迷宮映画館

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ネガティブハッピー・チェーンソー・エッヂ

2008年01月24日 | な行 日本映画
いきなり黒沢の時代劇でも始まるのだろうかの冒頭。
横文字の覚えられらない題名と、出演者の若さと、あの始まりのクロスオーバーで、つかみはばっちり。

夜な夜な、謎のチェーンソー男と戦う美少女。それを手伝うへたれな、いまどきの男の子、、、と言う設定なのだが、この男の子の生き方が、あまりにわかりすぎて・・・・気味が悪いくらい。

ズボンをさげ、(年配の方々は、なんであの状態で落ちてこないんだ!気持ち悪くないのか!お前の大事なものの場所はどこにあるんだ!とお怒りでしょうが、あれが彼らにとっては一番かっこいい姿なわけです。・・・でも、最近少なくなったなあ・・。単なるファッションですが、彼らにとっては、何より大事で、何より優先されることです。)くしゃくしゃに見えつつ実は計算された髪型、よりどころなく、ついへらへらしてしまう。

どこかさめて、<がんばる>という言葉は彼らの辞書にはない。そんな若いモンに対する憤りを、へらへらしている代表だったんじゃないの?という板尾先生が、熱く語るあたりがすげーー面白い。

そのまま、のんべんだらりんと生きてくはずだった山本君と出会ったのが、戦う美少女・エリ。彼女を助けるために命を懸けてもいいんじゃないか。オレにもそのくらいのことできるんじゃないか・・・、というより、オレにもさせてくれよ、と思った山本君。

そのきっかけになったのが、友人ノトの事故死。彼は、へらへらした仲間と一緒にたむろしながらも、なんにでも熱い。自分らにないがむしゃらさを持っていた。俺にはできない。できないけど、あいつの熱さが好きだった。そして、あいつに負けたくない。何をしてもノトに勝てないし、勝てないままあいつは死んでしまった。死んだノトに勝つためには、おれは彼女を守る・・・・。

という、なんとも破天荒なお話で、彼女のところに、夜な夜なやってくるチェーンソー男の正体もよくわからない。現実のものなのか、イマジネーションの産物なのか・・・。じゃあ、常識を打ち破ったような、無茶振りの話かというと、そうじゃない。それぞれの気持ちの表し方が、実に見事で、どれにも、ついシンパシーが沸いてしまう。

若いモンがいだく漠たる思いも、わかりたくないけど、わかっちゃう。一番大きくうなづくのは板尾先生だけど。孤独を抱える美少女・エリの無謀さも、ものすごくわかるし、山本君の友人の、半端な渡辺の可能性に満ちた気持ちも伝わる。

結局、なにがどうなった。。。と言うのではなく、人生いろいろあるさ。一所懸命生きるのが馬鹿らしいなんて思わずに、なんとなくじゃなく、頑張ってみんのもいいんじゃないかと。で、何もつかめなくても人生は、ちょっと幸せで、ちょっと後ろ向きでも、面白いよ、、と言うことかな。と、何をつかんだかよくわかりませんが、そんなもんでいいんじゃない!と言う映画でした。
市原君、いいです。

◎◎◎○

『ネガティブハッピー・チェーンソー・エッヂ』

監督 北村拓司
出演 市原隼人 関めぐみ 浅利陽介 三浦春馬


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2 コメント

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Unknown (あん)
2008-01-24 12:46:51
この映画、観ようかどうか迷っていたんですが、ここを読んで観たくなりましたよ(笑)
面白いです!レビューの文。
なんか最近、ライトノベル物の映画ばかり観ています。
私も、青いわ、ふっふっふ。
ライトノベルに出て来る男の子って、何故ああもヘタレなんでしょうかね。

あぁ、それとヒース・レジャーの訃報、驚きました!
凄く、ファンでいらしたのですね...。
>あんさま (sakurai)
2008-01-25 14:32:14
お久しぶりです。
時間があったら見ようかなと思っていたのですが、いつの間にか積極的に見に行ってました。
で、はまってましたよ。
市原君のへたれぶりと、しゃきっとしながら、影のある美少女高校生のコンビがよかったです。

どうぞ、ごらんになってみて!

ヒース君、、、、尾を引いてます。
ショックですわ。

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