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ハーバードで聞いてみた「デキる子の共通点」

2019-07-26 | Weblog

ハーバードで聞いてみた「デキる子の共通点」

 成績優秀者の親が実践する「子育ての公式」 親が実践する「子育ての公式」

 ロナルド・F・ファーガソン,ターシャ・ロバートソン 2019/07/26

 

     
 優秀な人の親は、どのように子育てをしたのでしょうか? その秘訣を紹介します(写真:Choreograph/iStock)© 東洋経済オンライン  優秀な人の親は、どのように子育てをしたのでしょうか? その秘訣を紹介します(写真:Choreograph/iStock)

 

© 東洋経済オンライン  優秀な人の親は、どのように子育てをしたのでしょうか? その秘訣を紹介します(写真:Choreograph/iStock)

「いったい、どうしたらこんな優秀な人が育つのだろう?」「この人の親はどんなふうに育てたのか」。こうした疑問の答えはなかなか見つからない。

子育ての現場となる家庭という「ブラックボックス」の中は、簡単にはのぞけないからだ。このブラックボックスの分解に挑んだのが、『子どもが勝手に学び出す!ハーバード流子育ての公式』だ。ハーバードの学生・卒業生を調査してわかった「デキる子の共通点」「子育ての公式」が紹介されている。ここでは、「子育ての公式」について、抜粋して解説していく。

子育ての秘訣は本当に存在するのか?

 大きな成功を収めた人のエピソードを読んでも、彼らがどうやって優秀な人間に育っていったのかを知る手だてはない。親は子どもの成功を、どんな形で後押ししたのだろう。優秀な子の育ち方を知ることで、子育ての具体的なヒントをつかめないだろうか。こうしたヒントは、私たちの目から隠されている。

 子育ての現場となる家庭という「ブラックボックス」の中は、のぞけないからだ。見えるのは、優秀な人物というアウトプットだけだ。

 私たち(ロナルド・F・ファーガソンとターシャ・ロバートソン)は15年かけて、200人の成功を収めた人とその親の何人かにインタビューを行い、ブラックボックスの分解に挑んだ。すると明らかなパターンが浮かび上がった。

 親の生いたちや生活環境は違っても、子どもへの接し方には、幼児期から驚くほどの共通点が見られたのだ。私たちはこのパターンを、「子育ての公式」と名づけた。

 この公式を生んだ調査は、2つの別々の場所で始まった。

 著者の1人、ターシャ・ロバートソンは2003年、『ボストン・グローブ』紙の編集室で調査を始めた。新聞記者として全米を飛び回るうち、取材で出会う超一流の人の親には共通の特徴があるのではと気づいたのだ。そこで、識者の見解を聞くため何度も連絡したことがある、ハーバード大学のロナルド(以下、ロン)・ファーガソンに電話した。

 「子育ての秘訣って、教えられるものでしょうか」

 ファーガソンは可能だと答え、最近は研究者の間でも、子どもを伸ばす育て方をどう教えるか議論する動きがあると語った。

 やがてターシャは、優秀な人の親は特別な子育ての法則、いわば公式を守っているのではないかと考え始めた。その後10年かけて、60人にどう育てられたか尋ねるインタビューを行い、共通点を探した。

 話を聞いた相手は記者仲間もいれば、取材先で知り合った人もいた。基本的に自分の判断でインタビューしたけれど、バラク・オバマ前大統領など、ほかの媒体に載せるため取材した相手に、子育ての方法を尋ねたこともあった。

 もう1人の著者であるロン・ファーガソンの場合、2009年にハーバード大学の研究室で学生の相談に乗ったことがきっかけだった。修士課程に在籍するキョン・リーは、ロンが研究者として、30年以上関わるケネディ行政大学院で秋期講座を受講していた。気づくと2人は、韓国の文化や教育水準、子育てを話題にしていた。

 ロンは以前、韓国出身の学生から、韓国では全国で上位5%以内の成績をとらなければ褒めてもらえないと聞かされていた。ロンには納得できない話だった。学年の上位10%に入っていてもダメだなんて。自分の育ち方と比べると、まったく理解できない。

 けれど、韓国育ちの両親をもつキョンにはよくわかった。「テストで99点をとっても、どこを間違ったのと母に聞かれました。90点以上とった子がほかにいなくても」と彼女は語った。

 ロンとキョンは考えた。ハーバード大学のほかの学生も、あと1点何が足りなかったか聞かれたのだろうか。人種や民族、社会的地位、貧富の差、国籍によって育てられ方に違いはあるのか。つまるところ、同級生の親はみんな、超難関のハーバード大学にわが子を合格させたのだ。どの子も同じように育てられたのだろうか。

「ハーバード大学育ち方プロジェクト」での子育ての公式

 この会話から、ハーバード大学の学部生と大学院生合わせて120人にインタビューする「ハーバード大学育ち方プロジェクト」が生まれた。2009年、ハーバード大学の学生数百人にメールを送り「あなたの成功に両親はどんな役割を果たしましたか」と尋ねるインタビューへの参加を呼びかけた。

 その後2年の間に、ほぼあらゆる社会階層の多様な生いたちの学生のエピソードが集まった。

 黒人、白人、アジア系、ラテン系、バプテスト派、カトリック、ユダヤ教、仏教、無宗教など。裕福な家庭出身の学生もいたけれど、それ以外が大半を占めた。医師、弁護士、エンジニア、教授の子もいれば、レジ係、バス運転手、料理人の子もいた。

 出身地も幅広く、韓国、中国、インドで生まれた学生もいれば、アフリカ、メキシコ、ドミニカ共和国、ジャマイカ、ブルガリアで生まれた学生もいた。とはいえ参加者のほとんどが、全米各地で生まれ育ったアメリカ人だった。

 彼ら一人ひとりに長時間のインタビューを行い、事前に用意した質問を投げかけて、子ども時代の思い出と両親が果たした役割を探った。

 録音データは次第に増え、参加者の幼少期の記憶と優秀な成績を収めるまでの道のりをたどった膨大な物語の記録が出来上がった。

 ロンは、アシスタントに頼んでデータを入力し一定のパターンを見つけようとした。けれど、データが複雑なため分析に専念できるスタッフが必要だという話になり、プロジェクトはいったんお蔵入りした。

親の学歴、お金、コネはいっさい関係なし

 2014年、ターシャは再びロンに電話をかけ、優秀な子をつくる子育ての公式をテーマに本を書きたいと相談した。ロンも、公式の存在を信じていたが、それがどんなものかわかっていなかった。そこで「ハーバード大学育ち方プロジェクト」のデータを使って、一緒に本を書かないかともちかけた。

 仮説を立て実験するのではなく、一流の人の人生を振り返る形で調査を行い、ジャーナリスティックなアプローチを取り入れることにした。調査を進めると、信念のある子育ての背景に親自身の体験があるとわかった。そこで、途中からは親の人生も調べることにした。

 学生の名前を伏せた録音データを、ターシャが何カ月も聞いて分析した。それからロンと2人で、ハーバード大学の学生の育てられ方と、ターシャが過去にインタビューしたハーバード大学以外の一流人の育てられ方を比較すると、子育ての公式が見えてきた。

 過去の研究から、社会階層の違いや貧富の差により、子育てに差がでることが知られている。そのため私たちは、文化によって子育てのパターンは異なり、それぞれの家庭の背景に応じた育児法、価値観、ノウハウが明らかになると予想していた。

 ところが、そうではなかった。例えば、アジア式の子育て、あるいはアメリカ式の子育てが格段に優れているといったことはなかった。

 むしろ、親の人種、地位、財産、教育水準、宗教、国籍に関係なく、子どもの将来の成功につながる驚くほど一貫した共通点があった。

 学生とのインタビューは格好の糸口になったが、子育ての一端をうかがい知ることしかできなかった。私たちは2人で、プロジェクト参加者に大学卒業後に改めてインタビューを行い、それ以外の場で知り合った一流人にももう一度話を聞いた(インタビューの時点で、1組の双子を除き全員が20~40代だった。双子は50歳になったばかり)。

 その結果、彼らを育てた張本人、つまり優秀な人の親にも話を聞くことになった。

能力に関係なく、子どもを成績優秀者に育てる方法

 私たちが話を聞いた親を、「子育ての達人」と呼ぶことにする。といっても、彼らが最初から子育ての秘訣を全部知っていたわけではない。わが子が秘めた可能性を引き出す方法を巧みに見つけ出したからだ。

 達人の多くは一流の学校で学んだわけではなく、高校さえ卒業していない親もいた。

 彼らが人と違うのは、親自身は凡人でも、大きな目標と使命感をもった、自分の頭で考える賢い子どもを育てるため努力を惜しまなかったことだ。

 教育水準が高くても低くても、子育ての達人はみんな、子どもが5歳になるまでに簡単な数の概念と文字の読み方を教えていた。また、子どもを対等に扱い、子どもの意見を尊重し、何か質問されればよく考えたうえで答えていた。

 貧富の差に関係なく全員が熱心に子どもに関わり、ビジョンを示していた。地位や財産にかかわらず、誰もが必死に時間を見つけお金をやりくりして、子どもがいい成績をとれるよう手助けしていた。達人の原動力は自分の体験にあった。親自身の生いたちを参考に、子どもに将来どんな力を身に付けてほしいかを考えていた。

 けれど何より大切なことに、自分の夢――かつて親自身が目指して挫折した夢――を子どもに押しつけることは決してなかった。

 ひと言でいうと、子育ての公式の基本は、子どもが力を発揮し幸せな人生を送れるよう、狙いをもって選択することだ。この公式を使って、次の8つの「役割」を通じて子どもの力を伸ばし、将来成功するための準備を整える。

 

最初の学びのパートナー/整備士/手配役/

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 といっても、すべてをいっぺんにこなして、スーパーマンになる必要はない。誰でもこの公式を身に付ければ、しっかり活用できる。必ずしもわが子を、天才音楽家やハーバード大学卒業生、リッチな一流ビジネスマンに育てられるわけではない。

 それでもこの公式を使えば、本人の生まれもつ能力に関係なく、学校での成績を上げ、子どもの人生をさらに充実させることができる。

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