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JSCか!“失態”の文科省が大半を実質負担へ、高橋洋一氏

2015-06-16 | 報道・ニュース

新国立競技場問題の着地点は? “失態”の文科省が大半を実質負担へ


新国立競技場のイメージ(日本スポーツ振興センター提供)【拡大】

 新国立競技場問題については、以前の本コラムで書いたように、文部科学省とその天下り団体である独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)の責任は免れない。下村博文文科相は、「責任の所在不明確が問題」というが、これは文科省とその子会社であるJSCの間の関係であり、それは文科省の中で解決しなければいけない。

 それでは、文科省が東京都に要求したとされる約500億円の資金負担や、屋根のデザインの問題についてはどう決着するのだろうか。

 国立競技場は、2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなるが、その前年、19年のラグビーワールドカップの開催に間に合わせるために改築し、完成は19年3月の予定としていた。

 このラグビーワールドカップに向けた国立競技場改築は、超党派の国会議員連盟で推進されていた。推進決議は11年2月に行われ、その決議書には西岡武夫会長(当時)をはじめ、森喜朗、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫-と歴代首相が名前が連ねている。

 文科省官僚やJSCの天下りからみれば、この決議書は、国立競技場改築に向けて、予算獲得の「印籠」に見えたことだろう。

 そうした勢いの中、12年11月、イラク人の女性建築家ザハ・ハディド氏が手がけた開閉式の屋根をつけるデザインが採用され、費用は1300億円と見込まれた。

 しかし20年東京大会決定後の13年10月、費用が当初の2倍を超える3000億円に上ることがわかった。

その問題が今日まで尾を引いているのは、文科省・JSCの失態だ。霞が関の普通の感覚からいえば、500億円を東京都につけ回すのは無理なので、文科省予算の範囲内で処理される。

 下村文科相は東京都に負担を求める根拠法を作ることを検討するというが、おそらく形式的に一部資金は東京都負担のようになっても、かなりの部分は文科省の予算で実質負担せざるを得ないのではないだろうか。超党派の議連を推進力にしてきたので、予算はなんとか捻出されるはずだからだ。

 ただし、財務当局はそれでは面白くないので、なんとか文科省予算の枠内に収めようとする。たとえば、国立大の文系学部縮小という政策の流れなので、国立大運営交付金を削減して、新国立競技場改築の穴埋め財源にする-などの方策が検討されるのではないか。

 開閉式屋根の設置については五輪後への先延ばしを余儀なくされるだろう。情けないが、これまでの解体工事入札などをめぐる不手際もあり、やむを得ない。総工費をどれだけ抑制できるかも焦点であるが、19年3月までに間に合わせるというのが絶対条件だ。それさえできれば関係者は御の字だろう。

 これまでの五輪では、開催までに工事が間に合わないこともあったが、まさか日本で、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が懸念することになるとは驚きである。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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