマーが焼けた事もあります。


確かに、便利なことは便利です。産業機を小型化しても、モーターもそのまま100V電源で仕様できる。
以前は100V用の大型モーターを探すのは大変でした。元々特殊仕様?なので中古在庫も少ない。
特に、工房顧客さんの処では200V契約がなされていない。でも、産業機械は使いたいとの希望でした。

インバーター装置の特徴として、入力電源をスイッチ遮断すると、痛みが早くなる傾向がある。
その為には、機能モードを「外部モード」にする方法がある。そうすれば、スイッチの入り切り、タイマー
やリボンブレーカーの組み込みも可能です。誤動作の原因?ボリュームも外部取り付けにする事も出来る。

知りたいのは、価格だろうがブログでは発表できません。ネット検索すれば、掘り出し物に出会うかも?

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メンテお気楽日記 12月5日 黒ベークドラム・茶ベークドラム

2016-12-05 | メンテナンスお気楽日記
今でも、絹撚糸工場では「ベークドラム崇拝」者が多い。
昔からの経験?から「これでなきゃ!」との指示。もう、製作していない部品だけに厳しい注文。
いくら中古在庫があるからといって、交換してもすぐに使える(仕事が出来る)モノでもない。

言われるのは「糸が素直に巻ける」「糸にやさしく無理がない」「風合いが違う」など。
そのことは、以前多かったレーヨン「人絹」工場でも聞いた。その場合は黒ベークドラムを使う。

工場作業の特徴は「仕事内容が変わらない」って事です。絹にしてもレーヨンにしても、同じ番手の
仕事しかしない。同じ糸しか作らない「専門工場」です。それだけ注文も続いたって事でもある。


ベークドラムには必ず「キズ」が発生しています。「糸道」です。糸自身がつくる糸道です。
無理のかかる箇所には、糸が走りやすい様、糸が自分の「わだち」を作っていきます。

例え話で言えば「舗装道路と砂利道」の差です。
舗装道路は、どんな車でも走れるが、ハンドル操作を誤ると、とんでもない方向へ。
砂利道や農道では、毎日通る人の「わだち」しか出来ません。ハンドルがかってに動いてくれる?。

欠点は、ダンプのわだちを軽四で走ろうとすれば、大変な苦労です。それが「専門糸」です。

「わだち」だけではありません。ドラムの平行面にも、糸の太さによる凸凹が形成されていきます。
ドラムの溝を糸が走る時、糸がスーッと滑るのではなく、実は転がりながら移動しています。

これが、撚りのないフィラメント加工から懸念されるドラムトラバースだが、多少でも撚りがあれば、
左右繰り返し移動だから、撚りへの影響は少ない。糸が転がり易いわだち?やはりこれもわだちか?

その凸凹が糸の移動に影響されます。太番手加工機で細番手加工をしようとすると、転がり難くなる。
その為、作業糸が変われば、ドラム整備も必要となる。その度に整備依頼もあった。
それが、絹撚糸工場のアルバイトが出来ない理由でもある。


多品種少ロットの世相では、金属ドラム(アルマイト処理)が便利なことは解っているが、糸の品質に
こだわりのある工場は、やはりベークドラムは魅力らしい。風合い?優しさ?・・・

ちなみに、茶ベークドラムは3°30′のS方向。黒ベークドラムは3°30′のZ方向用です。
もう一つ、金属ドラムの欠点は、糸道が付いてしまえば、修理出来ず、同じ糸加工しか対応出来ない。

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