さて、今年もやってきましたテレビ東京新春超ワイド時代劇!
今年のネタはジェームス三木版「忠臣蔵」
しかも原作は湯川裕光の「瑤泉院 忠臣蔵の首謀者・浅野阿久利」
公式HPを見る限り、脇坂淡路守や土屋主税、立花左近、男天野屋など、忠臣蔵でお馴染みの人物がいなかったので『定番』の忠臣蔵とはかなり違った形になるのだろうなと思って楽しみにしていました。
配役も主役の稲森さんを支える配役として北大路欣也、ウルトラクイズ江守、津川雅彦、高橋英樹、松坂慶子と大河並のキャストがゲストではなく主要人物を固めている事により一層のお楽しみ感が!
で、実際に見てみると。
ここまで可哀相な吉良上野介は初めて見ました。
世の中いろんな「きら」がいるけれど。
ここまで吉良上野介に判官贔屓したくなる忠臣蔵は見たことがありませんて。
浅野内匠頭に逆恨みされて切りつけられた挙句、幕府に見捨てられ最期には死に場所を失った浪人集団のテロにより暗殺されてしまった哀れな老人と言う印象が
吉良の言い分が正論に思えてしまう忠臣蔵は新鮮でした(笑)
江守さんが演じた吉良よりも夜神月が演じたキラの方がよっぽどの大悪人です。
しかも今回の吉良は往生際が良すぎだし。江守さんには漫画版デスノート並の往生際の悪さを期待したのですが・・。討ち入りシーンはちょっと物足りなかったかも。
そして、最大の謎!
瑤泉院の陰謀って、彼女は「陰謀」と呼べるほどの策略を張り巡らせたのか?
喜世を徳川綱豊に輿入れさせたぐらいではないでしょうか。(←この計画もある意味危ない。綱豊が綱吉より先に逝ってしまったら台無し・・・)
まあこれも、瑤泉院の陰謀というよりは柳沢吉保が瑤泉院を利用して策略を張り巡らせたような気がしないでもないですが。
肝心の大石も「瑤泉院の陰謀」により討ち入りを決意したというワケでもなく、最初から吉良打倒を計画していましたし。
と言う事でこのドラマのテーマは
「天下の側用人・柳沢吉保とバカ殿に忠義を尽した家臣・大石内蔵助を手玉に取ったと勘違いしている未亡人」
と言う事で宜しいでしょうか?
ということで細かく感想を。
第一部「刃傷・松の廊下」
高嶋弟さんの内匠頭が意外に良かった!
グッジョブです。日頃は腰の低いホテルマンかローソンの店員という印象が強かったのですが、こういうバカ殿の役も似合うんですね~。
楽しそうにカエルを潰したり、火事になると顔を引きつらせながら騒ぎ立てるシーンが何とも絶妙でした。この人が生き続けていたら、くまぇりみたいにマッチポンプをしていたに違いありません。
そして、何といっても松の廊下のシーン。
あれだけ時間がありながら(松の廊下は一般の通行手段として使用されないので人通りが少ない。なので梶川がすぐに飛んでくる事は有り得ない)、トドメを刺せなかった内匠頭。抜刀してから捕まるまでのシーンが長かったので、なんだか笑えました。しかも迫力が全く無い。多分、史実もこうだったんでしょうね。まるで江守さんと高嶋さんのコントみたいでした。
ということで、切腹になるべくしてなった内匠頭。合掌。
あ、高島さんのキャラが強烈すぎて江守さんのキャラが活かしきれていなかった。これは残念。
第二部「激突!吉保VS内蔵助」
腹の探り合いっぽいやり取りをしていただけで、特に両者の対決という展開はありませんでした。瑤泉院が柳沢と大石を焚き付けて両者面談にこぎつけたのは陰謀めいていて良かったです(皮肉だよ!)。結局、この2人が面談してどんな成果が出たのかは不明ですが、高橋さんと北大路さんの演技合戦は見応えがありました。
こりん星人のセリフが「お父さん」の一言だったのにはびっくり。
あ、稲森さんの意味不明な寝所シーンがすぎて江守さんのキャラが活かしきれていなかった。残念。
第三部「吉良邸討ち入り!」
メイン討ち入りが最初の1時間で終了・・・
上野介の愚痴が的を得ていて笑えました。全く持ってその通りです。
もう上野介は踏んだり蹴ったりです。
なのに江守さんの助っ人でカンニング竹山が登場しなかった、残念。
討ち入り後は津川ピヨ彦さんのショータイムでした。赤ちゃん言葉といい、変なリアクションといい、終いには瑤泉院の夢の中で暗殺されかかったりとオイシイ展開のてんこ盛りでした。次点で高橋英樹さんでしょうか。存在感はあったものの柳沢のキャラ付けが最後の最後でぼやけてしまったのは残念。ただの「いいひと」になってしまった・・・。
そしてラスト一時間が「大奥」テイストが混ざっていたのは何故?いらんだろ、ソレ。
ただでさえ、梶芽衣子さんがセリフもないのに稲盛さんの隣に侍っているだけで「大奥」っぽくなっているのに。フジテレビのドラマで使われたBGMが流れるのでないかとヒヤヒヤしながら見ていました。
物語のラストがOPと繋がってしまったことによりこの物語の端は閉じ、この赤穂事件は未来永劫「忠臣蔵」として
浅野=善
吉良=悪
として描かれる事になりました。めでたし、めでたし!
あ、津川さんが目立ちすぎて江守さんのキャラが活かしきれていなかった。残念。
ということで、稲森さんについての感想がイマイチ書けません。
だって、周りの人物が主役を喰っちゃってますからね~。
これが一番残念だったかも。
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>抜刀してから捕まるまでのシーンが長かったので、なんだか笑えました。
同感です。切りつけた奴が転んでしまうなんて・・・でも、本当、江守さんを起用した割には吉良が善人とは(絶句)
>江守さんの助っ人でカンニング竹山が登場しなかった、残念。
私も前日の印象があったので、ここで、江守さんが「やめて~」とかいうと思ってました。
本当に、討ち入りシーンや、討ち入りになやむ義士の姿はほとんど描かれなかったので、「本当に忠臣蔵?」って思うほど。でも、それはそれで楽しめました!
今年もよろしくお願い致します。
討ち入りシーンが呆気なかったのは見応えがなくて残念でしたが、今回のようなスタイルの忠臣蔵は初めて見たので何だか新鮮でした。
オイラは第二部からみました。
柳沢@高橋英樹が何もかも見抜いてるけど、将軍の口から出た事は曲げられないと、宮使い?な処が面白かった。
大石と瑤泉院のラブラブは要らんかったかな。
こちらこそ今年もよろしくお願い致します。
高橋さんの柳沢吉保と津川さんの徳川綱吉は絶妙なコンビでした!
柳沢が主役でもドラマが成立しそうな勢いでしたね。
>ここまで可哀相な吉良上野介は初めて見ました。
私も、ずっと吉良に同情していました。あれでは、踏んだり蹴ったりですよね。
とにかく斬新なストーリー展開を狙ってると言う感じがして、それはそれで、マァマァだったような気もするかなとか思ってもみたりもして・・・
辞世の句の話とか、浅野内匠頭の刃傷に及んだ経緯とかは、結構気に入りました。真実ぽくっていいなと思えました。
ただ、討ち入りのシーンが何でか退屈で、寝てしまったのですね。
討ち入りで寝てしまう忠臣蔵って・・・と言う感じでしたわ。
>上野介の愚痴が的を得ていて笑えました
惜しいです。そこだけ起きて見ればよかったと後悔しています。
こちらこそ今年もよろしくお願い致します。
私も第一部の浅野内匠頭が刃傷に至るまでの経緯は斬新で面白いと思いました。
吉良上野介は「一体、ワシが何をしたというのだ!」と愚痴をこぼしていました。今回の忠臣蔵は吉良に落ち度がないように見えたので、的を得ているな~と思いました。でもやっぱり討ち入りシーンの迫力がなかったのはちょっと残念でしたね。