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第184回 カープ優勝記念! 広島弁講座

2016-09-23 | エッセイ

 若い頃、3年ほど広島で勤務しました。オフィス棟の道路一本隣が広島市民球場(当時)という立地の良さで、仕事を適当に切り上げては、よくカープの応援にいってました。あとは、お決まり、勝った負けたを肴に、流川(ながれかわ)のネオン街に繰り出す日々。こんなところです。懐かしいですね。

そんなカープが、なんと25年ぶりのリーグ優勝!お店にもカープファンがいらっしゃるとの話。こりゃ、なんか広島ネタを書かにゃぁ、というわけで、「広島弁講座」をお届けします。
 大阪弁、英語弁と来て、「今度は、広島弁かっ」とツッコミが入りそうですが、シリーズ化するほどのネタはありませんので、単発企画の予定です。
 それでは、さっそく。

<~じゃけ>
 広島弁といえば、まずこれ、というくらいの代表的な言葉。「~だから」「~なので」、時に「~だけど」といった感じで、文頭でも、文末でも、ひょいと使うことができる幅の広さも特徴。「じゃけぇ」「~け」「~じゃけん」「~けん」などの変化形がある。
 「「じゃけ」、悪いこと言わんから、言う通りにしたら・・・」
 「アイツいうたら、なんせ、口うるさいヤツ「じゃけぇ」気ぃつけたほうがええよ」
 こんな感じですかなぁ。

<~さい>
 ~してはどうですか、と誘ったり、勧めたりする表現。「する」は「しんさい」、「見る」は「見んさい」、「来る」なら「来(き)んさい」などとなる。
 「広島て、ホンマ、ええとこじゃけ、いっぺん「来てみんさい」」

<かばち>
 広島に赴任したての時、先輩と資料の打ち合わせで、いきなりこんなことを言われた。
 「だから、最初に「かばち」をしっかり書いて、あとは、適当でいいから、、、」
 「先輩、「かばち」て何ですか?」
 「そんなのも知らんのか。文句とか、能書き、とかいうことだ」
 確かその先輩は、九州出身のはず。後輩にコテコテの広島弁を一発カマして、いかにも広島の水に馴染んでる、ということを私にアピールしたかったのかも知れない。
 で、文句を言うのを、「「かばち」を垂れる」と表現する。「仁義なき戦い 広島代理戦争」でも散々使われてたような・・・・・・・
 「いつまでも「かばちを垂れ」とらんと、さっさとやれや」

<はぶてる>
 仲間はずれにされたり、無視されて、ふてくされる、いじけるのをこう表現する。いかにも「ふてくされた」語感があって、個人的に好きな言葉。今でも、ついつい、使いたくなる。
 「あいつて、すぐ「はぶてる」から、とりあえず、声だけ掛けとこか」

<大儀(たいぎ)い>
 時代劇で、殿様などが、労をねぎらう時などに使う「大儀であった」を形容詞にしたものと想像される。面倒くさい、カラダがシンドイのような意味で使う。大阪弁と同様、古語で堅苦しい言葉が現役で使われている例のひとつになる。
 「きのうは、飲み過ぎてもて、「大儀い」て、いかんわ(どうしようもない)」

<ぶち>
 「とても」「非常に」など、程度が大きいことを表す言い回しはいろいろありますが、広島だとこれ。標準語でも「ぶち壊す」などと使いますが、広島だと、「ぶち疲れた」「ぶちヤバい」などとなります。
 「わし(広島のオトコは、この自称をよく使う)なあ、あんたのこと、「ぶち」好きじゃけ、結婚してくれんかいの~(語尾の「の~」も広島弁の特徴)」

<ブリキのパンツ>
 もちろん広島弁ではない。だけど、当時の同僚がよく使っていた。融通が利かない、アタマが堅くて、「ブリキのパンツ」を穿いてるんじゃないかと思うほど、、、、というわけで、標準語として充分通じるので、私も、こんなヤツに出くわしたときは、遠慮なく使わせて貰っている。

 いかがでしたか?次回をお楽しみに。

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