Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

アヒンサー

2017-05-26 | ギターの栄養


手塚治虫のブッダという長編漫画の中に
アヒンサーという名の通り魔が登場する

少し記憶が定かでない部分があるのだが…

アヒンサーは夜な夜な無差別に人を襲い
小指を切り取る

ストーリー中で
彼が幼児期に虐待を受けてそうなっていったことにも
触れていたと思う

アヒンサーは綺麗事を言う人間に対し
一番に憎悪を抱く

悟りを説くブッダに対し激しい憎悪を剥き出しにし
ブッダの小指を切り取ろうとする場面になる

そこでの両者の問答で
ブッダが無駄な殺生を止めるように諭すが
アヒンサーがこう答える

「偉そうなこと言うな
てめぇだって知らないうちに
足の裏で蟻を踏みつぶしてるんじゃねえのかよ?」


ブッダがこう答える
「確かに...そこには気付かなかった
お前の言う通りだね
これからは歩く時にも蟻を踏まぬよう注意しよう
そしてこのことを忘れぬために
この教訓をアヒンサーと名付けることにしよう」


ブッダの聖人然とした答えを聞いたアヒンサーは
更に火がついたように猛り狂い
その後しばらくストーリーは白熱するのだが
それは置いておくとして


このアヒンサーという訓戒が
ずっと心に引っかかっている

これを守るのは難しい


虫と話すと感動するとか言いながら
僕は蚊をパチンと潰す



パクチーの葉が枯れ始めたり
白っぽい斑点が出ているものがあるので指で摘み取った



想像はしていたが
摘み取った葉の裏にはこういう虫が居る



心の中に「アヒンサーを守りなさい」
という声を聞きながら僕は
「植物に優しい」という殺虫剤をかける

植物に優しい
とか
栽培野菜にかけても人が食すのに害がない
とか
全く人間の身勝手な目線だ
ナンセンスだと思いながら結局殺生する


丸い虫に対しては
「悪いね」と心の中で声はかけるが…
それで
「お前は優しい人間だね」などと
ブッダから褒められるとは到底思えない


例えば
毎日成長を楽しみにしているこのパクチーを
自分が食すことは諦め
この丸い虫に好きなようにエキスを吸わせることにすると
パクチーの斑点病は全体に広がり多分枯れる

虫は生き
パクチーは死ぬ


このような目に見えている範囲で
自分の煩悩を最大限に制御し
自然の摂理を守ったつもりになったとしても
血液の中では白血球がウイルスを殺している

目に見えようが見えまいが
この世界では結局のところ
生存と淘汰がごちゃ混ぜに営まれている


そういうものがこの世界なのだと受け止めるしかない


受け止めた上で
自分は何を心がけるか
考えながら生きるしかない


この世界は矛盾に満ちている

ふと立ち止まった先に入り口が在る

唯物論的視点からの脱却の入り口がやっと開くのだ


そして目に見えない世界が観え始める




そのためにこの矛盾がある


虫を殺すか殺さないか
一回で良いから本気で悩んでみると良い


そこから次元の扉が開いて

そして確実に死生観が変わる


死への恐れはどんどん無くなって行く




アヒンサーが守れなくて僕は悩み込むが
悩み込むほどに死への恐怖がどんどん薄れて行くのだ






。。。






サプライズ発芽した朝顔
レモンバームと同じ鉢だと
地中で打ち消し合ってしまうかもしれないからね
こっちに植え替えるよ


違う価値観だったら
打ち消し合うより距離を取った方が良いでしょ?
不干渉の法則
平和への道







キミもよく生き延びたな
この新緑の芽を見てると
アヒンサーを守れない僕でも嬉しい気持ちになるよ
















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