ＵＤＯＮ

世界を笑わせたい！と夢を抱いた一人の男が大いなる挫折。「Ｉ　　ＮＹ」のＴシャツが痛いです。とぼとぼと帰ったのが四国の香川。そうここはうどんの国。人口１００万の日本一小さな県に膨大な数のうどん屋がある。

あまりに普通にありすぎて、ありがたみを感じない。まるで空気のような存在が讃岐のうどんなのでしょうか。本当に美味しそうです。湯気の立ち上るどんぶりの中に、つやつやしたちょっと透き通ったぷりぷりのうどん。しょうがとねぎをかけて、醤油をたらっとたらす。卵ぱかっと割ったときにゃあーた、もう帰り道は絶対うどんだ！と決意しました。

でも映画といえば、うーーん、伸びたうどんみたいにキレがない。腰がない。何が一番言いたいのか、見せたいのかがよー分からん。うどんを追う事なのか、ブームの賑わいと祭りの後のわびしさなのか、うどんを作ることなのか・・・。

『サマータイムマシン・ブルース』で故郷のすんばらしさを再確認してしまった監督が、その心地よさが忘れられず、ついついもっと作りたくなったけど、欲が少々前面に出てしまったような感が無きにしも非ずの映画。ちょっと長過ぎた。うどんも１回冷たい水でぎゅっと締めなきゃ、と映画の中で言ってたが、なんかギュッの部分がなかった。しかし、ちょこちょこ出てくる脇役陣の豪華なこと。そのお楽しみと、やはりうどんです。そうか、主役はやっぱうどんなんだ。

帰り道、絶対「うどんだ！」と思ってうどん屋に行ったのですが、お店は２１：００で終了。残念。うどん屋空いてる時間に終る時間で見に行くことをお勧めします。おなかいっぱいでも、とにかくうどんが食べたくなる。

『ＵＤＯＮ』
監督　本広　克行
出演　ユースケ・サンタマリア　小西真奈美　トータス松本