迷宮映画館

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12月のまとめ(2015年)

2016年01月01日 | 日記
元旦早々、反省から始まってます。

どうぞ、今年もよろしくお願いいたします。

おだやかな正月です。雪がさっぱりないのですよ。これって、とってもありがたくもあり、不気味でもあり、空恐ろしい。人間ってのは、わがままなものですな。

どれ、ごたくを並べるのはやめて、とっととまとめましょう。


12月に見た映画

① ドローン・オブ・ウォー

 今年は幸せ♡ まあ、イーサン映画の豊作だこと。うれしくってしようがないです、ハイ。最後がこれ!もう、イーサン出ずっぱり。中身は、、、、重たくって、なんとも複雑。戦争とは、人が人を殺すこと。たぶん、殺すということを、きっちり自覚しないとならない思うのですよ。でも、現実にやってるのは機械が遠くからの操作で、ボタン一つで殺すこと・・・。どうやっても戦争はなくならず、どんどんと武器が進化していってます。このまま、麻痺してしまった戦争を続けていいのか。強く強悩める問題です。その苦悩ぶりを、イーサンの悩ましい顔が見事に表現されておりました。いやはや、よかった、よかった。


② 天使が消えた街

 イタリアで起こった実際の事件。留学中の女子学生が惨殺され、その犯人とされたルームメイトの裁判を追う記者が体験するどか不思議な世界。現実なのやら、夢なのやら、わからなくなっていくのであります。結局、よーわからんままに終わってしまって、消化不良もいいとこ。ウィンターボトムの久々の普通っぽい作品だと思って、結構期待を寄せていたのですが、なんか不完全燃焼のままだわ。実際の事件もきっちり解決してないからか、こういう表し方にしかできなかったのかな、、と。


③ エール!

 フランスの田舎に住む聾唖の家族。一人だけ、耳の聞こえる長女が、家族の文字通りスポークマンになっております。夫婦のちょっと恥ずかし気な病児まで、彼女が通訳とかっていう、笑えるエピソードなどもありますが、総じてバタバタしてる。いくら聾唖であっても、キチンと意思疎通ができれば、なんも祖語は生じないと思うのですが、なんか無理やりバタバタさせてる感あり。生理のエピソードなんか、その最たるもんで。もうちょっとスマートに作れなかったかなあ~と、残念。


④ 海難1890

 今から120年ほど前、トルコから来た船が、帰路、和歌山県沖で嵐にあって座礁。多くの人命が失われたときに、近くの島民が、自分たちの危険も顧みず、必死に助けてくれたというお話。とっても有名なお話なので、知っておりました。本当に大変だったろうな・・・とということは重々わかるのですが、いやはや。旧時代の作り方で、どうにも感情移入できないのですよ。ひとえに配役のせいもありそうですが、過剰な演出が鼻について。おまけにその100年後のイラン・イラク戦争勃発の折に、テヘランにいた邦人を助けてくれたトルコ版。いや、これもいいのですよ、とっても大事なお話し。なのに、なんでそこにどっかの総理大臣が口を酸っぱくしてきたあの弁を入れる?「日本人を日本人が助けられなくて・・・」と。あのセリフ聞いた時には椅子からずっこけそうになりました。伝えたいことと、表すべきことっていうのを一致させるのが、なかなか難しいな~。


⑤ スター・ウォーズ フォースの覚醒

 やっぱ、フォースの力はおっきい!結構な期待感を持たせてくれて、十分待たせて、そしてその期待に応えてくれる。これぞフォースの力かな。初めて見たのは、高校2年のころだったと思います。そんな熱烈なファンでもなく、まあ普通に時の流れとともに見てきました。今回一番感じたのは、絵柄がきれいすぎ。ざらっとしたフィルター感がなかった。あれがないと、ちょっと物足りなかったけど、そこがJJ版ということかな、ストームさんたちが、つやつっやでしたもん。と、さすがに映画を作りなれてる監督さんだけあって、流れがスムーズ。ルーカスさんのは、重層的な物語を、うまくつなげられないなあ~と感じていたのですが、見やすかった。ということで、個人的には、ちょい役(?)にマックス・フォン・シドーをつかっちゃうというぜいたくさ。そのほかも、ぜいたくな配役の使い方に、さすがSWだわ~というのが、最大の感想。オリジナルが好きで、そこに対する気持ちが伝わってきました。


⑥ 杉原千畝 

 教科書にも載ってるお方ですから、それなりに知っていたつもりだったのですが、甘かった・・。反省。いやはや、きっちりと勉強しなおしました。最初っから赴任地がリトアニアだったのではなく、その前にソ連に行きたかったし、スパイ活動もしていたのだったとは。リトアニアでは、きちんとした大使館があったわけでもなく、これから作っていこうとしたパイオニア的な存在だったのですね。ユダヤ人へのビザの発給も簡単なことではなく、いろんな国との対立やら、駆け引きやら、戦争へのカウントダウンやら、とにかくいろんなことがあってのぎりぎりの決断だったと。そして、発給したからと言って、果たして目的地まで行けるかどうかも不明。そこかしこで、いろんな人が助けてくれなかったら、成し遂げられなかったということ。はい、勉強になりました。


⑦ 黒衣の刺客

 うわっちゃーーー。やっちゃいました。いや、真面目に期待してたんですよ。なんせ、ひさびさのホウ・シャオシェンっすよ。それも時代もんだと。・・・・・、始まって、2分で、これは違う、これって??と思ってしまいました。いや、これが彼の作り方だ・・・ってわかってはいるんだけど、。。。。。すいません、巨匠!詰まんなかったよ。意味不明だったよ。。。ごめんなさい。



⑧ 母と暮らせば

 「父と暮らせば」という、不朽の名作があるのに、なぜ作ったんだろう…という疑問を払しょくできるかと思っての鑑賞。結論、無理だったです。


⑨ 黄金のアデーレ 名画の帰還

 これはよかった。期待通り。ヘレン・ミレンが出てるだけで、間違いない!匂いがしてくる。オーストリアのユダヤ人。多くの財産を持つユダヤ人から、どんだけの秘宝を奪ったのか!というくらいに、ナチスはずべてのものを略奪していった。その中の一つ、クリムトの「黄金の女」。今や、オーストリアの国家の財産!!となっているのだが、もとをただせば、ある一家のものだったはず。無残に奪い取られた家族の肖像を返してもらいたい、というささやかな願いをかなえようと、奮闘する弁護士の姿がかいがいしいのであります。さて、結果は・・・・。副題がついてるのでわかりますが、溜飲が下がります。でも、まだまだ返還されていない美術品は、数えきれないくらいあると。戦争が奪い取るのは、すべてのもの。命に尊厳に家族にアイデンティティ。そして芸術と。改めて思い返しました。


⑩ クリード チャンプを継ぐ男

 ロッキーが倒したアポロ・クリード。伝説になった男の息子が、ボクサーを目指してロッキーのもとに行く。でも、これがいい、なかなかいい。描き方が粋だなあ~と思っていたら、「フルートベール駅」の監督さんだったのですね。なるほど。スタローンの演技が絶賛されておりますが、いつも通りっす。いつものスタちゃん。これでオスカー取ったら、なんかうれしいかも。


⑪ アクトレス 女たちの舞台

 ジュリエット・ビノシュが、中年に差し掛かって、女優としての葛藤を抱えながら、また新な道に向かっていこうともがく女性を演じる。演じてんのか、素なのかの、ときどきわかんなくなってきそうなリアル感。彼女の個人秘書のクリステン・スチュワートがいい。クロエちゃんも、若さぴちぴちで、おばさんに無垢な様子で対抗するのだけど、やけに生々しさが伝わってきます。ジュリエットさんの太り方が、若干気になったのですが、おばさん感を出すため?


⑫ FOUJITA フジタ

 すいません、有名な画家の大先生ですが、こちらの方について、よーしらず。戦争前と、戦中、戦後と、乗り越えていった藤田嗣治画伯の半生をつづるのでありますが、いやーーー、意味不明。高尚すぎて、私にはまったくついていけませんでした。すいませんです。見る資格ないです。場内、高らかに、いびきの音が響き渡っていました。あ、あたしだけじゃないのね、眠いのは。。。と、いびきの音に慰められました。

これが見納めって、どうよ。

ということで、以上12本。2015年も見ました、見ました、見ました。


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2 コメント

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あけましておめでとうございます (西京極 紫)
2016-01-02 20:35:35
今年も宜しくお願い致します。

12月分の鑑賞映画の一言コメントを

SW/フォースの覚醒 : さすがJ.J.。オタク監督の回答はEP4の完全なるオマージュでした。

クリード : スタローンの存在感を再認識させられた作品。
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>西京極 紫さま (sakurai)
2016-01-05 15:53:24
いろいろと言われてるみたいですが、この人は言われ慣れてるというか、たたかれ慣れてるでしょうから、その辺も織り込み済みでしょう。
万人向けに、よくできてたと思いますよ。頑張った!!ですよ。
よくぞ手を出した・・みたいな。
総合点で考えてあげたいですよね、やっぱ。
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