迷宮映画館

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地球を守れ!

2005年11月18日 | た行 外国映画
韓国シネマフェス、最後を飾ったのはこれだあ!
そろそろ韓国映画も食傷気味になってきたのだが、「親切なクムジャさん」は見ないと・・・。これで、チャヌク監督復讐三部作はクリア。残る韓国シネマフェスはなにか?復讐じゃなくて、復習のために「復讐者に憐れみを」を借りて来ていたのだが、滅多にビデオ屋に行かないもんで、どんなのが出てるのかもよ-分からん。

おりょりょ!何だ、今時韓国モノは一角を占めるほどになっていたのか・・。見ようと思っていた「アナーキスト」もあるし、見てきたばっかりの「ジェイル・ブレーカー」もしっかりあった。これから見るつもりだった「地球を守れ!」は、ない!と言う事で、これは見ることに決定。

・・・やられました。完膚なきまでに・・・。R-18ではあったけど、これほどすんごいとは・・・・。前日に見たクムジャさんが・・・・どんどんかすんでいく。もう・・・・でしか表現が出来ないほどです。

純朴そうで、ちょっとドン臭いビョング。太目の綱渡り娘、スニと二人で、地球を守る為に日々、警戒を怠らない。地球にはエイリアンがひそんでいて、我々の遺伝子を操作し、人間を滅ぼそうと計画してる・・と思い込んでいる。

そして拉致してきたある化学工場のカン社長。金まみれで、いかにもおえらい社長さんみたいなこの男を、ビョングはエイリアンだと断定する。この工場に勤めていたビョングの母は昏睡状態。ビョングの恋人も工場の不当な扱いで命を落としていた。どう見ても私怨にしか見えないのだが、ビョングはいたって真面目。髪の毛はテレパシーを送るアンテナだと言ってそり落とし、カン社長を監禁する。

段々、ビョングの生い立ちが分かってくる。あまりにかわいそうな生い立ち。変な思い込みを抱くのも無理もないような生い立ちだ。自分がエイリアンだと白状しないカン社長を拷問するのだが、この痛さと言ったら・・・・・。あーーいててて。復讐心の憎悪の大きさといったら・・・・。もう山よりも高く、谷よりも深い。凄すぎる。

あまりの世俗のずれとの可笑しさに笑いながら、こうまでなってしまったビョングの辛さに顔が歪む。あまりに稀有壮大な話、なんせ、エイリアン襲来のお話ですから。おまけに悲恋物語も絡み、刑事が犯人を追うサスペンスまでくっついている。警察内でのさまざまな関係やら、汚職やら、テンこ盛りもここまで来るともう大変。そして、この地球は本当に守るに値するほどのものなのか?という人間に大きな大きな命題までつきつけちゃう。いいのか、こんな映画を作って。

主人公ビョングを演じるのはシン・ハギュン。「JSA」の北の兵士から、「復讐者に憐れみを」の聾唖の主人公、「マイ・ブラザー」では口蓋裂の秀才、「ガン&トークス」では、かっこよくわるみたいな。でも、このビョングを演じられるのはシン・ハギュン、貴方だけです。見事。痛かわいい・・真面目で無垢な目の奥に潜む狂気。あまりに矛盾した男をこうまでぴったりに演じられるのは、コイツだけ。

凄い。今まで見た韓国映画の中でも、この凄さと濃さと痛さは一番かもしれない。これは見逃してはいけないと知らせたかったのだが・・・おそかりし、由良の助・・・・。ふるっ。


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8 コメント

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面白かったですよね。 (haru)
2005-11-18 22:37:14
sakuraiさん、TBありがとうございました。

この映画本当に面白かったですよね。

途中あまりに残酷で指の間から見たりして(笑)

でも、観ずにはいられない。

やっぱり、ハギュン最高ですよね。

本当に巧い。

「ウェルカム・・・」が早く観たいですよね~ 

クムジャさんのレビューも読ませていただきました。

あれはあれでまた「深く」、面白かったですね。

また、寄らせていただきます。
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どんなんかなあ??? (sakurai)
2005-11-19 20:39:45
とまるで予備知識ゼロ。ほとんど期待感も持たずに見てしまったのですが、これはこの映画に失礼なくらいでした・・。

いや、、、凄かったです。これは今年の見逃さないでよかったベストに入りそうです。

ハギュンにはまりそうです。

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ビョング (Izumi)
2005-11-29 21:41:07
レビュー読ませていただきました。



ところでこの映画の監督さんによると

ビョングという主人公の名前は‘病む地球’から来たそうです。もちろん韓国語で。

韓国語で病気のビョウはビョンで、

地球のキュウはグらしいです。

やっぱ感じになると日本語と韓国語の発音は似てますね。



私はこれを聞いた時になんかもっと悲しくなりました。ビョングがかわいそうで・・・
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へえ! (sakurai)
2005-11-30 08:44:29
そんな意味があったとは。

それも全部ひっくるめて、ビョングをやれるのは、やはりハギュンしかいないでしょうね。

韓国映画の今年見た奴の文句なしの№1になってしまいました。
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早速観させていただきました。 (miyu)
2008-07-16 21:51:28
う~んやっぱりシン・ハギュンいいですね!
個人的には「復讐者に憐れみを」の彼が
素敵だったなぁ~と思ったんだけど、
本当作品ごとに色んな顔を見せてくれるから、
これからも注目していきたいですね。
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>miyuさま (sakurai)
2008-07-17 08:20:12
ものすごーーく、地味に上映されたんですよ。
これ見逃してたら、多分見ないと思ったから、これ見たのは「運命だあ!」と思ってしまいましたね。
このハギュンは本当にすばらしかったです。
「復讐者に憐れみを」もなかなかでしたが、切れ具合は、こっちですかね。
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ハギュン!! (KON)
2010-06-12 15:58:37
ついに見てしまいました。いててて・・。凄い。あそこまで壮大なストーリーとは。大胆不敵というか。アホというか。むごくて決して後味がいい作品ではないのですが、そこはハギュン、きっちり魅了されましたよ。あのベテラン刑事とのやりとり、どこでどう状況が変わるかかなりのスリルでした。ハギュンのどこまで素朴で無垢な感じが却って怖い。あの人の良さそうな笑顔が時に哀しい。いいなぁ。早く次が見たい!
それにしても、たまには死ななくて、普通に好青年な役を演じてほしいな~とも思います。そういうのもきっと彼なら素晴しいはず。
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>KONさま (sakurai)
2010-06-12 21:26:12
おぉぉぉぉ!!ご覧になられましたね!!
すごいでしょ。あんな話なんですよ。
あれを何にも知らずに、普通のごく軽い一本として見たあたしの衝撃をご想像ください。
あれ見てから、普通にハギュンは、もう見れませんよ!!ということで、あたしの韓国映画のいまだにナンバー1です。
でも、また見たくはない・・・です。
哀しすぎて。
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