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[MAG2 NEWS ]津波の高さの想定を下げろ」原発事故を招いた東電副社長の一言

2018-10-26 | Weblog

記事 MAG2 NEWS   2018年10月26日

「津波の高さの想定を下げろ」原発事故を招いた東電副社長の一言

 
                             
 

2011年3月に発生した福島第一原発事故。あれから7年以上の月日が経っていますが、未だ故郷の土を踏めずにいる人々が多数います。その責任はどこの誰が負うべきなのでしょうか。元全国紙社会部記者の新 恭さんは自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で、事故を巡り東京電力の旧経営陣が訴えられた裁判の内容を詳細に分析し、責任の所在を判断する基準を提示しています。

大津波「長期評価」を歪めた内閣府、対策を怠った東電

福島第一原発事故をめぐる経営者の刑事責任を問う東電裁判で、10月16日の第30回公判から旧経営陣に対する被告人質問がはじまった。

原発の安全対策を担当していたのが、最初に登場した武藤栄元副社長だ。

「想定外だった」と主張し続けてきた東電だが、この裁判のなかで、政府の専門部会による「長期評価」にもとづき、最大15.7メートルの津波が福島の原発を襲う可能性があると、事故の3年前に東電内部で試算されていたことが判明している。

なのに、対策が講じられることはなく、武藤元副社長は「土木学会に検討を依頼せよ」と部下に指示していた。いわば「検討という名の先送りだ。

検察官役の指定弁護士にこの点を問われた武藤氏は「長期評価の信頼性は専門家でも意見がばらつき、報告した担当者から信頼性がないと説明を受けた」と語った。つまり「長期評価を重視しなかったことを明らかにしたわけである。

最大15.7メートルの津波を想定して沖合に防潮堤を建設する場合、数百億円規模の工事費がかかり、工期も4年と見込まれた。

絶対安全ということはありえないが、こういう試算が出た以上、最大限の対策を立てるのが、原子力をあずかる会社の責務であろう。経営陣のソロバン勘定で安全対策がないがしろにされたと疑われても仕方がない。

武藤氏に津波の計算結果を報告した社員の1人は会社の対応について「津波対策を進めていくと思っていたので予想外で力が抜けた」と法廷で証言した。

「長期評価」を重視する社員もいたのに、経営陣はあえて軽んじた。なぜ、その差が生まれるのか。見過ごせないのは、「長期評価に対する政府の姿勢だ。

「長期評価」の信頼度を低める画策が「原発ムラと内閣府の間で進められた形跡がある。

今年5月9日の第11回公判。「長期評価」をまとめた政府の地震調査研究推進本部・長期評価部会の部会長、島崎邦彦氏(東京大学地震研究所教授)が証言した内容は衝撃的だった。

島崎氏の部会は原発事故の9年前(2002年)、「三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域のどこでも、マグニチュード8.2前後の地震が発生する可能性があり、その確率が今後30年以内に20%程度」という「長期評価」を公表していた。

地震調査研究推進本部は阪神・淡路大震災後に設置された。文科省の管轄下にある機関だが、総理大臣を本部長とし全閣僚、指定公共機関の代表者、学識経験者で構成される内閣府・中央防災会議の意見を聞かなければならない。つまり内閣府にコントロールされやすい。

島崎氏は部会長として、研究者たちのさまざまな考え方を取りまとめた経緯を法廷で詳細に述べた。地震波解析、GPS、古文書、地質、地形…異なる分野から出された意見をもとに「最も起きやすそうな地震を評価してきた」という。

しかし、この「長期評価」の公表予定日だった2002年7月31日の5日ほど前、意外なことが起きた。

事務局の前田憲二氏(文科省地震調査研究課管理官)から、島崎氏にメールが届き、そこに、内閣府の地震・火山対策担当齋藤誠参事官補佐の文書が添付されていた。

そして、その内容は「非常に問題が大きく…今回の発表は見送りたいが、それがだめなら最低限、表紙の文章を添付ファイルのように修正してほしい」という趣旨だったというのだ。

「科学的ではない」と、内閣府の判断を訝った島崎氏は「修正文をつけるくらいなら出さないほうがいい」と反対し、言い合いになったが、結局は押し切られた。政府の有識者会議が政官に癒着した勢力の影響を避けられない構図がここにも見てとれる。

この結果、「長期評価の信頼度について」という文面が表紙に付け足されてしまった。以下は、その内容の一部だ。

今回の評価は、現在までに得られている最新の知見を用いて最善と思われる手法により行ったものではありますが、データとして用いる過去地震に関する資料が十分にないこと等による限界があることから、評価結果である地震発生確率や予想される次の地震の規模の数値には誤差を含んでおり、防災対策の検討など評価結果の利用にあたってはこの点に十分留意する必要があります。

はじめからこのような「断り書き」があったのでは、「長期評価」をなめてかかることを政府が認めているのに等しい。

中央防災会議がその2年後にまとめた防災計画でも、「長期評価は軽視され、「過去400年間起きていないから」と対策から除外されてしまったのだ。400年間起きていないからこそ、起きる可能性が高いと考えるのが普通ではないだろうか。

「長期評価」に従えば、三陸沖から房総沖にかけての原子力施設はこれまでの想定をはるかに超える防災対策をとらねばならなくなる。島崎氏は「これが中央防災会議で決まったら困る人がいる。原子力に配慮したのではないか」と述べた。

内閣府の横やりで歪められはしたものの、「長期評価」の影響が大きかったのもまた事実である。東京電力の内部で、対策の必要性を訴える動きが出ていたのは先述した通りだ。

今年4月10日の第5回公判。東京電力で津波対策を担当していた社員は「権威のある組織の評価結果であり、想定の見直しに取り入れるべきだと思った」と証言した。

その社員は、2008年3月、東京電力のグループ会社「東電設計」から、「長期評価」をもとに計算した結果について報告を受けた。福島第一原発の敷地に最大15.7メートルに達する津波が押し寄せる可能性があるという内容だった。従来の想定を大幅に上回る数値だ。

社員は同年6月、武藤元副社長に「津波の高さの想定を引き上げ、その対策をとることが必要になる」と報告した。武藤元副社長は同意したかに見えたが、その翌月、武藤氏から社員に告げられた回答は「土木学会に検討を依頼する」というものだった。

実は、「最大15.7メートル」という試算をこの社員が知る前の同年2月、東電社内で、「御前会議」と呼ばれる重要な経営トップの会合があったことが今年9月5日の第24回公判で明らかにされた。

東電で津波対策を担当するセンター長だった元幹部の供述調書が証拠として採用され、検察官役の指定弁護士が次のように読み上げた。

2008年2月、勝俣元会長や武藤元副社長らが出席する『御前会議』で、津波の想定の引き上げで新たな対策が必要になることを報告し、異論なく了承された。

この供述が正しければ、東電トップは新たな津波対策の必要性を2008年2月時点で認識していたということになる。

これについて、武藤元副社長は「津波の説明は受けていない。(御前会議は)あくまでも役員の情報共有の場で、決める場ではない」と答え、元幹部の供述と食い違いをみせた。

「15.7メートル」の数字が出たあと、元幹部は武藤副社長から「なんとか津波の想定の高さを下げられないか」と「指示」されたという。

供述調書のなかで元幹部は会社の判断の背景を次のように語っている。

対策工事には4年以上かかり、国や地元から福島第一原発の運転を停止するよう求められる可能性があった。数百億円かかる工事は容易ではなかった。当時は新潟県中越沖地震の影響で柏崎刈羽原発も停止し、会社の収支が悪化していた。武藤副社長の指示には私を含め反対する幹部はいなかった。

福島第一原発事故を防げなかった過失を問うこの訴訟。勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の旧経営陣3人が検察審査会の議決によって業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴されたが、3人とも「事故の予見や回避は不可能だったと無罪を主張している。10月19日の第32回公判では武黒一郎元副社長が「長期評価をもとに対策を決められる状況になかった」などと答えた。

いつ来るかわからない災害。自分たちの任期中はたぶん大丈夫。御前会議をそんな空気が包んでいなかっただろうか。「長期評価」と真正面から向き合い、万全の対策を打っておけば…という後悔の念さえ東電経営陣にはないのかもしれない。

東電によると、福島第一原発を襲った津波は14~15メートルだったという。「長期評価」をもとに試算した「15.7メートルとほぼ一致する。

福島第一原発は「5.7メートルの津波を想定して設計されており、「長期評価」を真摯に受け止めれば、危機感を抱くのがふつうである。

責任は東電だけでなく、科学的分析を政治色でぼかした政府にもある。

福島原発の事故後、国会の事故調査委員会は、原発に関する情報や専門性で優位に立つ東電に政府の規制当局が取り込まれ「監視・監督機能が崩壊していた」と指摘した。

電力会社の「虜」になった政府機関が、東電の都合に合わせて「長期評価」の価値を貶め、対策を講じないことを黙認したといえるのではないだろうか。

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日経平均2万円割れあるか ・豊島逸夫

2018-10-25 | 報道・ニュース

日経平均2万円割れあるか 2018/10/25 情報元日本経済新聞

 24日夜、BSテレ東の「日経プラス10」に生出演したのだが、番組の最後に、最悪シナリオを聞かれたので、「日経平均2万円割れ」と答えた。さらに「私はそうなるとは思わないが」と付け足した。

その後、24日のニューヨーク(NY)市場の株価は大幅に急落した。筆者は依然そうなるとは思わないが、日経平均2万円割れが視野に入ってくる展開となっている。

24日の番組出演は「サウジ異変」がテーマで、前半は本欄に連日書いてきたことを要約して語った。そして、後半に「今後の相場動向」のテーマに移行。筆者がNYでヘッジファンドに日本株レクチャーを依頼され、議論したときの要点を語った。以下に紹介する。

「日本株を売買する、いわゆる外国人投資家には、ウォール街を離れ、ビルの一角で大型コンピューターを駆使して、高速売買に従事する独立系の短期投機筋が多い。ひたすら人工知能(AI)とチャートを武器に、売買攻勢を仕掛けてくる」

「彼らの注目はミスター・アベよりミスター・クロダだ。特に日銀の出口戦略の行方について興味を示す。日本では2020年などいまだ先のこととされるが、彼らはFRB(米連邦準備理事会)、ECB(欧州中央銀行)の次はBOJ(日銀)として切迫感を持ち、日銀の出口戦略をフォローしている」

「特に、25兆円程度に膨らんだ日銀の上場投資信託(ETF)購入残高をどう処理するのか、と聞かれる。この日銀買いにより日経平均は4000円ほどかさ上げされているのではないか、との意見もあった。そのかさ上げ部分が剥落したら、日本株を本格的に買う意欲を見せていた。筆者は、日経平均は2万3000円台が居心地がよい水準と思うが、短期的には外国人の投機的売買により、大きく乱高下しよう」

このような市場環境で、NYダウ工業株30種平均は連日乱高下を繰り返しており、24日は引けにかけて下げ足を速め、前日比608ドルもの急落を演じた。特にきっかけとなった大きな要因は見当たらない。AI発の売りが売りを呼ぶ連鎖現象といえよう。

日本株も中期的に悲観論が増えそうだが、ここは、短期投機筋にとって草刈り場となる。先物で売られたものは必ず買い戻される宿命にある。個人投資家にとっては、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の企業業績をじっくり見定める段階であろう。

株価急落の背景には、通商摩擦、新興国の経済不安による世界景気の曲がり角の可能性がちらつく。ミクロ、マクロの複眼構造で市場を見ることが欠かせない。

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日経平均は2万2000円を維持できるかどうか・・・

2018-10-23 | 報道・ニュース

情報元・日本経済聞  株一時500円安 背景と今後の見通しを市場関係者に聞く18/10/23

 23日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅安となり、下げ幅は一時500円を超えた。主要企業の決算発表を控えて買いが手控えられるなか、中国の上海株式相場が反落して始まると株価指数先物への売りが増えた。足元の下落の背景や今後の見通しを市場関係者に聞いた。

■変動率の高まりを嫌気 決算控え様子見強く

市川雅浩・三井住友アセットマネジメント・シニアストラテジスト

 日本株がここまで売られる理由は見当たらない。強いて言えば、オプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)が上昇しており、相場変動率の高まりを嫌った先物売りが出ているのではないか。変動率の高い地合いでは現物株に手を出しにくい。さらに、きょうの取引終了後から日電産(6594)をはじめ国内主要企業の決算発表が本格化するため、投資家の間では決算内容を確認してから買いたいという様子見姿勢が強くなっている。決算発表では、会社側から業績上方修正や中国事業に関する強気な見方などが出ない限り、積極的な買いは限られるだろう。日経平均は2万2000円を維持できるかどうかが焦点だ。

米中貿易摩擦や米中間選挙の行方、イタリアの財政懸念、サウジアラビア問題など不安要素はあるが、年末にはいずれもある程度着地点がみえてくるだろう。日経平均は年末に2万4000円程度に戻すと見込んでいる。

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速報・福一事故(東電強制起訴)

2018-10-17 | 報道・ニュース

【福島原発告訴団」

福島原発告訴団は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により被害を受けた住民で構成し、原発事故を起こし被害を拡大させた責任者たちの刑事裁判を求めて2012年、福島地方検察庁へ告訴を行いました。検察庁が全員を不起訴とするも、市民からなる検察審査会は強制起訴を決定しました。2017年6月30日に初公判が開かれ、刑事裁判がスタートしました。

 

「基本的な報道内容」

福島第一原発の事故を巡り、検察審査会から起訴議決を受けた東電の勝俣元会長武藤元副社長武黒元副社長の3人について、検察官役の指定弁護士は29日、業務上過失致死傷の罪で東京地裁に強制起訴した。

起訴した検察官役は、石田省三郎氏、神山啓史氏ら弁護士5人。起訴状によれば、3人は原発の敷地の高さである10メートルを超える津波が襲い、建屋が浸水して電源喪失が起き、爆発事故などが発生する可能性を予測できたのに対策を取る義務を怠った。その結果、東日本大震災で10メートルを越える津波で原発が浸水、水素爆発などが発生。がれきなどで作業員13人を負傷させ、周辺の病院から避難しようとした入院患者ら44人を死亡させたとされる。

 

検察審査会の議決書によると、東電は2008年に15.7メートルの津波を試算し、高さ10メートルの防潮堤建設も検討。しかし、その後に方針が変更され、対策は先送りされていた。方針変更は武藤元副社長の指示で、試算などは被告3人に報告されたという。勝俣元会長は報告を受けたことを否定しているという。

 

「大地震を予測できたか否か」

「震災前、日本周辺ではマグニチュード9級の大地震は起こらないとの考え方が地震学者の間で一般的だったが、沿岸部の堆積物の調査などで、貞観津波などの大津波が繰り返されていたことが明らかになってきていた」と微妙な書き方をしている。だが、その前後には、地震調査研究推進本部が大地震の可能性を指摘し、さらに、それをもとにして東電が試算して、実際に起きた15.5メートルの津波と同規模の想定を為しえた事実を指摘。対策には数百億円規模の費用と4年の時間が必要との試算を得ていたが、当時、原子力・立地副本部長だった武藤副社長が、津波の評価手法は確立していないとし、「直ちに設計に反映させるレベルではない」と判断を下している。さらに、土木学会の専門家らに検討を委ね、その検討状況は武黒氏に、さらに勝俣氏へは社内会議の場で複数回、説明がなされたとされている。

立証は困難だが指定弁護士は腕自慢

個人の刑事責任を問う困難

 

「最後に期待される新証拠」

非公開の東電資料が新証拠として提出されることが期待されるということになる。「期待される新証拠」として《東京》が挙げるのは、「地震対応打ち合わせ」の際に被告3人に配布された資料と、津波が最大15.7メートルになるとの試算を元副社長に報告した際の説明資料などだ。

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「放置預金に注意」 国は10年で召し上げ 19年1月から

2018-10-12 | 報道・ニュース

情報元 日本経済新聞

放置預金に注意、10年で国が召し上げ 19年1月から 総額6000億円

 国は来年1月から、10年以上放置された預金を社会事業に活用する。国が新法を施行し、管理主体を銀行から国に変更したためだ。潜在的な預金は約6000億円で、対象も6000万口座を上回る見通し。本人が気付かなければ権利は国に移り、申し出なければ手元に戻らない。憲法の財産権を守りつつも、国が私有財産を動かす異例の試み。眠った資金を有効活用するためとはいえ、預金者は注意が必要だ。

 

10年以上放置された預金は休眠預金と呼ばれる。今年1月に施行した休眠預金等活用法によると、全金融機関に対し「入出金」があれば休眠預金に該当しないよう義務付けた。財形貯蓄や外貨預金は対象外となる。

2019年1月は新法施行後、社会事業に活用できる休眠預金が初めて誕生するタイミング。各金融機関が登録住所に郵送などで通知し、受け取ったことを確認できれば、休眠預金ではない。

所管する金融庁によると、休眠預金はここ数年、年700億円規模、年700万口座が放置されている。17年3月期は約1270億円の休眠預金が発生し払い戻したのは約569億円。払戻率は半分以下だった。08年以降を調べると、休眠預金は6238億円滞留し、対象口座は少なくとも6523万だった。

 

もっとも、休眠預金は国が「没収」する訳ではない。憲法の財産権を守る必要があるためだ。いつでも請求すれば払い戻しは可能だ。通帳や口座番号など過去の取引を確認できる書類を用意した上で、金融機関に問い合わせれば、預金を取り戻せる。通帳や印鑑、免許証などの本人確認書類を持参すれば銀行の窓口で引き出せる。

しかし、注意点は多い。一つは「本人が申し出る必要があること」だ。最も多いケースは引っ越した後、登録住所を変更していない場合。そもそも本人がどの銀行に預金していたかを忘れてしまったり、本人が認知症で思い出せなかったりする場合も取り戻すのは難しくなる。本人が休眠預金の存在に気付かなければ、失ってしまったことと同義だ。

もう一つは「金融機関ごとに微妙に定義が異なる点」だ。例えば「通知」。1万円未満は国が金融機関に通知を義務付けていないためだ。もう一例は「取引」。「入出金」はすべての金融機関に義務付けるが、「通帳の記入・発行」「残高照会」「情報変更」などの手続きだけでは休眠預金とみなす銀行が出てくる可能性がある。   

銀行は休眠預金制度の周知を進めている(三菱UFJ銀行新丸の内支店)

銀行は休眠預金制度の周知を進めている(三菱UFJ銀行新丸の内支店)

各金融機関はすでに店頭ポスターなどで注意喚起を始め、年内から通知を始める。三菱UFJ銀行は10月末、三井住友銀行は来年5月、みずほ銀行は6月をめどに発送する予定。金融機関が国の預金保険機構に資金を移すのは19年秋。国はそれまでに資金を配分する団体を指定し、NPOなどを探す計画だ。

日本は法人と個人を合わせた銀行口座数が3.2億に上る預金大国だ。普通預金と定期預貯金を合わせると1人あたり10口の公算で、英国(2口)やフランス(1口)を大きく上回る。休眠預金の払い戻しは原則無料だが、手数料徴収を国が禁じている訳ではない。休眠預金の解消が進めば、維持管理にかかる膨大なコストを削減できる可能性もある。(南毅郎)

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