必然的なヒストリー

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【風林火山レビュー】謀略!桶狭間

2007-11-11 21:55:25 | 大河ドラマレビュー《風林火山》

今川義元、桶狭間にて死す。享年・42。

今回、一番の謎はタイトルに付いている「謀略」という言葉。
謀略というよりは、やはり義元の油断による自滅に近いような気がするのですが・・・。
「義元は信長の情報収集力・軍の統率力を侮り、余裕かまして大高城方面に向かう途中に桶狭間で戦死」というオーソドックスな設定は良しとしても、これを
「義元にこのような戦略を採らせたのは、勘助のおかげである」
という設定は「勘助贔屓」もいいとこだと思いました。
というのも、もし義元が勘助の挑発に気づいて勘助の策を採っていたら今川軍は勝っていたのかもしれないという・・・。そして、もし信長が籠城したら謀略も何も・・・。
まあいいや。疲れたので、今回の考察はここら辺にしたいと思います。

というよりはね、そんなことはどうでもいいんだよ。
義元が大高攻めしようが、清洲に行こうが、もっといえば桶狭間は「おけはざま山」という山じゃないのか説とか、実は織田軍は奇襲ではなく正面突破したんだよ説とか、そんなの関係ねぇー!
NHKよ、義元のラストシーンをきちんと描いてやれ!
なんだい、あのシーン。NHKは谷原さんのことを「所詮はモップ」としか思っていないのですか!

「雪斎、遠慮はいらぬ。さあ飲め!」
その後、鉄砲がバババババン!割れる杯!
そこまでは緊迫感があって良かったです。
問題はその後。
義元が腰を抜かして終わりか!
そこで「桶狭間」は終わりか!
なんか、色々なところを端折ってないですか・・・。
義元の奮戦シーンはどうした!
「武田信玄」の今川義元(中村勘三郎)の時は、ちゃんと刀を振るって
「鎧が重いよ~」とか
「都へぇ~~」
とか情けないセリフを吐き、みっともない姿をさらしながらもキチンと最期まで務めを果たしましたよ!
せっかく義元役に谷原さんをキャスティングしたのだからキチンと最期の討ち取られるシーンまで描いて欲しかったです。
ああいう美青年があられもなく乱れる姿を見たいんだよ!琉河は!(爆)

こうして、ほぼ一年近くレギュラーを務められたマイティ谷原は今回で退場。
痛いヤツだと思われながらも「マイティ」「マイティ」と叫び続けてきた自分を褒めてあげたい気分です。おそらく「マイティ」を引きずってきたのは琉河だけですから!
さようなら、マイティ・・・。マイティを讃える歌は部屋で一人で歌います(泣)

で、総括。
義元=谷原の配役は新鮮で良かったです。
例えば、義元役が佐野史郎、大杉漣、柄本明、岸部一徳といった、「いかにも」な役者さんが演じていたのならば、こんなにも「今川義元」には期待していなかったでしょう。
ここまで高貴で麗しく、そしてマイナス面となる傲慢な姿ですら素晴らしい個性となった義元は初めてでした。
なので、「このような麗しい義元がどのような最期を迎えるのか」という部分を大変楽しみにしていたのです。
それだけにラストの端折りっぷりは残念でした。
雪斎の名を叫んだ瞬間に織田軍の奇襲を受けたのは、何とも皮肉が効いていて哀愁を漂わせるシーンでしたが。

そういえば、信長は陰だけの出演でしたね~。
ここぞとばかりに大物ゲストを投入してくるのかと思っていたのですが。

寿桂尼は、義元の死から8年後に病没。
その年に武田軍は今川領・駿河へ侵攻。こうして三国同盟は潰える形となります。
ちなみに、どさくさに紛れて徳川家康と名を改めた松平元康も、この年に今川領・遠江に侵攻。義元・雪斎も元康の実力は認めていたものの、彼の心の奥に隠された無念・屈辱さまでは読み取る事が出来なかったようですね。


次週、景虎は関東へ出兵。
あんな更地っぽいところでポツンといるのに鉄砲が一発も当たらない景虎はまさに「神の化身」といったところでしょうか。


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28 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは! (冬芽)
2007-11-11 22:22:12
 私も義元の最期の描き方にはがっくりきました!NHK予算ないの?
 谷原義元のあられもない姿を見たかった(笑)。

 この大河の義元は桶狭間の古い説を採用してましたね。桶狭間山で、奇襲じゃない桶狭間の合戦もいつか見てみたいですね。
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こんばんは (まい)
2007-11-11 22:24:51
琉河岬様

私も見たかった、義元様の最期のシーン・・・。
怖いけれど、そこが見たかったのです。
最期の最期まで雪斎を大事に思っていたのが切なかったですが・・・。
なんてことでしょう。

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仰る通り! (なおみ)
2007-11-11 22:32:02
琉河さん、こんばんは
>「義元にこのような戦略を採らせたのは、勘助のおかげである」という設定は「勘助贔屓」もいいとこだと思いました
別に「謀略」でもなんでもないですよね。でも問題はこの桶狭間に陣を張るセッティングをしたのは他ならない勘助の親類「庵原之政」だということですよね・・・その点は勘助が「桶狭間・桶狭間」とうわ言のように教え込んだのかも?
なんにせよ琉河さんが評した「天才なのか愚かなのか」という面が今回は良く現れていましたね。
「クラブ」のほうで「義元追悼企画」をやりますんで。琉河さんも是非お越し下さい。
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こんばんは ()
2007-11-11 22:35:42
あぁ、そうなのです!!
色々ツッコミを入れるとキリが無いので、あえて言いませんが、やはり一番のツッコミ所は「義元様の最後をちゃんと描けよ!!」なんですよね。
もうね・・・そこに一番がっかりしたし、泣いた私がいますよ。
もったいなさすぎです!!
私もマイティwを讃える歌を歌いたいと思います!!
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新今川家 forever! (「Rue」)
2007-11-11 22:37:16
琉河さん こんばんみー(手を取って一緒に怒る!)

>そんなの関係ねぇー!NHKよ、義元のラストシーンをきちんと描いてやれ!

私もこれひとこと言いに来ました。ヒデー!酷すぎる!

>「義元にこのような戦略を採らせたのは、勘助のおかげである」という設定は「勘助贔屓」もいいとこだと思いました。

最近の脚本は呆れて物が言えませんです。勘助って坊主になってから変身してません? その理由が視聴者全く伝わって来ないんですよね。 来週はワタクシ投げ付ける物を用意して観る事にします。 あ~ああ。
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こんばんは! (ぱるぷんて海の家)
2007-11-11 23:09:16
ほんと義元の最期はもっと描いて欲しかったです。
アレで終わりってあまりにも情けない!
もう少し見せ方があったと思います。
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こんばんは (Hiro)
2007-11-11 23:15:25
義元くんの最期はもうちょっと丁寧に描いて欲しかったですね
あれだけのキャラだったのに・・・もったいないです
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呆けたまま・・。 (琉河岬)
2007-11-11 23:40:31
冬芽さん、こんばんは!

>谷原義元のあられもない姿を見たかった(笑)。
おぉ!同士よ~!(失礼しました
実際の義元は「ここが死に場所」と定めて敵の指を噛み切ったりして奮戦したと聞いたことがあります。
谷原さんならば、そのぐらいの見せ場があっても良いと思うのですが(体力的にそういうアクションシーンも大丈夫そう)、今回のアレにはがっかりです。

>桶狭間山で、奇襲じゃない桶狭間の合戦
「利家とまつ」では、この説を採用していました。かなりのインパクトだったのですが、なぜか現場にいた菅原文太の「桶狭間は時の狭間よ」というセリフで全部ぶち壊しになった覚えがあります。
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謀略・NHK (才蔵)
2007-11-11 23:42:35
いよいよ織田が来るぞ、来るぞ・・・と思わせておいて来なかった。
煽るだけ煽っておいて肩透かしとは。

今川義元といえば「麿麿している」というイメージがよくありますが、そうでない場合もありますね。

大河ドラマ「徳川家康」の時の成田三樹夫。
総集編しか見たことありませんが、物凄く強そうに見えた。
眼力だけで天下獲れます。はっきり言って反則。
そういえばこの総集編でも、桶狭間は義元の「はっ!」とした顔で終わっていました。

大河ドラマ「武田信玄」の時の中村勘九郎。
風流人で飄々としていた。なかなかの策謀家でもあった。
桶狭間では一瞬の静寂の後、織田勢の急襲でめった斬り。
「都へ・・・」

今回の義元はプライドの高い「ガラスの貴公子」という印象。
寿桂尼の箱入り息子然としている我が儘坊ちゃん。
最期は逆上して織田勢を斬り捲くった挙句討ち取られる・・・というシーンを期待していました。
腰抜かして終わりとは・・・

勘助の謀略は、いわゆる心理戦でしたね。
義元の最期が描かれなかった分、首級のことが丁寧に描かれていました。
大体は省かれるシーンなので、ここは新鮮でした。

やはり宇佐美は恐ろしい。
「信玄暗殺未遂の一件」を平蔵の報告を受ける前に知っていた。
平蔵も寅王丸も寿桂尼も勘助も、宇佐美の掌で転がされているようだ。
おまけに平蔵をまだ利用するのか・・・
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雪斎を回想に (琉河岬)
2007-11-11 23:44:45
まいさん、こんばんは!

織田軍の奇襲を受け、奮戦するシーンに雪斎の回想を重ねて、最後に槍衾になり絶命寸前に
「雪斎・・・」
と呟いて息絶える義元を見てみたかったですね。
>なんてことでしょう。
全く持ってその通りだと思います!
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