昨日の続き、「還るべき場所」。
K2の頂上直下の岩壁でザイル切断。山岳小説にありがちなワンパターンなシーンからスタートするこの小説。でも、読み進むとどんどんおもしろくなって、夜更かして読み切ってしまいました。
世界第二の高峰K2(8611m)の先鋭的な登攀とその隣にあるブロードピーク(8047m)における公募登山がこの小説の舞台。公募登山が題材になっているのが今風でおもしろいのです。さらに、公募隊のフィックスロープにただ乗りで、しかも、酸素ボンベまで盗んでインチキなアルパインスタイル登攀をしようとする3人パーティが出てくるのも、今だったらありそうな話。他の山岳小説は先鋭的な登山が中心で私たちとは別世界を描くものが多かったのですが、この小説はヒマラヤ・カラコルム登山でありながら、この舞台設定で身近に感じられます。
公募登山で天候が急変し、先行する別の公募隊の遭難に巻き込まれていく、そこから、全員で救出を試みる。そんな中でK2でのザイル切断の原因が見えてくる、、、、
これ以上紹介すると怒られてしまいそうなので、是非、読んで見てください。山岳小説お勧めの一冊です。