三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 11月14日 骨董機械?にインバーター

2013-11-13 | メンテナンスお気楽日記
カセ染めした糸をコーンアップしたいが、絶対、糸切れは避けたい。

しかし、糸にも張力限界はあるし、解除からみも発生する。

考えられる対策は、すべり効果を期待して、捲き玉をスリップさせる方法。
しかし、新型?機械は回転トルクが確実に伝わる様、設計されている。

その為には、骨董機械にお出ましいただいて、すり輪駆動の不確実な「あそび」に期待する。
糸が絡まったり、解除ムラが発生しても、捲き玉がスリップして糸を切る事は無い。

しかし、結果としてまだ糸切れは発生した。糸の弱さを嘆くのは簡単だが、
次の対策を考えなければならない。原因は回転スピードにあると思うが、現状では
モータープーリーは最小、ドライブプーリーは最大、改造の余地はない。
       (二段プーリーを組み込む方法もあるが、適正スピードが解らない)

次の対策はインバーター装置による減速運転が一番簡単で、他の糸での対応もできる。
さっそく、不釣り合いな格好もかまわず、骨董機械に中古インバーターの組み込み作業。

効果はすぐ現れた、なんせ60Hzを30Hzで運転すれば、回転数は半分。
すり輪がスリップしても糸を切るまでには至らない。後はカセをさばいてやれば・・

スロースタート設定でも思わぬ効果がでた。糸掛け時の熟練技術も必要なくなった。
糸掛け準備をして、一斉スタートしても、ゆっくり回転し始めるから無理が掛からない。


繊維産業が好景気を維持していれば、もっともっと色んな機械が開発されただろう。
しかし繊維機械の開発は20年前に止まってしまったと言ってもイイ状態。

糸に合った加工機械を選ぶことは、難しいと言うより、まず無理な現状。
その為には、自社の機械をどう使いこなすかが課題となる。逆に中古機だからできるワザ。

作業が簡単?な糸は減少し、国内生産はクセのある難しい糸に限定されている様な状態。
だからこそ、各社の加工技術が生き残りの方法かもしれない。裏を返せばチャンス?

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_

ブログランキングに参加しています!1日1回クリックをお願いします!!
↓↓↓↓↓↓↓↓
人気ブログランキングへ


メンテお気楽日記 11月12日 低価格と量産

2013-11-12 | メンテナンスお気楽日記
三筋の得意技は「安ものづくり?」。
根が貧乏症?のため「何とかもっと安く作れないか、もっと簡単に直せないか?」なんて、
すぐ考えてしまう。言い換えれば、いつまでたっても儲からない商売ばかりしている。

修理やメンテナンス、しいては「ものづくり」にしても出来合いの部品を組み付けるのが
一番簡単?ところが交換部品が高額であったり、もっと困るのがメーカー自体の製造中止。

今回もそうだった。客先からは「昔、こんな装置があったけど、探してくれないか?」
製造メーカーはもう何年も前に廃業している。製品もたまに?1・2個見かけるだけ。

無いものは作ればイイ!いつもの悪いクセ。ホームセンターをこまめに廻り、使えそうな
部品を集め、コツコツと手間を惜しまず手作り仕事。

もちろん、ポイントは押さえてあるから性能には問題ない。ただ懐が寂しいので
少しでも安い部材で効果を引き出す。当然、完成品の価格も安くなる。

ところが1・2個だから出来る仕事で、後日の注文が30個以上となると話は別。
エンビ管で代用した台座だけでも4メートル以上必要。ボルト・穴加工もハンパない。

ボランティア加工?を外注委託にすれば、納品価格がブッ飛んでしまう。
結局、おだてに乗せられ、もらったものは時間だけ。現在コツコツ進行中。

テンションウエイトに使う釣り用の鉛玉360個の注文、サービスコーナーのおばちゃんが
不思議そうな顔をしていた。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_

ブログランキングに参加しています!1日1回クリックをお願いします!!
↓↓↓↓↓↓↓↓
人気ブログランキングへ


メンテお気楽日記 11月9日 絵に描いた餅?餅は餅屋。

2013-11-08 | メンテナンスお気楽日記
商売人の商品開発とは「あったらイイな。出来たらイイな。」で始まり、
もっと言わせてもらえば「売れるかも!」「儲かるかも!」の下心が見え見え。


相談をかければ、「これから必要になる品ダネ」「欲しい人がいるハズ」なんて。
豚(三筋?)もおだてりゃ木に登る。じゃ、やってみるか。で手間も惜しまずタダ仕事。

一錘機のワインダーは完成した。次はデジタル計り定長?装置。その次は
繊維のケバカウント装置。こっちの方は、電気屋さんの連絡待ち。

どの装置も、お金さえ惜しまなければ完成品?は世の中には存在する。
只、販売価格が10万以上とも20万以上とも言われれば、ちょっと手が出ない。

ポイントを押さえ、頭をつかえば、イイとこ取りの代用品で充分低価格で対応できる。
開発費・営業費・宣伝費など計算してないから、材料費の1.ン倍でも作れる。


職人は自分の作ったモノは、使ってもらってナンボの世界。
商売とすれば、家族のおまんまも確保しなければならないが、原価が解っているだけに
なかなか強気に出られない。これが商売人の言う「お人好し」らしい。

一錘機の方も、ダイソーのアングルとモーター関連を除けば、すべて中古整備品。
客先が自分で組みたいと言えば、整備部品だけでも提供できる。

多少の手間もかかるので、一台分じゃ足りないだろうなんて暇をみつけてコツコツ仕事。
ところが今だに、皮算用。餅は出来たのに買ってくれる人が見つからない。

周りからは「なるほどネ」「おもしろいネ」「いいネ」の声は聞こえて来るが、
本当に必要な人とは巡り合わない。やはり営業力の差か?餅は餅屋に任せなければいけない?

いくら便利なものが安く出来るとしても、売れなければ、絵に描いた餅で終わってしまう。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_

ブログランキングに参加しています!1日1回クリックをお願いします!!
↓↓↓↓↓↓↓↓
人気ブログランキングへ


メンテお気楽日記 11月3日 分業の責任

2013-11-03 | メンテナンスお気楽日記
ある商社から「自社の総合加工工場ができないか?」の相談を受けた。

確かに以前から、染工所では外注加工工場のワインダーを自社工場内に移設して
社員?による作業形態に変更したところが多い。

きっかけは、外注工場の高齢化と後継者がいない?ことにあるが、その他運搬費や
行程のスピード化などがメリットとして考えられた筈。しかしデメリットも多い。

まず、無理な残業がしてもらえなく?なり、納期遅れが目立ち始めた。これまでは
外注さんの朝一夜なべの努力に甘えてきた。低工賃での作業も望めない。

それ以上に心配なのは「品質の低下」。経営者は作業管理すれば品質の向上が出来ると
思ってはいるが、作業をしている人間の意識を把握することは、極めて難しい。

以前から、大工場のメンテに入ると外注工場との機械管理の差に疑問を感じていた。

このことは、中国工場を持っている担当者からも毎回聞かされる。
自分に与えられた仕事はするが、他人?の仕事に手を出すことは「罪」と考えるらしい。


国内での「ものづくり」では、大半は専門加工工場による分業管理の力が大きい。
たかが?ジーンズ一本にしたって、糸づくり・撚糸・整経・染色・織工場。
製品づくりにも、裁断・縫製・ボタンにミシン糸・仕上げ加工もある。

すべては、次の加工の為に最善の品質を提供するため努力している。「ホコリ」と言ってもイイ。

一工場内での完全生産は、見かたによっては理想な生産方式かも知れない。
しかし、見えてくるのは「井の中の蛙・器用貧乏・素人集団」など、競うことのない環境。

「ものづくり」は「ものづくり」だけではあってはならない。
「イイものづくり」には、競い・切磋琢磨していく、専門加工が必要と考えます。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_

ブログランキングに参加しています!1日1回クリックをお願いします!!
↓↓↓↓↓↓↓↓
人気ブログランキングへ