迷宮映画館

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ジプシーは空に消える

2009年08月01日 | ロシア映画シリーズ
ロシアにジプシーがいたんだ・・・ということをまず知って勉強になる。
基本的に、あまり寒いとこには、流浪の民としては、なかなか生きにくいのでは・・・と老婆心ながら心配をしてしまうが、そんな寒さなんか吹っ飛ばすのもジプシーだ。

あるジプシーのコミュニティに、美しいラーダという女性がいた。エキゾチックな美しさと、奔放な生き方。自由が私たちにとって、何より大事なことだという。

彼女に恋をしたのが馬泥棒のゾバール。見事な手綱さばきで馬を奪うが、なかなかラーダの心を奪うことができない。しかし、そのゾバールも官憲につかまってしまい縛り首にかかってしまうことになった。

観念したとき、仲間が助けに来る。この迫力はすごい。自分を助け、犠牲になった仲間を心で追悼しながら、やはり思いはラーダ。そしてとうとうラーダは自分のプロポーズを受けてくれるという・・・。

しかし、ゾバールの腕の中で朝を迎えるはずだったラーダは姿を消す。愛と自由。ジプシーにとって命より大事なものは何か?いや、それは普遍的な問いだ。

ということで、ロシア文学館第8回目はこれ。聞くのも初めてなら、何の知識もなく、まっさらな状態で臨む。いまどき、こんな状態で映画を見れることは滅多にないので、この状況を楽しみにしているきらいもある。

時折入るジプシー音楽の猥雑な感じがとってもらしい。大仰なストーリーなどはないのだが、人間の究極の選択を迫る最後が見所だった。愛と自由。相反するものには見えないのだが、それに命をかける生き方。

とことん精一杯生きている姿勢を感じた。

『ジプシーは空に消える』

原作 マクシム・ゴーリキー「マカール・チュードラ」
脚本・監督 エミーリ・ロチャヌー
出演 スヴェトラナ・トマ グリゴーリー・グリゴリウ セルゲイ・フィニチ ボリスラフ・ヴロンドゥコフ フセヴォロド・ガブリーロフ ボリス・ムラエフ


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