さいかち亭雑記

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観点別評価はやめられないのか

2019年08月04日 | 大学入試改革
「観点別評価」をやめられないか
☆ 以下は知人からのメールをもとに当方が書き直しました。

 やめてくれ、と言っているのに強制される。観点別評価というのは、ABCの並びで三段階の評価である。これをエクセルの標準偏差の関数を用いたブログラムによって十段階に変換していくようになっている成績つけのためのシートが作られた。例えばAAAAAなら10、AAAABなら9、AAABBなら8、AABBBなら7、ABBBBなら6というように。

 そもそも三段階で基準が作られている数値を、十段階に読み換える時点で無理がある。ちょっと数学をやったことのある人なら、いろいろなケースが頭に思い浮かんで「発狂しそう」になるのではないだろうか。観点別評価が導入された段階で、すぐに五段階評価に変えた現場もある。しかし、伝統的に十段階でやってきた学校は、急に五段階には変えられない。

このソフトを作った人は、「ABCの切れ目は、数値を入れて調整できる。また、観点ごとに重みづけもできるようになっているから、数字さえきちんと入れれば成績は自動的につくはずだ。」と言うのだが、そう簡単にいくものではない。例えばCAAABでは、どうなるのか。AACBBならどうなるのか。

観点ごとに三段階のABCの切れ目があって、その数値の境目が設定されていて、その観点ごとの重みづけの割合の数値がからむから、出て来た評価はこちらのイメージと異なっている。つまり、提出物や小テストの点がよくないのに、けっこういい成績がついてしまったり、逆に努力して提出物を出しているのに、定期テストの点数が観点の境目で下にあるために低い評価がついてしまったりする生徒が出てしまう。

これまでは単純に定期テストや提出物や小テストの総合点を輪切りにすればつけることができた評価が、このシートを使うと倍以上の時間をとられる。おまけにどうしても信用できないから、従来のやり方で一度評価を出しておいて、それを見ながら観点別のシートを修正するしかなくなった。ある人は、四度近く数字をソートし直して、やっと自分のイメージに近付いたと言っていた。これではまったく評価のための評価である。

当局の石頭には閉口させられるが、これを上意下達で現場に押し付けられてもはね返せない管理職が多い。指示だと言って文書がおりて来れば、やるしかないと思い込んでいる。その上に文科省がいて、新テストがらみの無茶な「改革」を強行しようとして現場を引っ掻き回しているのである。


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