ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

斜め読み

2011-09-22 23:09:11 | Weblog
最近、何冊か中国語の歴史系の本を読んだ。
といっても、斜め読みだが、
私が留学していたころに比べて、変わったなあと思うことがある。

それは、著者の観点が明確に記されているということ。

例えば、歴史や人物の評価で、
「確かに、○○という性格だった」というような表現がよく出てくる。
これは、1990年代前半の書物にはあまりなかったと思う。
どちらかというと事実を淡々と記すのみで終わり、という雰囲気だった。

そのかわり、読者は行間を読む余裕があった。
いまは、作者の考え方がわかりやすいぶん、
作者の感じ方が自分と同じかどうかにばかり気がいってしまい、
読みながら、自分の思考が本筋とは少しずれているような気分が
なんとなくつきまとうため、少しさめる。

中国の書物に、作者の主観が入るようになったことを喜びつつも、
論理や分析よりも、個人的な好悪が先に立っているような印象も受けるため、
家でテレビドラマを見ながらツッコミを入れているような
気持ちになってしまう。

以前は、小説は難しいけれど、歴史書は読める、と思っていた。
でも、最近読んだ数冊の歴史書は、作者の感情が入ってきているので、
逆に小説のほうが読みやすいんじゃないかと思えてきた。
今度、試してみよう。

なぜか、中国の本は、欧米の本に比べて感情的に思えてしまう。