Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

ミュージカルのリハ

2009-09-02 | ギターの栄養

(乱文メモ)


二十歳の頃って、別に人間を見ていても面白いと感じなかったのだけど
それはその頃、自分が屈折して何かを見失ってたのだろうか..

今、見ていて一番面白いものは、人間と思う





ミュージカルのリハを4回終え
後半2回は、役者さん達との合同リハだったのだが
今の僕にとって合同リハはとても面白いものだった



僕は普段から、どんな楽器編成でも
それらが一体化して「一つの大きな言霊」のようなものになるよう努力するのが、
ミュージシャンとしての自分のやるべきことだと思っているので
今回一緒にステージに上がるアクターさんとの「間」や「体温」や
ダンスとの「グルーブ」がかみ合って行けるか
気付けば、そういうことに自分のアンテナが働いている

それは、自らのエゴを捨てて他者と同化する
という現象を生み出してくれる

そして、こういう行為の究極のご褒美とは
自分以外の人がステキなことをした場合
自分の事のように嬉しく感じられる、ってこと

この喜びがあるから多分ミュージシャンは
演奏に伴う自分の身体の痛みなんかを越えて演奏し続けたいと思えるのだ



音楽とアクト、舞踏という3種類のアートが、ちゃんと合体したら、
それは、それぞれが単品で生み出す面白さの3倍以上になりそうだと思った

少し体に入って来た曲は、譜面から目を外し
演奏しながらアクターさん達の様子を見る


ウエストサイド物語のように両手を広げて片足を横に伸ばし上げたかと思ったら
スーッと数メートル移動する
ダンサーさんがステージを広く使った踊りをすると今まで体験したことない感覚を持つ

僕の目線から言うと、バンド4人で描ける空間にアクターのアクトスペースが加わって
描いてゆく絵が広く立体的になる

僕らは大抵 演奏位置から動かないし
動いたとしても間奏ソロで前に出るくらい
楽器も背負ってるから飛んだり回ったりまではなかなかできない

だから自分の表現が広がる感じがする

手足が長く伸びた感じがする



役者さんの台詞からも同じような感じを受ける

作られた言葉 (セリフ)でも
自信たっぷりに言霊を発せられると 揺さぶられてしまう

ちょっとしたミスもアドリブでフォローすると返って面白くなる

楽器の演奏には言葉は用いないから
切なくなることはあっても、ゲラゲラ笑うことって、なかなか無い

歌い手さんも言葉を操るポジションだから
羨ましく思うこともあるが
まだ、歌詞に縛られている分、役者さんのアドリブ寸劇より偶発性は少ない

だから、自分のプレイが饒舌になって、面白いことを言って
まわりを笑わせているような感覚になる
(結構こうなるとミュージシャンて御目出度い生き物だと思う)



あと、僕にとってアコギを弾くことは
タッチもグルーブも感情移入も全て「斜め」から振り下ろす

そういう表現を知らずのうちにしているのだが
エレキだからかロックミュージカルだからかわからないけれど
「垂直」に振り下ろす表現なのだ


それを一日中、リハでやって帰宅すると
水泳で1キロくらい泳いだような心地良い疲労感でバタンと眠ってしまう

僕 特有の、屈折したような深い細かいアンテナが全く働かない


ロックってこんなに健康的な音楽だったのだろうか..

いやいや、、今の自分に取ってはそう感じる、というだけだよな

でも僕が普段やってる僕のアコギの世界は、だいぶ観念的だったのかな...

それとも自分に取って初めてのミュージカルだから、今は面白く感じるのか

メンツが良いから面白いのか
そういう歳になってきたのか

どれなのかさっぱりわからないのだが
久しぶりに、普段と180度違う感触を持って演奏している



明後日から本番の劇場でのリハになるが
それも楽しみ






坂東益男さんとベースのドイトさんこと山ちゃん


新宿村スタジオっていう40以上のリハ部屋数がある巨大稽古場でのリハでした


打ち合わせ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする