必然的なヒストリー

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【風林火山レビュー】信玄暗殺

2007-11-04 21:36:20 | 大河ドラマレビュー《風林火山》

元々、寅王丸(長岌)の謀反は時期も不明ですし、謀反も何も幼くして死亡したという説もあるぐらいなので「風林火山」ではなかったことにするのかと思っていました。なので、ここに来て「寅王丸謀反」イベントが描かれるとは思ってもみなかった、というのが正直なところです。

まず冒頭、武田家では。
義信に子供が誕生。その報せを受けた晴信の表情といったら・・・!
父・信虎のような風体になっていました。
『信虎』を象徴する胡桃コリッ!の仕草がその証。

そして、越後。
宇佐美の謀略により、今川家に赴いた平蔵。彼は義元の前で宇佐美に言われた通りのことを言います。平蔵は単なる宇佐美の操り人形となっていますね。所詮、平蔵は平蔵といったところでしょうか。
平蔵の言う事に怪しむ義元。
しかし、その平蔵を援護射撃したのが・・・
何と寿桂尼様
おおおおおお!なんて事だ!
何かガッカリだ。
寿桂尼様には、このまま最終回まで、ある時は乙女キャラ、またある時は氏真のツッコミ役、という無難なキャラを貫き通して欲しかったです。
ここに来て悪役ですか。寿桂尼は天寿を全うしてしまうので、勧善懲悪的な展開は期待できません。
琉河的には、その役目は義元様にやって欲しかったところ。
仮にここで義元様が長岌を唆した、という悪事を行っておけば次週の「桶狭間」での無残なラストシーンで今回の溜飲も下がるというのに。

そして場面は移り、武田領内のとある屋敷。
長岌は源頼政(丹波哲郎、もしくは芦田伸介)の伝説を語りながら、信玄暗殺の機会を窺っています!
信玄に隙が!
ここが狙い目か!
と、長岌は信玄めがけて短刀をブスリと。
ここら辺のシーン。全く迫力がありませんでした。緊迫感もありませんでした。
まあ好意的に取れば、緊迫感が出てしまうと信玄に感付かれてしまう恐れがあるので、わざと気配を消していたのだと解釈することは出来ます。ハイ。

しかしながら、信玄もそんな企てなど、とっくに気づいていた様子で。
信玄に一喝され短刀を落とし、呆気なく長岌の謀略(?)は失敗に終わりました。
長岌は処刑されるのかな?と思っていたら。
意外にも信玄は彼をその場で手討ちにせず、寺で彼を諭します。ここに現れたのが、義信。
もう一展開が待ち受けていました。
側室vs正室の子の面会。長岌の顔を見るなり罵倒する義信。潔癖すぎる性格が良く出てますね。義信というキャラの負の部分が出ていて良かったと思います。
でもその負の部分のせいで、「三条夫人の付き人」がいきなり死亡!
これはびっくりだ!
何がビックリかって、退場するキャラはその回で何らかの思い出記念イベントがあるはずでしょう?
例えば、小山田様の退場回でいうと勘助と妻について語らうシーンが思い出記念イベントに当たるわけで。
「三条夫人の付き人」には、そんなメインイベントとなるシーンもなくいきなり死亡。
退場回なのに前後の脈絡もなく、脚本家の手に余ったキャラの廃棄処分みたいな扱いで死亡。
ポカーン

で、長岌はというと・・。
「寺に閉じ込めておけ」
の一言で終了。来週のテーマを見る限り彼の出番はここで終了でしょう。
またもやポカーン
結局、長岌は「没年不詳」という扱いになりそうですね。今回のメイン人物なのに、煙が消えるように出番が終了。
今回の意義は何だったのか。
「三条夫人の付き人」を始末させるだけの回だったのか?
単にその後の寅王丸を出したかっただけなのか?
以上の2点もあるのでしょうが、桶狭間への伏線が本当のテーマだったのですか。
平蔵が
「全部、寿桂尼のせいだ~」
と言って越後へ逃げたのが次回に繋がるわけですね。
何か中途半端だ・・・・。
勘助の寿桂尼対する憎悪と「三条夫人の付き人」の死には関連性はないでしょう。

勘助の怒りは由布姫と血が繋がっている者に主・信玄を討たせようとした卑劣な謀略に対して向けられたもの。
決して、「三条夫人の付き人」の仇を討つためではないのです。(数パーセントぐらいは含まれていると言ってあげましょうか)
浅田美代子さん、仕事は選べよ・・・。と言っても選べる余裕があるのかは知りませんが。

それにしても今回で好感度が下がったのは
宇佐美定満
寿桂尼
の2名。
この2名にはOPのクレジットで何らかの制裁を加えて欲しいところです。

宇佐美定満よ、アンタは次週からトメ剥奪。建蔵(長尾政景役)と一緒に仲良く連名扱いだ。(トメには、クロワッサンの人を推薦!)そして最終回で、どこかの小説みたいに愛の逃避行の末に川に身を投じて仲良く相対死にしろ!その手のマニアが喜ぶよ。
そして寿桂尼。アンタは義元死亡のショックで本当に思考回路がお花畑になって46回~最終回まで「花枠」にて幽閉。
それぐらいのことはして欲しいです。

次回、桶狭間。
義元がなぜ、桶狭間を通って織田攻めに向かったのか。
その謎に迫る模様。
そして「桶狭間」ということは・・・。
あの美声王子様も退場となるわけで。

 


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17 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私もポカーン。。。 (もちきち)
2007-11-04 22:03:43
こんばんは。
今週はなんだか45分が長く感じました。
荻野の思い出イベントは、娘にしか見えない孫をあやす
三条夫人とのシーンでしょうか。インパクト弱っ!

それにしても先週からスキンヘッドになったフグ、なんで
もみあげだけ残してるんでしょうね?

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クロワッサン (トールギス)
2007-11-04 22:10:20
八つ裂きにしてやる!、なんて言わなかったら伝と太吉は平蔵を逃がさなかったし、もしかしたら、リツに一目惚れしてたかもしれないのにね…。
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浅田さんの使い方が間違ってる気がする (琉河岬)
2007-11-04 22:46:19
もちきちさん、こんばんは!

荻野の死は唐突過ぎて意味不明でした。ここで死なせる必然性が全くないというか、何というか・・・。
荻野は「死ぬ事」によってドラマが生まれるキャラではないような気がするので、そのまま最終回まで生き残らせてやればいいのに、と思いました。
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「デートしてくれるまで帰らないもん!」 (琉河岬)
2007-11-04 22:49:30
トールギスさん、こんばんは!

>リツに一目惚れしてたかもしれないのにね…。
その展開は面白そう!
宇佐美の事なんか忘れてしまって
「リツさんとデートの約束をしてくれるまで帰らないズラ」
とか
「ワシには妻も子もおるのに罪深い男ズラ」
とか勘違いキャラとして「風林火山」にその名を残して欲しいですね。
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こんばんは ()
2007-11-04 23:03:06
全てが寿桂尼様のせいになっていましたが、種を蒔いたのは勘助自身だし、黒幕は宇佐美さんなんですよねw
意味わかんないし!!その煽りをくらって来週の桶狭間で美声王子が死ぬのも意味わかんないし!!(死ぬのは意味解るけど、その過程が気に入らないw)
今回、そうそう義元様が悪役だったら納得も出来たかもしれませんね。でも・・・めっちゃ可愛かった(親バカっぽいとこが)ので、来週は悲劇ですわ。
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こんばんは (まい)
2007-11-04 23:09:25
同じく、萩乃の扱いはあんまりです。終盤に向けての、単なる主要キャラ死亡イベントでしかなくなっているような・・・。
それにしても、桶狭間への経緯もあんまりです。義元様は、これでは完全にとばっちり・・・ですよね。
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割に合わない義元 (琉河岬)
2007-11-04 23:17:24
渦さん、こんばんは!

寿桂尼のせいで義元が勘助に嵌められて桶狭間で横死という展開ですよね。
義元からしてみれば、割に合わないですよね~。
勘助も少し考えれば、寿桂尼(ごとき)が黒幕でない事ぐらいは分かりそうなものですが、頭に血が上ってそれどころではなかったようですね。
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とばっちりで二人の命が! (琉河岬)
2007-11-04 23:24:11
まいさん、こんばんは!

荻野の件はやっつけ仕事みたいな感じでしたよね。安易なお涙頂戴シーンは却って逆効果だったように思えます。
義元様については・・・。とばっちりもいいとこです。今回、同情票を調査すれば荻野と並んで1位になるのではないでしょうか(笑)
唯一期待している部分は、勘助がどうやって桶狭間に義元をおびき寄せ、休息を取らせるかというところですね。その策が楽しみです。
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こんばんは~ (さくらこ)
2007-11-05 00:04:12
今回の取ってつけたような話は、流石の(流石のなんですよ)私でも長く感じてしまいました。
残り少ないというのに、こんなことで一話使っていいのかしら、と言うような・・。

萩乃の死の意味は、三条夫人が「幸せ」と感じた時だったのに、と言う意味があったのではないかな、と思います。

母思いな義信が、勘や信にさらに憎しみを感じるのだろうな、というのにも繋がるかな。

寿桂尼の役を義元がやっていれば・・本当!
その方が次回への繋がりももうちょっと自然になったのかなー・・。
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寅王丸 (才蔵)
2007-11-05 00:10:20
目元が父・柄本明そっくり。
怪しさのある演技力は受け継いでいないようですね・・・
しかし平蔵といい寅王丸といい、なぜ偽名を使うくらい思いつかなかったのだろう?
信玄が長笈の名ぐらい知っていて当然だろうに。
まあ、そこが平蔵らしいか。隠密なのにあっさり伝兵衛に見付かる所も。
さすがの宇佐美も、偽名を使わず計略を行なうとは思っていなかったでしょうね。

寅王丸は信玄への恨みは抑えたのだが、今度は諏訪を侮辱した義信に怒りを持ってしまう。
あの場で諏訪を侮辱したり、近付いてくる寅王丸に危機感を持たない義信は青い。
萩野が刺されたことで、義信の諏訪不信はいよいよ増すばかり。
三条夫人もこの一件で、四郎のことをより強く意識することになる。
そして義信事件、その後の武田家臣団の分裂・滅亡へ繋がっていく・・・

>勘助の怒りは由布姫~

他に信玄と義信の間に溝を作ったこと、義信と四郎の溝を拡げた事もありますね。
義信が当主を継いだ場合、四郎の扱いが厳しいものになるのは火を見るより明らか。

宇佐美定満
平蔵に初めに会うのを「事に乗せらせやすそうな寿桂尼」と予想。
(寿桂尼の最後に名を出す辺り、まず読みきっていた)
この一件が成功しようが失敗しようが、武田と今川の間に亀裂を生じさせると確信。
展開が予想以上に上手く行って、さぞ高笑いをすることでしょう。
諏訪問題を煽り、武田滅亡への道をきっちり定めてしまった。
恐ろしい男です。


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