ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

仙人

2011-09-12 21:17:35 | Weblog
今日は、中秋節で上海の会社がお休みだったので、
1日ツアーに参加し、銭塘江の逆流と西塘という水郷を見てきた。

お昼前ぐらいに、海から水が逆流してくる。
ゴーっという音とともに。

 

川幅が広い。こういう景色を見ると「ああ、中国だなあ」と思う。
来るとわかっていて、期待して見に行っている逆流だから、
しかも安全な高台からだからいいけれど、
これがもし、10メートルを超える津波だったら・・・。

いくら中秋節頃の逆流が一番規模が大きいからといって、
だいたい9月11日の翌日に逆流を見に行くなんて・・・。
と、少し自分を責めた。

次に西塘。
ハリウッド映画の舞台として使われてから、人気急上昇中とか。

入り口とわからない入り口から入ると、
1234と漢数字がふられた窓があった。



西塘は、石の橋が有名らしい。

 

目抜き通りは、確かに整備されていたものの、
「江南地方の水郷のお土産屋さんって、こうよね~」という店が、
ずっと続いていた。

何かを干してる。



鵜飼いの鵜。観光客慣れしすぎな鵜。



そういう通りはすぐに飽きるので、少し脇道へ入る。
まだ地元の人の暮らしが残っていた。



「そろそろ戻らなきゃ」と思って時計を見たら、
道ばたの椅子に腰掛けている地元のおじいさんに声をかけられた。

すごく訛っている。
最初何を言っているのかよくわからなくて、聞き返した。
最終的に5割りくらいしか聞き取れなかったけれど、たぶんこう言っていた。
「この先に、昔からの橋があるよ。共産党が勝手に壊して勝手に作り直した、
向こう(最近観光用として補修された目抜き通りの橋のほうを指差す)の橋とは違って、
共産党より前からある橋だよ。見て行きな」と。

どうして、こういう人にめぐりあえるのだろう。
なんだか、私はやっぱりラッキーだ。

行ってみると、小さめで、そして大切にされている橋があった。



渡るとき、確かに少し危なっかしいと思った。
きっと観光客が数珠つなぎになって登り、立ち止まり、写真を撮ろうとすると、
たぶんくずれる。

でも、こっちの景色の方が好きだな。



一回りして戻ってみると、おじいさんの姿は見えなかった。
家の中に戻っただけだろうけど、なんとなく、仙人に遭ったような気持ちになった。