「私」というものはいったい何?
それを長い長い時間考え続けてきた哲学は
未だにその答えを手に出来ない
手に出来ぬまま宇宙の歴史は塗り重ねられてゆく
手に出来る出来ないがもはや問題なのではない
手にしたいかしたくないか、なのだ
僕は手にしたい
この手に掴みたい
だから答えの出ない迷路をずっと旅している
答えを探していながら、答えが見付かることにもはや期待はない
ただ、この道を歩いていると
嘘がよく見えるようになる
この世界に産み落とされる論理のほとんどが
暴力性をもって圧迫を与えてしまうこと
僕がこうして
今ここに書いていることさえ
嘘であり暴力であることを...