一生を賢明に一生懸命

A O、の思いを投稿

世間がやっと気づいた首相の気質

2017-08-31 | 今注目の話題
加計白紙化で臨時国会冒頭解散の観測、窮地の安倍政権がすがる奇策
 前回、加計学園の獣医学部新設を白紙撤回することが政権内部で検討されていることを書いた。いくつかのメディアでも「白紙撤回」が論じられ始めた。政権不信の泥沼から抜け出すには、国民が納得する禊(みそぎ)が欠かせない。さらに安倍政権が模索するもう一つの奇策、それが年内解散だ。

 前原誠司が民進党代表になれば民共共闘はギクシャクする。小池新党との連携には時間がかかる。野党の選挙協力が固まらないうちに解散・総選挙に打って出るとしたら、加計疑惑に蓋をすることが必要だ。

 臨時国会の開催は9月末、25日ごろ臨時国会を開くことが自民党の二階幹事長と公明党の井上幹事長で話し合われたという。九州など豪雨被害への補正予算が審議される見通しだが、開会されれば森友・加計疑惑が蒸し返される。そこで冒頭解散に打って出るという観測だ。北朝鮮のミサイルに世間が動揺している好機でもある。加計孝太郎理事長が「獣医学部白紙撤回」を表明して総選挙へとなだれ込むという筋書きである。

籠池夫妻の解けない勾留大阪地検は何を狙っているのか

 豪雨災害や北朝鮮のミサイルに国民が目を奪われている間も、森友学園・加計学園を巡る疑惑の裾野は一段と広がった。

 森友疑惑は籠池理事長夫妻の逮捕で新たな段階に入った。大阪地検特捜部は夫妻の犯罪に補助金適正化法違反ではなく、より重罪である詐欺罪を適用。籠池夫妻を悪者にして一件落着を狙う展開に世間は違和感を抱いていた。だが事態の推移は話がそれほど単純でないことを物語っている。

 逮捕を覚悟した夫妻は、国有地払い下げをめぐる交渉を録音した音声データをメディアに託していた。中には近畿財務局の国有地担当者が森友学園を訪れ、「ゴミ処理代として財務局が支払った1億3000万円を下回ることはない」と価格に言及した会話まで記録されているという。

 不正請求した補助金は既に返還された。森友側は不正を事実上認めている。だというのに夫妻の拘留は長期化している。検察の関心は他にあり、雑談めかしていろいろ聞き出すというのは検察の常套手段だ。財務局による国有地払い下げ問題が立件できるか検察は調べている、とメディアは見る。

 市民団体から「国有財産を不当に値引きして売却し国家に損害を与えた」との告発が出され、大阪地検は受理した。財務局と森友学園の間にどんなやり取りがあったか解明しなければならない。安倍首相夫人の昭恵さんがどう絡んだかも捜査の対象になるだろう。どこかで密かに事情聴取が行われても不思議ではない。

 財務省は「交渉記録はすべて破棄した」(佐川理財局長)というが、地検はコンピューターから消されたデータの復元を求めるだろう。そこから何が現れるか。

芝居のような展開のスキャンダルこのまま幕引きでは許されない

 森友疑惑は、9億円と評価された国有地が1億3200万円で払い下げられた。この土地が安倍晋三記念という名を冠した小学校を建設する用地に使われたことが世間を騒がせたのだ。昭恵夫人が絡み、首相夫妻を巻き込みドラマのような面白さが受けた。

 仲間に甘く公私のけじめが緩い権力者が、雲行きが怪しくなると仲間を切った。虫けらのように踏みつぶされた夫妻はすべてぶちまけ、権力者を追い詰める。芝居のような展開に権力の傲慢ぶりが滲んでいるからだ。

 値引きの根拠は産廃処理、教育勅語を暗唱する幼稚園児、カギを握る首相夫人の“秘書役”のローマ栄転。見せ場は豊富、話題に事欠かない。そんな大芝居が籠池夫妻の詐欺事件で終わらせられたら、検察はブーイングを受けるだろう。大阪地検には厚労省の局長だった村木厚子さんを冤罪に嵌めた前科がある。権威失墜の特捜部が信頼回復を懸けた事件でもある。今度は首相がらみの案件だ。どう処理するか。この国の司法の在り方が問われている。

 佐川氏の国税庁長官就任については、当連載欄7月6日付の『森友問題で強弁の佐川氏を「徴税トップ」に据える官邸の鈍感』でも書いたが、官邸も財務省も納税者を見くびっていた。政権の窮地を鉄面皮な答弁で守り抜いた人だ。頑張りは評価に値する、という人事だった。首相の視野に国民はなかったのか。国税庁長官に就任しながら記者会見にも出てこられない現実が、この人事の異常さを物語っている。

獣医学部の設計図面が流出加計学園に注がれる厳しい視線

 北朝鮮からミサイルが飛び、トランプ政権でアメリカが揺れ、中国で習近平体制が盤石になる。日本はこんな些細な問題で揺れていていいのか、とよく言われる。

 世界が変動期に入っているからこそ、今の政権でいいのかが問われている。

 加計学園の疑惑は、この国の行政は「法による支配」でなく「人による差配」だと言っているようなものだ。

 今週号の週刊朝日とサンデー毎日に加計学園が新設する獣医学部の設計図面が載った。正確に言えば加計学園系列の岡山理科大学が、愛媛県今治市に建設中の校舎の図面だ。

 他大学では手が及ばない先端的バイオ技術に対応するという条件を満たすため、危険な病原菌を扱う「バイオセーフティーレベル3」を満たした設計で、上から2番目の厳しさに耐える施設だという。ところが専門家は「病原菌が拡散する可能性もあり、専門家が設計したものといは思えない」「3を満たす研究室が小さすぎて、先端技術を目指す研究者で利用する人はいないと思う」などと指摘されている、という。

 この獣医学部は産業獣医や街のペット医を目指す学生の需要を当て込んで開校が検討されてきた。ハードルとなる石破4条件を満たすため、「先端研究」が必要になり、形だけの施設を用意したのではないか、と関係者は見ている。

 8月中に結論を出すはずだった大学設置・学校法人審議会は「計画が不十分」として来年4月の開校を保留した。10月末までに計画を再提出させ改めて審査するという。

 建物の建設単価が高すぎることも地元で問題になっている。坪当たり150万円もかかり、この手の施設の標準より1.5~2倍とも言われている。建設費は今治市と愛媛県から最大96億円の補助金が出ることになっている。地元では加計学園から政治家に現金が渡った疑惑が取りざたされている。

 関連で注目されているのが、2004年、加計学園が千葉県銚子市に開学した千葉工科大学だ。野平匡邦銚子市長が誘致したが、野平氏はかつて岡山県で副知事を務め、銚子市長に立候補する前は岡山理科大で客員教授をしていた。市長に当選すると、一般会計260億円の市が93億円の補助金を加計学園に注ぎ込んだ。後に市の負担が過大だと住民訴訟が起こり、加計理事長は14億6400万円の返還に応じた。銚子市は赤字団体転落の危機にさらされている。

 他県での実態が知られるようになり今治でも厳しい目が注がれるようになった。

 森友疑惑を抱える検察と同様、衆目が監視する大学設置審議会はいい加減な結論は出せない。だが加計処理で送り込まれた林芳正文科相を抱える文科省は「認可せず」の結論は出せない。そんな中で設計図がメディアに流れたのである。

獣医師問題には抜本的改革が必要正視しない政治家に募る官僚の不信

「もともと加計学園は石破4条件をクリアして認可できる要件を満たしていない。それを承知で官邸は圧力をかけ国家戦略特区でねじ込もうとした」

 事情を知る人は言う。前川喜平前次官が指摘する「行政が歪められた」とはこういうことだ。だから内部告発のような情報流出が起こる。守秘義務より、政治主導の名の下に行政の私物化が起きていることを知らせる方が大事、と心ある官僚は考える。

 そうした官僚の間でも、獣医学部の新設を一律禁止する文科省告示が妥当か、という点には疑問があるという。日本の獣医学部の水準は世界的に決して高いとは言えない。医師と同じように都市に偏在し、地方では不足している。

 対策として四国に獣医学部を新設しても卒業生が四国に残るとは限らない。行政職の獣医になり手がないのは賃金など待遇面に問題があるから。獣医を巡る問題は学術水準、疫病対策、行政医不足、都市部での供給過剰など多様だ。その一方で、ペットのお医者さんになりたい若者は多く、獣医ビジネスに参入したい学校法人は後を絶たない。

 加計学園に新設を認めても、何の問題の解決にもならない、というのが文科省の意見だった。抜本的な改革を考えるなら産業医や疫病対策を抱える農水省やバイオ医学を担当する厚労省と共同して取り組むしかない。

 官邸は獣医師問題に向き合わず、規制緩和で獣医師業界に風穴を開けることで首相の盟友・加計理事長の後押しをしてきた。安倍一強と言われる中で首相が喜ぶことに皆がなびく。

 官邸が次官・局長など省庁の幹部人事を握り、佐川理財局長に象徴されるイエスマンを厚遇する人事を行えば、忖度がはびこり、行政が歪むのは自然だろう。

 心ある官僚は「面従腹背」し、ここと思った場面で内部告発で勝負する。南スーダンに派遣されたPKO部隊の日報に関して陸上自衛隊から内部告発のような情報がメディアに流れたのも、政治家への不信である。いつから霞が関はこんなことになったのか。

官邸主導の政治に限界国民の審判はどう下るか

 自民党が政権に復帰してから大胆に進んだ官邸主導で行政の歯車が軋んでいる。

 日本に限らず、世界規模で政治や社会の構造が揺れている。ソ連崩壊で冷戦が終わり、世界を席巻したはずの市場経済が、金融資本主義の矛盾が噴出し、新たなシステムを模索する過渡期へと突入したからなのかもしれない。

 好き嫌いで人を判断し公私にケジメがない。坊ちゃん気質の安倍首相が過渡期のリーダーに不向きであることに世間は気づいた。取って代わる政治家や政党がないことが消極的な支持を支えてきたが、信頼喪失と飽きが状況を変えた。

 時間が経過すれば森友も加計も収拾がつかなくなる。籠池夫妻を罪人にして財務省を放免すれば、世論は納得しないだろう。払い下げを不当としたら政権は致命傷を負う。

 加計も同じ。来年4月開校すれば「無理が通り道理が引っ込む」。有権者は、加計理事長の高笑いを聞く気分になる。

 残された道は白紙撤回。野党の準備が整わないうちに総選挙に打って出るなら「身を捨てて浮かぶ瀬もあれ」だろう。決断する度量が安倍首相にあるのか。これも不確かだ。

(デモクラシータイムス同人・元朝日新聞編集委員 山田厚史)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北朝鮮、ミサイル発射 日本上空通過し襟裳岬東方に落下

2017-08-29 | 報道・ニュース

北海道周辺に発射「北朝鮮、少しひるんだか」 河野外相・・・

「私(AO)の感想、朝からNHKをはじめ各民放このニュース一色、各民放によく出る辺真一 - Wikipediaピョン・ジンイル氏のコメントを各テレビでよく見るが考えものだ、北朝鮮は日本のテレビをよくチェックして参考にしている、まさしく、辺真一氏の発言だ、問題大有り、日本の情報問題が筒抜け!」

© 朝日新聞 首相官邸首相官邸に入る河野太郎外相=29日午前6時48分、恵原弘太郎撮影に入る河野太郎外相=29日午前6時48分、恵原弘太郎撮影

 北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、河野太郎外相は29日午前、外務省で記者団に対し「米国、韓国と連携して国連安全保障理事会の緊急会合を申し入れる」と明らかにした。河野氏は「我が国に対する危機が相当強くなってきている」と強調。「北朝鮮に対して圧力をかけ続けていく」との方針を改めて述べた。

 さらに北朝鮮から事前に通報がなかったことについて「危機に直面したとの情報はまだ入っていないが、少なくとも通報がなく、人命に関わる事態が起きる可能性がある」と指摘。記者団が北朝鮮が砲撃を予告していたグアム周辺ではなく、北海道周辺に撃った狙いについてただすと、「(グアム方向の)南に向けて打てば、今まで(北朝鮮が)それなりの挑発をし、米国がそれに対して対応をとってきたことを考えれば、北朝鮮がそれに少しひるんだということではあるのだろう」と分析した。(笹川翔平)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

舛添氏失脚の原因を作った男(元文科大臣)と都議選

2017-08-18 | 今注目の話題
文春オンライン/下村博文から「まったく連絡もない」 都議選で落選した秘書の嘆き
 
© 文春オンライン 無役無役になった下村氏 ©文藝春秋になった下村氏 ©文藝春秋

「都議選が終わったら丁寧にお答えします」

 小誌が報じた加計学園からの200万円の“闇献金”疑惑について、記者会見の場でこう明言していた前自民党幹事長代行の下村博文氏(63)。あれから約1カ月が過ぎても説明責任を果たそうとしない下村氏を、市民団体が東京地検特捜部に政治資金規正法違反の疑いで刑事告発した。

◆ ◆ ◆

 地検関係者が語る。

「当初検察幹部は、金額が低いことから冷ややかな反応でしたが、告発は受理する方向です。加計側から受領した200万円だけでなく、2年間で計約1400万円のパーティー券代が下村氏を支援する政治団体『博友会』の収支報告書に不記載であるとされており、立件に向けては金額が1つの焦点となりそうです」

 当の下村氏は、自民党東京都連会長として臨んだ7月2日の都議選での大惨敗以降、批判の嵐に晒された。

「投票日の3日前に下村氏の疑惑が報じられたことが、結果に大きく響いたと言われる。落選した候補からの突き上げは相当なもので、下村氏が都連会長を辞めれば済む話ではなく、落選中の生活の保障や公明党との関係修復など課題は山積しています。下村氏の地元・板橋区でも、元秘書だった現職都議2人も敢えなく落選し、厳しい状況のようです」(自民党関係者)

 落選した元秘書の1人、松田康将氏は、「(下村氏の)疑惑は関係なく、私が勝ち切れなかっただけ」と言いつつも、「代議士とは選挙直後に一度会ったきりで、その後は連絡もないです。次の都議選を目指す方向ですが、先のことはまだ不透明。遅くとも10月からは何か仕事を探して働かなければ」と複雑な心境を吐露する。

下村事務所の内部文書 禁無断転載/文藝春秋© 文春オンライン 下村事務所の内部文書 禁無断転載/文藝春秋

 博友会関係者は「下村氏の当事者意識のなさは今に始まった話ではない」としてこう語る。

「2年前に文春が下村氏の政治献金問題を報じた時の事後対応も同様でした。学習塾の経営者出身の下村氏は、東京に拠点を置く政治団体の博友会だけでなく、塾業界などの支援を受けて全国に6つの博友会を立ち上げました。これが政治資金規正法に反していると国会でも追及を受け、下村氏は改善策を公言しました。ところが、その後は地方の博友会の活動は休止して放置したままです。今まで下村氏を支えてきた地方の塾経営者らへのフォローもありませんでした」

 『下村大臣を総理大臣に!』という期待も今や……

 博友会の会員でもある学習塾関係者がこう嘆く。

「下村氏が官房副長官だった当時、塾業界からジャブジャブと献金を貰っているなどとメディアに批判され、下村氏は『ジャブジャブというほど貰っていない』などと言って、一部で顰蹙を買っていました。文科大臣になってからは博友会の幹事会で、『下村大臣を総理大臣に! 万歳!』という恒例の掛け声とともに散会するほど期待を寄せていましたが、不遜な態度のせいで、次第に塾業界とも距離ができつつあるのです」

 今や総理候補どころか、「小池百合子都知事の人気が続けば、次期衆院選での当選も危うい」(前出・自民党関係者)状況だという。

 下村事務所に改めて一連の疑惑について質したが、「東京地検特捜部に告発がなされており、コメントは差し控えさせていただきます」と書面で回答した。

 驕れる者は久しからず、ということか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする