インタビュー記事の抜粋です
韓国の英文学者 羅 英均(ナ ヨンギョン)さん 1929年 旧満州生まれ
韓国は8月、日本の植民地支配からの解放70年を迎える。
幼い頃から日本語で徹底的に教育された知識人、ナ ヨンギョンさんは、
かつて自分たちの言葉を奪った日本を批判しながらも、
ナさんは隣国の人同士が交流を通じて、お互いのありのままの姿を知る大切さを訴える。
私は日本人指定のための幼稚園や小学校で学び、日本語しか分からなかった。
家でもお父さん、お母さんと呼び、物事を考えるのは日本語。
自分自身が文化的な異端者だと感じたこともあります。
日本は朝鮮半島を植民地にし、民族の言葉と名前を奪った。
私たちの存在を否定するに等しい、罪深いことでした。
Q: 解放後の街の様子は?
政治的な混乱が激しくなって、左翼と右翼の指導者が暗殺される事件など、
解放後に生じた権力の空白が無秩序を生んだ。
50年6月、朝鮮戦争が勃発し、全土が戦場となった。
日韓の国交が結ばれた65年当時、私は母校の梨花女子大の教師でした。
国交反対のデモに加わろうと、正門から街に出ようとするたくさんの教え子を、
警官隊が阻止しようとする。衝突しないよう、私たち教員が間に立ちました。
私は現実主義的な立場から国交正常化をベターと判断しましたが、
反感も分かりました。50年前に韓国人の中に渦巻いた複雑な感情を、
理解できる日本人は少ないでしょう。
父は1910年に現在の東京工業大学で学びました。
奉天(現 藩陽)で12歳まで育った私を父はレベルが高い日本人の学校で
学ばせた。父は自らの留学についても『同化ではない。一歩先に近代化を
進めた日本に追いつくため』と考えて、日本語もその道具とみていた。
明治以来の日本の翻訳文化はすばらしかった。
多くの国の外国文学や思想を日本語で読めました。
私が英文学を一生の仕事とする下地になったのも、父の蔵書だった
シェークスピア全集を、大学に入る前に読んだことでした。(坪内逍遥訳)
私は、日本の肩を持ちすぎると言われることがあります。
植民地下で厳しい経験を強いられた人がいることは知っていますが、
日本の優れたところを素直に認める考えを大学の先生たちに話すと
『同感だ』と、こっそり言われることもあります。
一人の人間について、親日とか反日とか決め付けることはできません。
国と国とが政治的に対立しても個人では仲良く交流できるということを、
父や私の世代は体験しました。
Q: 歴史や文化の異なる相手を血の通った人間とみるには、何が大切でしょうか。
まずは相手の言葉を知ること、次に相手の国を訪ねることでしょう。
90年代末まで、韓国では日本の映画や歌は禁じられていたが、
こっそり楽しんでいた人は実は多かったのです。
感情を抑えて、目や顔の微妙な表情で気持ちを伝える日本人の演技には
独特の魅力があります。
逆に大声で叫ぶこちらの俳優の演技を楽しむ韓流ファンの日本人も多いのでしょうね。
文化のそんな違いを、お互いに素直に楽しむことができれば、それはすばらしいことです。
夏目漱石のファンで、あれだけ魅力的な作家はいないと思っていた私ですが、
最近、村上春樹の『1Q84』を読んで新鮮だと感じました。
(インタビューは日本語で行った)
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羅さんは、「相手の言葉を知ること」と言われているけれど、羅さんは語学ができるけれど、
普通の人は、韓国話は話せない。それなりに勉強するということでしょうか!?
韓国ドラマや映画が多く放映されるようになり、初めて韓国のことを知ることができたし、
こんなに近い国なのに、文化の違いも驚いた。
日韓併合期の朝鮮を題材にした「族譜」の舞台を見て、「創始改名」のことも知った。
韓国に旅行にも行ったし~。
韓流ブームがなかったら、私は今も韓国の事は知らないだろう!?
20世紀前半は日本も韓国も戦争で苦しんだ。今は良い時代になった。
アガサさんとも韓流ブームがなければ知り合うこともなかったですね。
韓ドラの歴史劇を見て、韓国の歴史も少しだけ知ることができたし、日本は韓国から、陶芸や諸々のことを学びました。
韓流ブームのおかげで、韓国の事を少しは知ることができましたよね。
在日韓国人の方々は複雑な感情を持っているのでしょうが、人間として向き合えばきっと仲良くやっていけると思います。
それまでは韓国のことは私も無知でした。
ドラマも面白いものが多いし、それで、韓国のことも、自然に知ることができました。
私たちなりに韓国を知ることが、友好が深まる一歩になりますね。
「千里の道も一歩から」ですね。
知ろうともしていませんでした。
たくさんのドラマを観て、韓国の言葉や文化を少しは知りました。
国対国となると、難しい問題もありますし、日本に対して強い反発をする人たちも居ますが、個人としてはお互いの国にも旅行をして仲良くできていることも多いですね。
一番のお隣さん、もっと仲良く出来ればいいですね。