迷宮映画館

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人間万事塞翁が馬 その8

2022年02月02日 | 日記
 もや~~とした状態で目が覚めた。「旦那さんですよ、わかりますか?」と見慣れた顔が心配そうに私をのぞき込んでた。そこだけを確認してあとはよくわからないまま、ベッドで移動して、どっかの部屋に入る。今が昼なのか夜なのか、さっぱりわからない。とにかく痛い痛い痛い痛い。どこが痛くて何が痛いのかもわからないけど痛い。入院の時に見せられたビデオを思い出す。痰の出し方や、水を含んでうがいをする様子。下っ腹を押さえて、なんとかして痰を出す。飲んじゃいけない。水も飲んではいけないので、口に含んでべえ~っと出す。上手上手、と褒められる。何が何だかわからないまま数時間経ったのか、いや、さっぱり時間は経っていないのか、本当にわからないままどうやら翌朝になったようだ。

 「どれ、歩けますか?」「・・・嘘やろ」いや、手術翌日には歩かせられますから、、、と言われていたが、ここで本当に歩けるのか。看護師さんの手を借りて、ベッドからよいしょっと。足は全然大丈夫、傷が痛いだけ。激痛とか、そんなんじゃなくて体の芯から痛い。うにゃやあ~と思いながら、自分の病室までざっと10メートルくらい(まったく定かでない)歩く。ここでも一応褒められ、今日のノルマ達成!と。あとはひたすら痛み止めの点滴に頼って、痛い痛い痛い(一つ減った)。どうにもしようもないので、我慢するしかない。水をちょっと飲んでもいいということで、吸いさしでちょっとだけ飲む。何がなんだかよーわからん。痛いのをひたすら耐える手術1日目が終わった。寝たのかどうなのかもよくわからないまま、術後2日目に突入。朝のうちに看護師さんにカテーテルを抜かれる。嫌いなカテーテルを抜いてもらってすっきりしたのはいいけれど、トイレに立たなければならない。点滴をじゃかすか打ってるので、口からほとんど入れてないのに、おしっこに行きたくなるったら。そのたびにうにゃああああと気合を入れてベッドから立ち上がり、トイレに行く。これが一苦労。実習中の看護学生がなんやかんやと世話を焼いてくれるのだが、痛くてかまってもいられない。なぜか患者が気を使ってる。でもシャンプーをしてもらって、生き返った。

 術後2日目の昼から、粉末の清涼飲料をお湯で割ったが出てきた。ん・・・微妙な味。看護師さん曰く、これでかなり味が改善されて飲みやすくなったのよ~らしい。どうにも苦手。そんな中でもせっせと水分を取って、どんどん歩けと言われる。カテーテルがなくなったので、腹の脇からぶっ刺されてるドレーンと点滴を引き連れてとことこ歩く。あたしなんか、2匹しか連れてないのでいいほうだ。もういろんなものをぶら下げて、歩いてる方が多数。いやはや。

 術後3日目の昼から食事が復活。じわじわと食べてじわじわ回復。口から栄養が取れるようになって、点滴ともおさらばできる。そういや傷の痛みもだんだんなくなってきている。そうなると今度はのどが痛いんじゃね。挿管した後、のどが痛くなりますからと言われていたのがこれだ。そっか。うーん、わき腹にぶっ刺されてるドレーンの先っちょがチクチク痛い。内臓をこちょこちょいじられてる感じ。いろんなところに今度は目が行くようになった。余裕が出てきたあかしなのか。

 4日目にドレーンともおさらばして、やっと身軽に。あとはせっせと歩くだけ。なんだか何もぶら下げてないと申し訳ないような気分になってしまう。お風呂にも入っていいですよ、と言われたけど、なんか怖い。「傷のところは石鹸の泡でよーく洗ってくださいね」って。まじ怖いんですけど。こわごわ傷を見る。へその上からへそを避けてぐうううっと下まで。ざっと20センチくらいかな。うーん、御嫁にいけないです。

それはさておき、ご飯も硬くなりおかずもいっぱいになり、徐々に人間に戻ってきたことを実感する。あとは7日目の血液検査に合格すること。

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