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第416回 謎だらけの天体ー月<旧サイトから>

2021-04-09 | エッセイ

 <旧サイトから>の第4弾になります。「月をめぐる謎」のタイトルで、2014年7月にアップしたものを改題し、一部に手を入れました。身近な天体である「月」の成り立ちや、地球との関係などが、実は、な~んも分かってない、謎だらけだ、という話題です。コンパクトにまとめたつもりですので、是非最後までお楽しみください。

★ ★以下、本文です★ ★

 月はもっとも身近な天体です。1969年から1972年にかけてのアポロ計画では、12人の宇宙飛行士が、月面に降り立ち、延べ300時間以上にわたって月面を調査し、合計約370キロもの岩石などの試料を地球に持ち帰っています。初めて月面に降り立ったアポロ11号のアームストロング船長です。

 これだけ探査が進んだのだから、月の謎はだいぶ解明されたのかなと思いきや、謎は深まるばかりで、科学者、専門家もお手上げだというのです。ある本によれば、アポロ計画の結果、新たに11の謎が生まれたと書いてあります。その中から、月の起源、成り立ちに焦点を当てて紹介することにします。

 月の起源をめぐる従来の学説は、主に3つ。ひとつは、地球誕生と同じ頃に、宇宙のガスとチリから生成された、とするもの。もうひとつは、月は、地球から飛び出して行ったいわば「子供」であって、太平洋がその跡だというもので、いずれも、まぁ、穏当なものです。

 ところがこの2つの説は、あえなく否定されてしまいます。アポロが持ち帰った岩石の99%が、地球の最も古いとされる岩石の90%より古いことが分かったのです。
 地球上で発見された一番古い岩石は36億年前のもので、そこから地球の年令は、46億年と推定されています。ところが、月の石の中には、43億年、46億年などというのはざらにあって、なんと53億年と推定されるものが見つかっているのです。しかも、これらの岩石は、月のごく表面のいわば「若い」層から採集されたもので、本当の年令は更に古いはずですが、結論は出ていません。

 また、地球と月の組成がかなり違うということも、この二つの学説を否定する根拠です。地球から見て黒く見える部分には、チタン、ジルコニウム、ベリリウムなど地球では希少な金属類が大量に含まれていることが分かりました。これらの金属が、岩に溶け込むためには、2500度(摂氏)という高温が必要で、これには学者も説明に窮しています。

 さて、残るひとつの学説は、月という天体が、どういうわけか、たまたま地球の引力圏に引き込まれて、現在の軌道を回るようになった、というもの。地球と関係がない天体だとすれば、どこからか飛んできたとでも考えるしかないわけですが・・・・

 しかし、近くまで来ることはあったとしても、地球の引力が勝れば、地球と衝突します。月のスピードが勝れば、飛んでいってしまいます。お互いに付かず離れず絶妙の距離を保ち、常に同じ面を向け、しかも地球と一緒に太陽のまわりを公転する・・・どんなコースで接近したらこんなことが可能になるのでしょう?奇跡としか言いようがありません。仮に月がロケットだとしたら、微妙な加速と減速を繰り返しでもしない限り不可能です。

 前の二つの学説が否定されて、脚光を浴びかけたのですが、相変わらずトンデモ系の学説どまり、というのが現状です。

 締めくくりとして、NASAの科学者ロビン・ブレット博士のやけくそ気味な発言を紹介します。
「月が存在していることの証明より、存在していないことの証明の方が、私にはずっと簡単に思える」

 いかがでしたか?それでは次回をお楽しみに。


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