三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 4月27日 やりたくない仕事

2013-04-27 | メンテナンスお気楽日記
撚糸屋さんからの電話「うちの捲き屋が辞めることになった。機械を何とかできないか?」
「自分の工場には置きスペースも無いし、新しく捲き屋をつくる程仕事量も無い。」

メンテナンスとすれば、年に1~2回顔を出す程度しか仕事依頼がないが、
これまではガイド交換やリボンブレーカーの取り付けなど、機械には経費を掛けてもらった。

歳の事なら80前後、体にガタが来ても、けっしておかしくないバアさま。
年金プラス工料に甘えて?の都合のイイ捲き屋さんが、また一軒消えた。

機械にしても、買い上げて倉庫保管する程度でもない。元は充分にとった機械と見た。
出来る事といったら、処分経費をゼロにするため、分解して部品分別するしかない。

多くの機械は鋼材・鉄板・イモノ・プラ・アルミナ・木材の集合体。
そのままの形で処分依頼をすれば、人件費めいもくで追い銭経費が必要になる。

自分とすれば中古部品確保にはなるが、当たり外れもあるし、手間工賃も請求できない。
先の見えないタダ仕事。もし売れたとしても、手間では計算できない中古価格。

それより一番痛いのは、工場がなくなる事。ガイド一本Vベルト一本の注文も無くなる。
メンテナンスどころか、バアさまの顔も見納めか?接点が絶たれてしまう。

最後のご奉公?機械のほうも二度と作れないだろう、だってメーカー自体が廃業。
かろうじて、部品供給にだけ対応している。大事工事には中古と代用品で対応。

12~30錘の産業機械は確実に姿を消していくだろう。
でも必要な機械、便利な機械であることも確か。残さなければいけない価値もある。
その為には、3錘でも6錘でも必要としている工場・工房へのお世話も大切と考える。

今回は、12錘機4台の処分依頼。この中から何錘が生き残れるのかは、まったく
先が読めない。ま、原動部さえ残せば再生の道は確保できる。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_

ブログランキングに参加しています!1日1回クリックをお願いします!!
↓↓↓↓↓↓↓↓
人気ブログランキングへ


メンテお気楽日記 4月26日 伝承されていない技術

2013-04-27 | メンテナンスお気楽日記
ブログ掲載が大きな要因であろうが、新規問い合わせの約8割が
40~50代の二代目後継者。中には三代目?と思しき超若手?もいる。

繊維産業の創業者の大半は、80過ぎの爺さま。
当然、二代目後継者は50代。好景気の中で少年期・青年期を過ごしている。

家業を継ぐのは当然と考えられたが、いざ後継者になった頃から
世の中の動きが変わって?来た。いわゆる「儲からない時代」

要因は「大量生産・製造安値・消費動向」などいろいろあるだろうが、
ある時、周りを見渡せば人がいなかった。女工さんしかり、工場長しかり。

今日仕事で入った企業にも、工場長はいたが、感想は「担当者」??
話を聞けば、前工場長について回ったのは一か月あまり、あまりに短い!

一般の会社では30~40代ならすでに一人前以上。でも技術職は・・別?
もちろん、担当者は担当仕事を精いっぱいやっているのは理解してるし認める。
でも、仕事の要領・コツを体に覚えるまでには、それなりの時間がかかる。

「ものづくりは人間づくり」かっこいいスローガンではあるが本質でもある。

機械がモノを作るのではなく、人間の意欲がモノを作る。
機械は「道具」であって、使いこなす技術を「伝承」と言う。

機械は壊れるのが運命だが、技術の伝承があれば必ず復活する。と、願いたい。

話はかたい方向へいってしまったが、最後に技術記事。

担当はスピンドルのベアリング交換をハンマーでやっていたが、これではベアリングの
負荷・寿命まで影響が出る。やはり静かに組み付ける為の「治具」も必要工具です。
こんな些細?なことが「伝承」されていけば、ものづくりの未来は明るい。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_

ブログランキングに参加しています!1日1回クリックをお願いします!!
↓↓↓↓↓↓↓↓
人気ブログランキングへ