迷宮映画館

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千と千尋の神隠し

2001年08月21日 | さ行 日本映画
今ごろ、といわれるかもしれないが、こういう映画は紹介しようが、しまいが、国民的行事のようにみなが映画館に足を運ばれるので、余計なことは言わないでおこう。いつ、どんな時間でも映画館がいっぱいになってるというのは、うれしい限りだ。

宮崎作品をはじめて認識したのは「未来少年コナン」という連続アニメだった。20年以上前だったので、私が中学、高校か定かではないが、NHKがはじめて、アニメを放映するという画期的なものだった。その発想、話の展開、あくまで楽観的な主人公、そして何より耳目を引いたのが動きだった。コナンの走り、ふんばり、ジャンプの振動がじかに伝わってくるような新鮮味があった。アニメを見る年齢にしては、ずいぶんとうがたってた気もするが、毎週、わくわくして見てた。それからの活躍ぶりというのは周知のことと思う。私的には「カリオストロの城」も「風の谷のナウシカ」も「となりのトトロ」も映画館にて見てしまったというなんともいえない、自負と恥ずかしさがある。

なぜ、そんなにアニメに惹かれるのかというと、我らの年代には手塚治虫というすごい人がいたのだった。「アトム」はちっと古いが、「悟空の大冒険」に「W3」、「ミクロイドS」、「どろろ」、「海のトリトン」は原作とずいぶん違うので、範疇に入れたくないが、最高傑作「ジャングル大帝」に「リボンの騎士」。これらの作品を見ることが出来た私たちというのはなんと幸せなんだったんだろうか。アニメ、まんが好きの日本人を作ってしまったのは紛れもなく、手塚治虫氏の存在だろう。

前に雑誌で読んだが、宮崎氏は手塚氏と比較されたくないし、自分の作品は意識して作っていないと書かれていた。そうはいっても、日本のアニメ、まんがに携わる人で、一切意識しないで作るなんていうのは不可能なことだろう。意識していないんだといいつつ、私は宮崎作品を見るときに、そこここに、手塚臭を捜すのが好きなのだった。

もう、長編は作らないと言ってしまった宮崎氏。あれほどのものを生み出すにはものすごいエネルギーが要ることだろう。あの躍動感を生み出すためには、絵に携わる人の姿勢も大きいとメイキングで言っていた。前向きな人と、そうでない人とでは、絵の動きが全然違ってくるのだ。確かに常人には考えられないほどのエネルギーを必要とするだろうが、まだまだパッションは衰えていないはず。やめるなんて言わないで、もっと、前向きなエネルギーを我々にぶつけて欲しい。

「千と千尋の神隠し」

監督 宮崎 駿  
声 柊 瑠美  入野 自由  夏木 マリ 2001年 日本作品


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