中国国営通信社の中国新聞社は29日付で、香港メディアを引用しながら、日本で短命な首相が続いているのは政治制度に問題があるためとする論説記事を発表した。菅直人首相が退陣したのも「能力の問題ではかった」と主張し、今後も短命首相が続くと予想した。

 小泉内閣の終了後、2006年に安倍晋三首相から、本日(2011年8月30日)に国会で内閣総理大臣に指名されることが確実になった野田佳彦氏まで、日本では5年間に6人の首相が出現したことになる。

 記事は「首相5人はいずれも『ねじれ国会』に倒された」と指摘。菅首相が退陣するのも「能力の問題ではかった。あるいは主な問題は能力面ではなかった」と主張した。就任直後には6割以上の支持率があったにもかかわらず、消費税引き上げ問題に言及し民心が離反し、参議院選に惨敗。あとはお決まりの「ねじれ国会」下のパターンを歩んだとの見方を示した。

 東日本大震災のため、一時は「息を吹き返すチャンス」とも思われたが、むなしい党内抗争はやまず、野党も口では協力を言いながら実際には内閣のミスを座視し、「倒閣のチャンスを待つだけだった」と主張した。

 論説は「菅直人は日本の政治制度の犠牲者だ。彼が最初の犠牲者ではない。また、最後の犠牲者にもならないだろう。新首相が決まる前から、『次の内閣も臨時内閣で短命』との予想が出ている」と主張した。

 日本の政治制度は衆参両院における政治勢力の複雑な権力バランスの上に成り立っていると指摘。国会は事実上、職業政治家の権力争奪戦の場になっており、選挙民は事実上、政治に対する発言権を喪失していると論じ、長期にわたる「ねじれ国会」という不自然な状況下で、すでに首相5人が倒されたと指摘した。記事は「首相が短命である原因は、制度自身に求めるしかない」と結論した。(編集担当:如月隼人)