三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 6月2日 ポイントは「綾くずし」

2016-06-01 | メンテナンスお気楽日記
                      下のカム(すり合わせカム)が綾くずしの為のカムです。

なぜか?最近の問い合わせが「ボビンワインダー」への対応が続いている。
当然?うちへの問い合わせの場合、1錘から5錘程度の小型ワインダーを希望している。

コニカルワインダーは不得意としているが、低速でしかも1~2錘の小型装置なら、作って作れない事も
ない?。必要な部品材料は、友達の倉庫に行けば転がっている?後はいかにコンパクトにまとめるか?


しかし、一番の問題は「トラバース機構」。産業機のカムボックスでは、それだけで50㎝幅以上。
たかが、10㎝ボビン2錘の機械が、幅1メートルなんてバカな設計になってしまう。

コニカルトラバースの方法には「円筒カム」「板カム」「溝カム」それと「電動スライダー」で往復運動
させる事も可能。ただ、円筒カムやスライダー装置の場合は装置だけで、ン万円の予算が必要となります。

大きさ故に、中古装置が使えなければ、簡単な?板カム・円盤装置の製作となる。

ところが、ここにも大きな課題がある。そのままの動きでは、ボビンの端が盛り上がり、つづみ巻きとなる。
これを「綾だまり」と言う。これを解決する為にはトラバースと連動した「綾くずし」機構が必要となります。

簡単に言えば、10㎝のリフトの支点を左右にずらして、11㎝の巻き玉として成型します。
そのことによって、端糸の重なりが分散され、平行な巻き形状を得る事ができます。

ハートカムならば、円運動をなめらかな往復運動にすることも可能ですが、巻き糸の場合は、結果が
糸の量として確実に残るため、ごまかし?が効きません。調整方法もない。


昔の糸巻き機(木製)ならば、これ見よがしに付いていた「綾くずし」装置ですが、鉄製の機械設計においては
目立たない?機構として組み込まれています。そのことが、装置の意味を知る機会を奪ってしまった。
しいては、巻き技術さえ、機械まかせ?の技術となっている様にも思える。

「装置」って、すべて意味がある。ボタンを押せば動くものでもない。
何を、どうする為に、必要な装置なのか?今一度見直して欲しい。

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