必然的なヒストリー

クソムシが歴史系映像の感想を書いたり、妄想キャスティングしています。このブログは純度の高い自己満足で構築されています。

【風林火山レビュー】決戦川中島

2007-12-16 21:46:13 | 大河ドラマレビュー《風林火山》

今回をもって、硬派戦国ドラマとして名を成した「風林火山」が終了。

皮肉な形で、後世に名を残す事となった「啄木鳥戦法」を見破られた勘助。そのおかげで、武田軍は窮地に追いやられました。援軍が来るまで、武田軍は持ちこたえる事が出来るのか!
最後の最後まで緊迫感が漂う、このドラマ。
さて、その果てにあるものは。

勘助、突撃
敵の本陣を突く為に-。
命を捨てる覚悟が感じられる、この表情。

一方、武田の奇襲をかわした上杉軍は退き陣をせずに、なんと武田本陣に突撃。
もう戦局は無茶苦茶です。策略もクソもありません。肉弾戦あるのみです。

別働隊として動いていた真田軍も本陣のピンチを聞いてすぐに駆けつけようとします。しかし、彼の前に立ちはだかったのは!
そう、消えたとばかり思っていた村上義清!
居たのか・・・。いや、居ないとおかしいのだけど(笑)。今更、何しに出てきた!という思いが強いです。

場面は次から次へと目まぐるしく変わります。
勘助は、なんと宇佐美と一騎打ち。
両軍の参謀同士が何と肉弾戦で一騎打ち。
勝敗は着かず。
勘助は宇佐美を振り切り、駒を進めます。
たった一騎で突入!
凄い、凄すぎる。中原永世十段(当時)の「今から突入しま~す」よりも凄い!
そう彼が狙うは・・・。
彼が狙うは・・・!
狙うは・・・、唯一つ!政虎の首!


が、勘助の左胸に2本の矢が!
ここから、勘助の執念の炎が燃え上がります。
悠然と構える政虎を目の前に奮迅する勘助。
突き刺されても、突き刺されても、先へ先へと進む勘助。
攻撃を受け、満身創痍になりながらも政虎めがけて進んでいく。
迫力がありました。この立ち振る舞いは凄い。内野さんの演技に圧倒されました。
このシーンはBGMの使い方も良かったです。

真田軍(や香坂軍)が武田本陣に駆けつけるに当たり、この勝負は武田軍の勝利。
勘助が勝ち鬨を挙げようとした、その刹那。
勘助は首を打たれました。
享年不詳。

そして、何だか対照的なラストを迎えることになってしまった平蔵
勘助が満身創痍で動けなくなったところにひょっこりと登場。
しかし!
矢に当たって昏倒。
呆気ない!
しかも弱い!
それでもって運がない!
で、死んだのかと、思いきや。
生きていた!
新撰組の中村獅童みたいに『お笑い昇天』にならなくて、本当に良かったです。
でも、やっぱり死にました!(←短い間で何回、視聴者をミスリードさせる気か!
人は何のために生まれてきたのか。重く考えさせられます。
彼の一生を思うと同情を禁じえません。
あぁ、最期までよく分からなかった平蔵の存在。(脚本家よ、もっとガンバレ!)
あぁ、どこまで行っても「やっぱり佐藤隆太」。(IWGPが懐かしい)
あぁ、ヒサの晩御飯。(でも待ちきれずに食べたと予想

ラストはミツの言葉で幕を閉じました。
勘助、ワシには見えるだよ。勘助の中に咲いてる花が。だから勘助は怖くねぇだ
勘助は、死ぬ瞬間まで風林火山の旗が日本全国にはためく様相を夢見ていました。
しかしながら、勘助の死から約15年後。
武田軍は長篠の戦で惨敗。時代が変わる瞬間でした。
これにより、戦国は急速に収束へ向かい出します。


以下、琉河が思う、一年総括。

【配役について】
全体的に「配役にはお金をかけていない」という事実が一目で分かるこのキャスト。
仲代・千葉・緒形といったトメ専用重鎮俳優(次点で藤村・風吹・竜雷太・加藤武)と、それ以外の配役の軽さが目立つ「格差配役」が顕著に表れていました。
現に琉河は松井誠という役者さんをこのドラマで初めて知りましたし。
だけれども、ヒロインを除いてはミスキャストは少なく感じられ、個人的には「人件費の節約に成功したドラマ」と評価しても過言ではないような気がします
でも、大河ドラマ開始当初は「豪華な配役」が売りの一つであったはず。「葵・徳川三代」や「利家とまつ」みたいな“役者の使い捨て”は勘弁ですが、もう少しキャスティングにお金をかけても良かったのではないかな~と思いました。

【OPクレジットについて】
ヒロイン「由布姫」をオーソドックスに2番手・3番手にもってくるのではなく、中間ピングループの特別枠(通称「花枠」)にもってくる手法は見事だと思いました。
しかし、その弊害で、回によっては金田明夫が三番手という渋い(というかヘボい)クレジット順番になってしまったのは残念でした。
そして、これは曲調に合わせてのクレジット表示だから仕方がないのですが、上杉祥三や近藤芳正がトメグループに表示されるのは勘弁して欲しかったです。大河ドラマにしては軽すぎる・・・。

【ドラマの構成】
合戦ロケに重点を置いた構成は良かったと思います。でも桶狭間の省略ぶりには閉口です。

 

来年の大河ドラマは、「篤姫」。
配役は豪華だと言われているようですが、単に例年並に戻っただけ、と思ってます。このドラマに期待するのは、役者陣の演技のみ。
長州贔屓な琉河としては「篤姫」はテーマ的にあまり魅力を感じません。でも一見の価値はあるのではないかと。「見なず嫌い」で、素晴らしいドラマを見逃してきた経験が何回もあるからです。

このブログを読んで下さった皆様、TB&コメントを下さった皆様、感謝しております。お付き合い頂き、本当にありがとうございました。

 


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38 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
一年間お疲れさまでした。 (がてう)
2007-12-16 22:00:10
まずは、琉河様、はじめまして。
昨年秋に「祖父江一秀」を検索してここにあたりました。
これまで「見~て~る~だ~け~」でしたが今回初めて書き込ませていただきます。
今後ともよろしゅうお願い致します。

で、「風林火山」一年間のレビューお疲れさまでした。
これからは一年で数少ないお休みに入りますね(何)
ドラマですが、最終回らしく「オールキャスト総出演」みたいでしたねぇ。
和田喜代美も出てました(何)、でも信虎くんは?
ところで最後に出てきた長篠の戦いのシーン、あれ去年の使い回しですよね?

「義経」「功名が辻」と見てきて、「風林火山」は自分にはなじみのなかった設定だったのでそのうち見なくなるだろうと思ってたらきっちり一年見てしまいました。
来年の「篤姫」はいつの間にか琉河様のレビューで済ましているなんてないことを祈ります。
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Unknown (今日感)
2007-12-16 22:09:58
平蔵に関しては、最後までハラハラさせられましたが、落ち着くところにおちついてよかったと思いました。

満身創痍の勘助の目の前に、常に政虎あり。
いい演出でしたね。
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琉河さんお疲れ様 (ぱるぷんて海の家)
2007-12-16 22:50:27
確かに平蔵のキャラは意味分からなかったです。
でもこの人真面目なヘタレ役とても似合ってます。

この一年お陰様で楽しく過ごさせていただきました。
ありがとうございました。
来年はホームドラマらしいので、見ないかも分かりませんが、今後ともよろしくです。
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はじめまして! (琉河岬)
2007-12-16 23:14:34
がてうさん、はじめまして。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

和田喜代美さんの言葉でこのドラマは締め括られましたね!由布姫がしゃしゃり出てくると思っていただけに嬉しいサプライズでした。

>「風林火山」は自分にはなじみのなかった設定だったのでそのうち見なくなるだろうと思ってたら
私も「風林火山」はメインフィールドではないので、仲代さんが退場したら見るのを止めようと思っていたのですが、キッチリ一年間見てしまいました。中だるみした回もありましたが、全体的に見ていて飽きない展開だったと思います。

>来年の「篤姫」はいつの間にか琉河様のレビューで済ましているなんてないことを祈ります。
ありがとうございます!
おそらく来年は容赦ない偏見に満ちた辛口コメントのオンパレードになると思いますので、誤解を招かない為にも、是非とも「篤姫」をご覧下さい。
私はNHKの回し者ではありません・・。念のため(笑)
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琉河さんありがとうございました! (「Rue」)
2007-12-16 23:15:46
「桶狭間」以降とんでもなく個人的に盛り下がってしまいましたが、琉河さんのレビューはいつも冷静で、毎週楽しみに拝見してました。

>ヒロインを除いてはミスキャストは少なく感じられ、個人的には「人件費の節約に成功したドラマ」と評価しても過言ではないような気がします。

今年の大河はこれに尽きると思います。 お陰でマイティ?があんなにお素敵な俳優さんだった事も、小山田さんがあ~~んなにお素敵過ぎる事も知れて、彼らの作品はこれから必ずやチェックして行きます。

内野氏始め、地味な存在だった実力派俳優さんが、全国区で認められた事も大きな収穫だと思います。 ファンの方は報われたでしょう。

琉河さんとお知り合いになれたきっかけがこの作品でよかったです。賛否両論あるでしょうが、その方が印象的な作品として残るものです。 次からは、琉河さん的OPクレジット鑑賞にも手を出してみようと思います(笑)
気持ちのいいレビューありがとうございました!
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政虎まで、後一歩 (琉河岬)
2007-12-16 23:20:52
今日感さん、こんばんは!

勘助はすんでのところで政虎を逃がしてしまいましたが、死ぬ間際に武田の勝利を確信して逝けたのは、あの状況下では幸せだったのではないかと思います。
最終回に迫力のある勘助奮迅シーンを見る事が出来て良かったです。
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平蔵の棺 (琉河岬)
2007-12-16 23:28:35
ぱるさん、こんばんは!

>この人真面目なヘタレ役とても似合ってます
私も同感です。彼が何であんな死に方をしてしまったかというのは、その性格が災いしたと思うのですが、それが平蔵なんですよね。私は、その後ヒサがどうなったのか気になりますね。

>来年はホームドラマらしいので、見ないかも分かりませんが、今後ともよろしくです。
ありがとうございます!
こちらこそ、来年もよろしくお願いします。
余程つまらない展開にならない限り、「篤姫レビュー」をしていると思いますので、これからも遊びに来て下さいね!
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お疲れ様でした~ (のの雪)
2007-12-16 23:31:42
今年も1年間お疲れ様でした!
終わってみると早かった。。
それに意外と面白かった。。
っていう感じですね~~^^
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マイティ谷原&田辺さんは最高でした! (琉河岬)
2007-12-16 23:44:45
「Rue」さん、こんばんは!

「Rue」さんとは、ドラマ中盤からのお付き合いとなりましたが、Gackt・谷原論にはうんうん!と頷きながら、読ませていただきました。

私もマイティ谷原さんと田辺さんのクールビューティさにやられた一年でした。他のイケメン軍団、高橋一生、木村了、田中幸太朗も良かったのですが、演技力の差が歴然でしたね。

>琉河さん的OPクレジット鑑賞にも手を出してみようと思います(笑)
おお!クレマニアのお仲間が増えて嬉しいです!
でもハマリ過ぎると、自分で勝手に配役を替えて、なおかつ自分で勝手にクレジットを作成してしまうというおかしなことになってしまうので(爆)、注意して下さいね(こんなことをやるのは、私だけだと思いますが

>気持ちのいいレビューありがとうございました!
ありがとうございます!
こちらこそ、「Rue」さんのレビューを楽しく拝見させて頂いてます。これからも、気が向いたら覗いてやってくださいませ。
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振り返ってみると (琉河岬)
2007-12-16 23:48:17
のの雪さん、こんばんは!

振り返ってみるとあっという間でしたね。
冗談抜きで、信虎時代や板垣のラストシーンがほんの数週間前のように思えます。(それだけ私が歳を取った、という事かもしれませんが・・・)
こうして終わってみると、合戦ロケシーン(桶狭間除く)がやっぱり良かったなぁ~としみじみ感じます。
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