ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

組織

2011-09-20 23:57:16 | Weblog
上海に来ている日本人にはいろいろな人がいるけれど、
日本にいるときと確実に違うと思うのは、
誰もが時間の区切りを意識しているということ。

死ぬまで中国にいるわけではない。
もしかしたら、中国で死ぬかもしれないけれど、
でも基本的には、日本に帰って死ぬものだと思っている。

時間の区切りは、人それぞれで、
1~2年の人もいれば、5年、10年の人もいる。

だから、その間に出来る限りのことをしたいと思うのは当然。
目的をもって上海に来ている人ならなおさら、
「それ以外のこと」もしくは「時間の浪費」はしたくない。

ということで、一番やりたくないなあ、と思いがちなのは、後輩の育成。
中国人のことではなくて、同じ日本人の育成。

氷河期さんの私としては、日本の会社でもほとんど後輩の育成をやったことがない。
まず、後輩がなかなか入って来なかったし、
入ってきたとしても、
ゆとりくんたちとのギャップは、思っていたよりも大きかった。

それがまた、上海でも繰り返される。
特に日本人の数が日本国内よりも少ないわけなので、
なんというか、こう・・・、濃密になる。

しかも、中国人たちは、当然のこととして、
日本人の育成は、日本人がやるものだと思っている。
まあ、中国人と日本人は、社内教育の感覚が違うから、それがいいんだろう。
しょうがない。

でも実際、目の前に「学びたいこと」があるのに、
中国人の部長から呼び止められ「お願い」と言われると、
「後輩指導かよ、おい!」という気持ちが、やはり頭をかすめる。

でも、日本の国力を本当に回復させたいのなら、
上海で働いている日本人が、それぞれの仕事力を上げることは必須。
中国人は、自国に入ってきた異物である日本人を、よく見ている。
そして、仕事ができる日本人をちゃんと尊敬してくれる。
だから、日本がなめられないためにも、私たちの仕事ぶりは非常に重要。

それは、サービス残業をする、
とりあえず、上司の言うことは何でも聞いてるフリをする、ということではない。
そんな雰囲気だったら、中国の人たちは、
やはり日本の会社は、戦前の軍隊と何も変わってない、と思うだろう。
というか、そんな雰囲気の会社が多いから、
いまだに中国の人は誤解してしまうんだと思う。

そうではなくて、
日本人は、各人にあった仕事の教え方をする、他人の考え方を尊重する、
でも、業務目標を達成するためだからお互い歩み寄るんだ、と、
肌で感じてもらうことが大切なんだと思う。
社風がそうだから俯いて従っている、というのではなくて、
顔を上げて個として向き合った結果の組織なんだということ。
だから、地縁でも血縁でもなく、組織が動いているんだ、と。

少し不思議だけれど、
能力評価が日本よりもシビアな上海にいるからこそ、
自分のことで精一杯な中にいるからこそ、
あえて、自分よりも年下の
同じ現地採用の日本人たちと向き合ってみようかなあ、
という気持ちがしてきた。