新聞が、「おわび」とか「訂正」とかを、こまめに出すようになったのは、ここ10数年くらいからでしょうか。毎日のように載っています。ミスを素直に認めるのはいいんだけど、あまりにお粗末、ちゃんと取材したんかい、と言いたくなるのも多い。「読者がうるさいから」とか「謝ってんだからいいだろう」みたいな陰の声が聞こえてくる気がするのは、尊大に振る舞ってきた不徳の致すところかも。
さて、「訂正人語 おわびスペシャル」(テイ・アイ・エス刊)という本があります。副題に、「大新聞社、大出版社が天下にさらした恥の数々満載!!」とあって。編著者は、あの「噂の眞相編集部」。こちらの本です。
うまい企画を考えたもので、1989年1月から1998年10月までの新聞・雑誌の「おわび」「訂正」記事を集めて、編集部独自の辛口コメント、というか、ツッコミを付けたもの。いささか話題が古いのはやむを得ませんが、滅法面白い。
編集部のコメント(▼)に、私なりのコメント(カッコ内)を交えて、ご紹介します(掲載時期は、省略しました)。
<お詫び>週刊文春
小誌12月18日号の「人気ロック歌手相川七瀬にランパブ嬢の過去の噂」の記事中、事実と異なる部分があり、関係者に御迷惑をおかけ致しました。 編集部
▼そもそも彼女の源氏名がミサトではなかったのか、彼女の勤めていたのが吉祥寺のランパブ「Y」でなかったのか、彼女がロック歌手ではなかったのか。ファンとしてははっきりしてほしい。
(どこが「事実と異なる」のかが、抜きのお詫びじゃあねぇ。絶妙のコメント)
<訂正します>アエラ
44号34ページ「中国共産党の歩み」の年表で、「B小平氏」「B氏」とあるのは、「鄧小平氏」「鄧氏」の誤りでした。
▼なんで「B」なんだよ(笑)。
(おいおい、大丈夫?)
<見出しなし>週刊宝石
本誌10月10日号「二子山親方夫人がフェラガモに怒鳴り込み」の記事に対し、花田憲子さんより抗議がありました。花田さんに不快の念を与えたことについて、遺憾に思います。
▼怒鳴り込んだのではなく、あくまでも物言いだったとクレームをつけたのだろうか。
(「遺憾に思います」って、政治家や役人じゃあるまいし・・・)
<お断り>アサヒ芸能
本誌96年12月12日号「宮崎緑尻なでセクハラ事件の一部始終」の中で一部事実と異なる表現がありました。宮崎氏にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。(編集部)
▼事実がどう違っていたのか知りたいものだが・・・(アサ芸も負けてまへんな)
<見出しなし>毎日新聞
先週の本欄で、入江たか子の表記が誤っていました。おわびします。 (川崎 浩)
▼どうしたら、入江たか子の表記を間違えることができるのかと思ったら、「入江かた子」となっていた。
(はい、はい)
<おわび>信濃毎日
7月11日付北信版「談話室」に掲載した「ロックグループ横浜銀蝿のタミヤヨシユキさん」は、タミヤさんをかたる別人でした。おわびして記事を取り消します。
▼被害総額500万円の詐欺師と気付かず、確認作業もないままインタビュー掲載。「半端はだめ」という見出しがひたすら哀れを誘う。(今となっては懐かしいロックグループだが・・・)
いかがでしたか?まだネタがありますので、いずれ、続編をお送りします。お楽しみに。