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第162回 こんなもんいらない

2016-04-22 | エッセイ

先日の句会で、剣喜さんから、「この前の、パンに砒素を塗る話(「執念と緻密さと」(第160回)」、面白かったよ」とお褒めをいただきました。私なりに、コンパクトで、分かりやすく、と心がけて書いただけに、嬉しさひとしおでした。
 剣喜さん、俳句の方も絶好調。「いつもの辛口句評が出ませんねぇ」と私。「一位句と二位句、取っちゃったからさぁ、矛先鈍るよなぁ」とのお言葉に笑ってしまいました。
 
 さて、本題に入ります。

 昭和60年代の初め頃でしょうか、朝日ジャーナルあたりが火付け役で、「こんなものいらない」ブームになったことがあります。連載記事をまとめた「こんなのいらない事典」(朝日ジャーナル編集部編 新潮社)を開いてみると、なかなか面白い。

 テレホンカードのように既にいらなくなったものもありますが、やりだまに挙がっている運勢判断、ゴルフ場、訪問販売、芸能人、成人の日、社内行事など私が大いに賛同できる項目があります。一方、愛、妻と夫、女子大、お嬢様など、いかにも朝日ジャーナル風のひねった項目も。それよりなにより、「朝日ジャーナル」自身が、「いらなくなった」のは皮肉というしかありません。

 というわけで、私家版「こんなもんいらん」小事典(?)です。

<高機能テレビ>
 だいぶ前のことですが、テレビの前に人がいるかいないかを感知して、いない時には、自動で電源オフになるテレビをソニーが、大々的にPRしていた時期があります。いかにも日本的なチマチマした技術で、コマーシャルに出てるタレントがアホに見えました。

 テレビのデジタル化では、ずいぶんムダな出費を強いられました。最近は、4Kテレビがよく売れているんだとか。近々、8Kだとかも出るらしい。高精細だかの、どこがいいのかわかりません。どれもこれも、どこもかしこも、つまらん番組のオンパレードで、ブラウン管式白黒テレビで十分じゃないでしょうか。それでも見ないけど・・・・

<言い訳放送>
 駅の構内などで、やれ黄色の線まで下がれとか、今度の列車はどこ行きだとか、停車はどこだとかとにかくうるさいです。エスカレーターでも、手すりを持てとか、走るなとか、これも耳障り。関係者も好きでやってる訳じゃないのは分かります。文句言うヤツがいるんですね。やれ案内が不親切だ、やれ乗り間違えたのは放送のせいだ、などと子どもみたいに文句をつけるのが。社会正義を代表しているつもりかも知れませんが、ただの幼稚なクレーマーでしかありません。放送する方も、事故が起きた時の言い訳材料なんでしょう。ちゃんと注意は促しているんですが・・・・というやつ。自己責任ということの意味が理解できない日本人が多過ぎる気がします。

 イギリスなんかだと、「概ね」平常に運行されてれば、アナウンスなんかありません。あるのは、急に出発番線が変わったとか、大幅な遅れが出てるとかの「ほんとに大事な」時だから、かえって、注意が向きます。さすが大人の国!

<標語>
 役所が大好きなお仕事。無知蒙昧な国民、市民どもの啓蒙に日々努力している、というのを示すこれも言い訳仕事。大阪が作ったキャンペーン標語に「チカン アカン」というのがありました。いかにも関西のノリでつくったベタな標語。「そうか~、チカンはあかんのか~、ほなやめとこか~」って思うのがいる?税金の無駄遣い。


<夕刊>
 我が家は惰性で、朝夕とっていますが、夕刊?あんまり読むとこはありません。主なニュースは、ネットとかで、ざっとチェックしてますから。夕刊の記事の締め切り時間て、(版にもよりますが)午後1時ころなんですね。ということは、国内のニュースだとその日の10時ころから2~3時間の出来事、世の中の動きが中心になるわけです。新鮮みが薄れますよね。

 文化欄、家庭欄でなんとかページ埋めてますけど、新聞社としても、止め時じゃないのな?産経新聞の東京本社版は、確か、2002年から、廃止してるはず。他人(ひと)からとやかく言われるのを最も嫌うのが、新聞社という組織ですから、無理でしょうけど・・・・・

 いかがでしたか?また思いつけば書いてみようと思います。お楽しみに。

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