三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 3月26日 「ものづくり」のこだわり

2013-03-26 | メンテナンスお気楽日記
「風合いの出方が違う。」「コレでないと出せない味。」
機械屋には、ちょっと理解できない言葉。 生地や製品の話です。

確かに触ってみれば、柔らかったり、生地の艶が揃っているのは解るが、
他の生地とどこがどう違うのかと言えば、説明のしようがない。

以前から出入りの撚糸屋さんからは「イタリーでしか出来ない仕事」とか
「イタリーだから出来る糸」の講釈?はよく聞いていた。
しかし、ダブルの量産安値に対抗する「こだわり」とも感じていたのも事実。

イタリー撚糸機の本来の良さは、自分では実感することは無かった。

綾部の若山さんから「小型のイタリー撚糸機を作りたい!」と相談を受けたのは一年前。
「あるのはリング撚糸機ばかりで、どうしてもイタリーの味が欲しい」
運よく、金沢の機料店に残って?いた、イタリー撚糸機の部品を紹介出来ました。

先日、久しぶりにメールに入っていたのは「小型撚糸機できました。」
早々に添付されていた写真を見て、ンーン!木枠で作ったんダ・・

機械屋の勝手な思い込みは「鉄の塊り」。何でも鉄を組み合わせる事しか考えられない
(考えてしまう)自分には、正に目からウロコ。反省する前に「ものづくり」原点を見た。

産業機械の中で育ち、万人向けの性能を維持提供する為には、当然品質の規格。
その為には、部品の組み合わせ。組み合わせによって機械が動き、仕事をする。
メンテナンスや機械製作、当然の様に鉄製部品を組み合わせて対応してきた。

でも、考えてみれば織機だって糸繰り機だって、最初は木製からスタートしている。
只、「量産」という御旗のもとで、同規格同品質の鉄製機械に移行していっただけ。

今は、木製機械といえば、骨董機械、趣味の機械との感がいつのまにか身についている。

ところが、大手繊維メーカーの研究室の中でも、木製機械を見たことがある。
機械開発、機械づくりの第一歩は、すべて手仕事(木製機械)から始まっている。

今回のことで「木製機械こそが、ものづくりの原点」と改めて気づかされた。


最後に、ボビン繰り機の処分情報に京都から車を飛ばして来た若山さん。
このバイタリティーこそ、もう一つの「ものづくりの原動力」と感じました。

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