ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

当事者意識

2011-09-21 21:50:10 | Weblog
飽きっぽい性格だということは自分でもわかっていた。

昨日、ちょっと偉そうなことを考えたので、
今日外出するときに、新しく会社に入った日本人の若い女性にも
声をかけてみることにした。

ということで、
私より社歴が長い日本女性と新人さんと私の合計3名で出掛けたんだけど、
「なるほどな~」と思ったことがあった。

私の世代も、当事者意識が希薄だとよく言われたけれど、
先輩たちは、こういうところを指摘していたんだろうな、と思った。
新人さんは、先輩がお客さんと話をしていても、
自分が興味ある別のものばかりを見ていて、
先輩が何を話しているのか聞こうとしない。

これでは、同行した意味がない。
自由行動をさせるために、一緒に外出したのではないのだから。

その新人さんは、まったくの新卒ではないようなのだけれど、あれ~?と思い、
「先輩にくっついてて、先輩が名刺交換をしたら、自分もするようにしようね」と
言ってみた。

これは「人に会ったら挨拶しましょうね」という話なので、
仕事云々ではなくて、おうちの躾の問題だよなあ。
ここからなのかあ・・・、と思ったら、さっそくゲンナリ。

とはいえ、言ったことはやろうとしているようなので、
腹が立つことはない。
でも、会社に戻って「お疲れさま」と言って別れても、
ニコニコしながら軽く会釈するだけ。
「ありがとうございました」とか、何か質問とか、ないんだろうか。

そういえば、行くときも「どこへ行くんですか?」「何しに行くんですか?」って
聞いて来なかったから、きっと興味がないんだろうな。
「一緒に行く?」と聞かれたから、ついてきただけ。
すっかり、昨日の気持ちが萎え、1日で飽きがきている。

生存競争が厳しい上海では、試用期間は本当の試用期間。
本契約をするかどうか、みんなでちゃんと議論する。
特に日本人を雇う場合は、中国人よりも給料が高めな上に、
就労ビザの手続きなどがあるので、表面に見える以上のコストがかかるから、
結構シビアに切られる。
ある意味では、使い捨てに近い面もある。

きっとまた、1ヶ月後くらいに部長から呼び出されて、
「彼女、どうしたらいいですか」と言われ、ゲンナリするんだろうなあ。
そして、私も、うかうかしていられないんだよなあ。

組織

2011-09-20 23:57:16 | Weblog
上海に来ている日本人にはいろいろな人がいるけれど、
日本にいるときと確実に違うと思うのは、
誰もが時間の区切りを意識しているということ。

死ぬまで中国にいるわけではない。
もしかしたら、中国で死ぬかもしれないけれど、
でも基本的には、日本に帰って死ぬものだと思っている。

時間の区切りは、人それぞれで、
1~2年の人もいれば、5年、10年の人もいる。

だから、その間に出来る限りのことをしたいと思うのは当然。
目的をもって上海に来ている人ならなおさら、
「それ以外のこと」もしくは「時間の浪費」はしたくない。

ということで、一番やりたくないなあ、と思いがちなのは、後輩の育成。
中国人のことではなくて、同じ日本人の育成。

氷河期さんの私としては、日本の会社でもほとんど後輩の育成をやったことがない。
まず、後輩がなかなか入って来なかったし、
入ってきたとしても、
ゆとりくんたちとのギャップは、思っていたよりも大きかった。

それがまた、上海でも繰り返される。
特に日本人の数が日本国内よりも少ないわけなので、
なんというか、こう・・・、濃密になる。

しかも、中国人たちは、当然のこととして、
日本人の育成は、日本人がやるものだと思っている。
まあ、中国人と日本人は、社内教育の感覚が違うから、それがいいんだろう。
しょうがない。

でも実際、目の前に「学びたいこと」があるのに、
中国人の部長から呼び止められ「お願い」と言われると、
「後輩指導かよ、おい!」という気持ちが、やはり頭をかすめる。

でも、日本の国力を本当に回復させたいのなら、
上海で働いている日本人が、それぞれの仕事力を上げることは必須。
中国人は、自国に入ってきた異物である日本人を、よく見ている。
そして、仕事ができる日本人をちゃんと尊敬してくれる。
だから、日本がなめられないためにも、私たちの仕事ぶりは非常に重要。

それは、サービス残業をする、
とりあえず、上司の言うことは何でも聞いてるフリをする、ということではない。
そんな雰囲気だったら、中国の人たちは、
やはり日本の会社は、戦前の軍隊と何も変わってない、と思うだろう。
というか、そんな雰囲気の会社が多いから、
いまだに中国の人は誤解してしまうんだと思う。

そうではなくて、
日本人は、各人にあった仕事の教え方をする、他人の考え方を尊重する、
でも、業務目標を達成するためだからお互い歩み寄るんだ、と、
肌で感じてもらうことが大切なんだと思う。
社風がそうだから俯いて従っている、というのではなくて、
顔を上げて個として向き合った結果の組織なんだということ。
だから、地縁でも血縁でもなく、組織が動いているんだ、と。

少し不思議だけれど、
能力評価が日本よりもシビアな上海にいるからこそ、
自分のことで精一杯な中にいるからこそ、
あえて、自分よりも年下の
同じ現地採用の日本人たちと向き合ってみようかなあ、
という気持ちがしてきた。

バンド

2011-09-19 23:24:24 | Weblog
急にすずしくなった上海。一気に秋到来。
今日は風があり、シャツにカーディガンでは寒いくらいだったので、
明日はジージャンを着ていこうと思う。
先週は、半袖で汗をかいていたのになあ。

そして、夜、仕事で、バンドのほうに行った。
黄浦江が大きくカーブを描く、まさしく「バンド」の風景が見られる地点。



風が少し冷たかったけれど、とてもいい眺めだった。

「バンド」と言って、私が最初に思い浮かべるのは上海ではなくて、
長江第一弯。
2000年に、雲南の麗江に行ったとき、
足をのばして、ローカルバスに揺られて行った。
諸葛亮が南蛮討伐のときに渡った辺り。
フビライも大理国を攻めるときに渡ったところ、だったと思う。
古くて小さな吊り橋が架かっていて、それを渡るときに、
長江の水面がキラキラと輝いているのを見て、涙があふれた。
あのあたりの水はまだ澄んでいて青く、泥水の色ではなかった。

近くの村のおばさんに声をかけられた。
むかし文革のときに、大学に入ってすぐ農村に下放され、
そのまま農家の人と結婚して、もうずっと故郷には帰っていないと。
実家はどこかと聞いたら、石家荘と言っていた。

私が話す普通語の発音を聞いて、河北の実家を思い出したと、
こっそり涙をふいていた。
その話ぶりは、まるで農家のおばさんではなくて、
知識分子そのものの品のある中国語だった。

上海でも思う。
文革の前の中国を、見てみたかったな。

そんなことを考えながら地下鉄の南京東路駅まで歩いた。



夜なのに昼のような明るさ。
上海も電力不足のはずなのに。

足裏

2011-09-18 19:51:00 | Weblog
友だちと一緒に、友だちの友だちの中国の方に、
お茶屋さんに連れて行ってもらった。

でも、まずその前に、腹ごなし。
清真牛肉刀削麺。小碗5元。
家の近くの20元する刀削麺より、数倍も美味しかった。
いま住んでいるところは、日本人の駐在員が多すぎて、
物価が高い割に、食べ物が美味しくない。



まあ、それは脇において、
お茶屋さんに連れて行ってくれた中国の方は、
上海の富裕層なんだろうけど、成金っぽい印象ではなくて、
自分の好きなものを納得して買う人のようだった。

さすがに、とても美味しい鉄観音を紹介してもらえた。
むか~しむかし、台湾で飲んだお茶に同じような味のものがあったのだけど、
それ以降は、出会えていなかった味。
非常に「青い」感じ。

これは、いつものように「がぶ飲み」したらもったいない。
そうすると、茶器が欲しくなる。
が、一人でそこまでしてお茶をいれるかというとしない。
結局は「がぶ飲み」になるのかもしれないけれど、
どうしても欲しくて買おうとしたら、ちょっといいお値段。
それでもやっぱり欲しいな、と思っていたら、
その中国の方にお金を出してもらえた。
初対面にも関わらず、申し訳ない。

その後、中国の方とは別れマッサージ店に行った。
最初に肩、次に足の裏を揉んでくれたのだけれど、
肩のときに、「かたすぎて、指が入らない」と言われた。
初めて、マッサージ店で肩を揉んでもらったのだが、
そういえば以前、日本で美容院に行ったとき、
サービスで肩を揉んでくれた女性に「かたすぎます」と言われ、
ギブアップされたことを思い出した。

足の裏も、主に胃と肩の部分が痛くて、「好痛!」と何度も言ってしまった。
これは「痛いのが好き」という意味ではなくて、「すごく痛い!」という意味。
家に着いてもまだ、足の裏がジンジンしている。
ここ数日、仕事で胃袋と、ついでに目と肩を酷使したツケが、ちゃんと出ている。

土曜出社

2011-09-17 23:57:39 | Weblog
今日は土曜日だったけど会社に行き、
比較的いそがしく働いて、
とりあえず「やったぞ!」感が湧いてきたので、
「やっと週末じゃん」と言いながら、
夕飯は、会社の同僚と一緒に朝鮮料理を食べに行った。

青い巨大トウガラシは、あまりにも辛すぎて、3分の1しか食べられなかった。



トッポキ、食べたかったんだよなあ。



そういえば、いろいろな人に上海に来ることを言ってなくて、
先日友人から「韓国料理を食べに行こう」というようなメールをもらった。
おそらく、新大久保あたりのお店をイメージしていたんだろうけど、当分行けない。
ここは、いいお店だったけど、どうかな。上海だけど。
この写真のほかに、チヂミもあったんだけど、
3人で食べて、1人あたり40元もかからなかった。

1元=13円として、520円。
ちゃんとローカルのお店に行けば、安くて美味しい。
会社の近くの有名店は、ビビンバだけで60元だったから、
食べ物の値段って、何だろうなあ、と思う。

最近、仕事の都合で、少し高級料理を食べる機会があったのだけれど、
高級になればなるほど重くて、香辛料がいっぱい入っているので、
総じて胃腸への負担が大きい。

どうしてもB級グルメな体質なんだなあ、と実感する。

感謝

2011-09-17 00:50:28 | Weblog
今日は仕事の都合で、浦東に行った。

ちょうど夕陽がきれいな時間帯だったので、写真を撮ってみた。
バンドが見える。
ガラスが2重だったので、太陽が2個に見える。



上海は、日本人が思っている中国の姿とまるで違うと思う。
むかし、広大な土地をフランスが租借していた。
いまの上海の目抜き通りは、旧フランス租界だ。
そして、そのあたりの街並は今でも愛されている。

さんざん中国にアヘンを持ち込んで、円明園を焼き払った上に、
たくさんの文化財を持ち出してオークションにかけたフランスだけど、
いま上海の人は、まったく恨んでいなくて、むしろ憧れている。
それに比べて、日本はどうしてこうも恨まれるのか。

でもやはり、私は日本人に生まれてよかったなあ、と思う。
しかも今の日本に生まれてよかった。

というのも、旧フランス租界に新しく開店したバーに行った。



屋上からは、お月さまと金星が見えた。
空は広かったけれど、星は、月以外では唯一、金星だけが見えていた。

そして、背伸びをせずに、こういうところでゆったりとワインが飲める自分を
ふと客観視して、
やはりいまの日本に生まれたことを感謝する。

夕焼け

2011-09-15 23:08:48 | Weblog
今日は、朝から青空だった。

まるで、小学生の日記みたいな書き出しだ。

そして、夕方美しい夕焼けが見えた。
西側のビルが全部なくなるといいのになあ。

 

昨日のブログを書いた後、
そういえば、むかし北京で、よく手鼻をかんでいる人を見かけたんだけど、
あれはどうだったんだろうと思った。
まあ、いいや。

先日、生まれて初めて足裏マッサージに行った。
すごく痛いだろうと思っていたのに、ほとんど痛くなくて、
マッサージ師さんに「もっと強く押してもいい?」と聞かれ、
「いいよ」と答えて、ぎゅーぎゅー押された。
それでもほとんど痛いところがなかった。

マッサージ師さんが、不思議そうに、
「痛くないんだねえ。日本人はもっと痛がるのになあ」と言うので、
「そうねえ、ストレスがないから元気なんじゃない?
それに、自分でも足裏マッサージをしてるからね」と答えた。

女性の場合は、ハイヒールをはくのをやめると、足裏がやわらかくなる。
そして、夜寝る前に、壁に背中を合わせてまっすぐに立ち、
肩、腰、膝、足首の中心をそろえるようにして、
お腹と足の指に力を入れて、傾かないようにして立つと、
翌朝の肩こりや腰痛が楽になっている。
これは自分で実証済み。

ということで、ダイエット効果はないけれど、
「痛くない自分」を目指すには、最低限のいいことをやっていると思う。

新たな発見

2011-09-14 22:05:01 | Weblog
お昼ご飯は近くの食堂に行っている。
周りにいる人の9割は中国人。
料理も中華料理。
がつんとニンニクが入っている骨付き肉などは大人気だ。
少し脂っこいけれど、野菜や肉などいろんな種類があるからバランスがとれる。

いつか誰かに聞こうと思っていて、なかなか聞けなかったことを
でもやはり漢族の人には聞けなくて、少数民族の同僚に聞いた。
「漢族の人ってさあ、食事の躾って家でするの?」

そしたら、「しないと思う」という返事が返ってきた。
やっぱりそうか。
「そういえば、すごくきれいな女性だなと思っていたら、
いきなり豚足にかぶりついて冷めた、って話を聞いたことある」とも言っていた。
まあ、それは笑い話だ。

・左手でお碗を持たず、背をかがめてお碗の縁に口をつけ、ごはんをかき込む。
・小骨等を、ペッと口から吐き出す。(場合によっては、床に直接吐き捨てる)
・食べ物を噛みながら話しをする。

このあたりは、やはり、同じ席の人がやっていると、食欲をなくすなあ。
で、「ん?」と一瞬思うけれど、習慣の違いと思えることもある。
例えばこんなの。

・ご飯をお碗に山盛りにする。
・お魚やお肉で格闘していると、自分の箸を使って助けに入ってくれるので、
 必然的に、同じ食べ物を2人の箸でつかむことになる。
 で、ギョッとして箸をひっこめると、取って渡してくれる。

ま、これはしょうがないか。
ただし、どうがんばっても、中国の男性とは結婚できないと思う理由は、
一緒に食卓を囲むのが厳しいという理由による。

で、そういう話をしていたら、同僚から、日本で驚いたことが出てきた。
日本の男性は、人前でも平気で鼻水をかむと。
特に、一人でレストランに来ているおじさんは、
周囲のお客さんのことなんか気にせず、
堂々と大きな音をたてて鼻水をかむ、あれは中国ではあり得ない。
痰を吐くくせに、鼻水はかまないのが中国人の美意識、と。

そう言われてみたら、そうだ。
オフィスでも、鼻水をかんでいる音を聞いたことがない。
鼻歌は歌うけれど、携帯の着うたはうるさいけれど、鼻水はかんでいない!

新たな発見だった。

遅れたけど名月

2011-09-14 01:15:13 | Weblog
今日は、上海で、フリーランスで働く女性の集いに行った。
略して、フリ女上海と名付けてみた。たったいま。

彼女たちと話していると、本当に元気になる。
日本企業の駐在員の疲れっぷりとは、まったく違う。
周囲も明るくする人たちだ。
ということで、今日は久しぶりに、
人に会ったにもかかわらず、元気になった。
根が引きこもり性質の私にしては、めずらしいことだ。

帰り道に、ふと上空を見上げると、お月さまが煌煌と輝いていた。
中秋の名月には1日遅れてしまったけれど、
家に到着後、速攻で一眼レフを取り出し、
部屋の窓を開け、身を乗り出して、
落ちないように気をつけながらシャッターを切った。
いちおう3階だから、落ちたらかなり危ない。

1階まで降りればいいのだけれど、
夜になるとアパートの若い男子が、外で彼女と電話をしている。
しかもパンツ一枚で。
いや、中国では、パジャマで往来を歩いたり、
パンツ一枚のような姿でフラフラするのは普通なのだけれど、
さすがに、こっちはなんだか気が引ける。

ということで、あまり何度もその前を行き来したくないから、
部屋から撮ることにした。

久しぶりのお月さま撮影なので、カメラの使い方を忘れていた。
なんだかピントが合っていない。
手ぶれしたし、うす雲も出ていたからしょうがないか。

そして、中国め~。
さっきアップした月の写真が読み込めなくて表示できない。
こういう歯抜けのようなネット規制は、やめてほしいなあ。
と言っていて、全ブロックされるようになるおそれもあり、
そうなると、もっと不便なんだけど。

とは言いつつ、方法はある。
「上有政策,下有対策」だっけ。


ハマった本

2011-09-13 00:58:16 | Weblog
フランスの原子力関連施設で爆発という記事をインターネットで見て、
何とも悲しい気持ちになった。

フランスが原発大国であることを知ったのは、社会科の授業ではなく、
1冊の本によってだった。
それは、笠井潔さんの『サマー・アポカリプス』。

別に、原発について書かれた本ではない。
現象学の観点により事件を解決していく探偵・矢吹駆シリーズの2作目だ。

この作品には、シモーヌという名の女性が登場する。
彼女がシモーヌ・ヴェイユをモデルにしているということから、
ヴェイユの著作を読むようになった。

そして、作中のシモーヌの弟は、
物語の最後に、莫大な資産をもつ女性と結婚し、原子力ビジネスへと乗り出していく。
彼のビジネス的な成功までは言及されていないけど、
おかげでフランスの原発依存度をネットで調べてみる気になった。

中世のキリスト教の異端カタリ派についても、
カルカソンヌという地名を知ったのも、この作品。
思えば、たくさんの出会いをくれた作品だ。

昨晩、早く寝ようと思ったのに、笠井潔さんの評論、
『探偵小説と叙述トリック』を読み始めたら止まらなくなり、
本日、ついさきほど読み終わって、満足とともにホッとしてパソコンを開けたら、
フランスの報道を見つけた。

ついさっきまで、叙述トリックである「言い落とし」は、
探偵小説に限らず、私が接しているような文章でもあることだと
考えていたところだった。
あえて「いいこと」を書かなかったり、「悪いこと」に触れなかったりする。
報道なんて、そんなののオンパレードだし、このブログだってそうだ。
また、会話で、さりげなくそういう話術を使える気のきく人もいる。

そんなことを考えながら、いろいろなことを思い浮かべて、
やはり最後に、『サマー・アポカリプス』を貸してくれた今は亡き編集の先輩を思った。

「何か面白いミステリーありませんか?」というアホ丸出しなお願いに、
何冊かミステリーを貸してくれた。
返却時に、簡単な感想を聞かれて話しているうちに、ある日、
「じゃあ、次はこれだな。きっと面白いと思うと思うよ」と、
矢吹駆シリーズの最初の3冊を差し出してくれた。

返すときに、「どれが一番面白かった?」と聞かれ、
「サマー・アポカリプス」と答えた。
そして、先輩の思惑どおり、ドップリとハマった。

フランスは、日本語だと仏国、中国語だと法国。
とりあえず原発にあれだけ依存していたら、「ほとけ」ではあるまい。
「法」の国であるかどうか、さて。